エイプリルフールで笑った嘘は?
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今日はエイプリルフールです。ゴメンナサイ!純粋な嘘でした。
二十四
悔しくて泣いていた貧乏神も、少し落ち着きを取り戻した。「お福さん、あなた、病の正体を知っていたの?」
お福さんは軽く頷きながら、ふっとタンポポの綿毛を飛ばした。
貧乏神は鼻にシワを作って、「嗚呼、彼は優秀な神材だから、タップリの有給をもらって、旅行に行ってると思うわ」と呟いた。
お福さんは微笑みながら、少し首を傾げた。「アラッ、意外、もっとオドロオドロしく、次の厄を考えていると思った。だって、彼って孤独よね。」
「それがね、疫病神は至ってポジティブな凡人だったわよ。」貧乏神は軽く肩をすくめた。
お福さんは頷き、「そう、じゃあ、良かった。だって、貧乏神は貧乏暇なしとか言われて、愛されキャラなところがあるけど、疫病神にはないから、孤独でひねくれてるって思ってた。」と。
「お福さん、人は貧乏には耐えるけど、厄には耐えられないんじゃないの? 目に見える大勢の苦しみを目にすると、俄然チカラが湧くのね。
皮肉だけど厄は明日を開く扉でもあるんだわ。だから疫病神はポジティブで要られるんじゃないかしら?
イヤ、アタシらは、人というターゲットを根こそぎ失ったらそれはそれで死活問題だから、同じ穴のムジナよー」と、貧乏神は軽く微笑みながら言った。
「アラッ!本当ね」と、お福さんは弾けるように笑う。