いくらか払ってもいいからなぜそんなに秋にこだわるのか知りたいよ! まだ 夏にもなってないのに………
それでも 流行のカラーって4年間くらいは決まってるらしい 染めの関係で方向性が決まるって聞いたことあるよ
本当かどうかは知らんけど
茶色と緑なら無難で有り難いね くすんだパステルカラーがポイントだってさ!
十九
ヘソクリスは、読んでいなかったトリセツを必死に読み込んだ。そこには、スリップのAIに搭載された「憑依解除機能」の項目があった。
そして彼は事情を知った。母さんがスリップに憑依したのだ。「所有者による神聖なる生まれた姿の舞…により解除される
………裸踊りってこと?」ヘソクリスは、トリセツの記述に呆れ果てた。しかし、他に方法は見つからない。
「母さんを戻すために、俺が脱ぐのかよ…」 口ではそう言いながら、ヘソクリスの手はシャツの裾にかかっていた。
この瞬間、自分という存在が、愛とバカの境界線を踏み越えるのだと彼は思った。
「母さん、悪いけど、見ないでくれよ。」
「まさか、本気で…あの阿呆な取扱説明書を信じてるの?」
スリップ(母)は狼狽しながら、キャンキャン吠え立てる。
「うるさいな!信じたくないけど…母さんを戻す方法、これしかないんだよ!」
ヘソクリスは服を脱ぎ終えると、銀のお盆を手に取り、ふう、とひと息ついた。
そして、踊り出した。
それは「白鳥の湖」だった。優雅さの中に妙な緊張感があり、彼の腰の動きは、どうにも股間を強調していた。

露わにしたかと思えば、クルリとターンして、お盆で隠す。バレエの旋律に乗せて、チラリズムと滑稽さが共演する。
スリップ(母)は、止めさせようと、ヘソクリスの向こう脛に食いつく。「痛いじゃないか!早く元に戻りたいんだろう?嫌なら…見ないでくれよ。」
彼は舞い続けた。バカらしさを突き抜けて、どこか清々しく神々しく見えた。
その時、スリップの体が光を帯び、激しく震えた。ロボット犬の中から母の意識が解き放たれる。
スリップは元の状態に戻り、ヘソクリスに駆け寄る。「スリップ、よかった…」
ヘソクリスは、スリップを抱きしめ、安堵の息をついた。 一方、解放された母親は、ヘソクリスの裸踊りを見て、激しく動揺していた。
「あんな恥ずかしい姿、二度と見せないでちょうだい!」 「はいはい。見るなって言っても見るしね。」ヘソクリスは、母親の言葉を適当に受け流し、服を着始めた。
「ったく、本当に懲りない人だな…」ヘソクリスは、スリップを抱きかかえ、部屋を出ようとした。