「こんにちわぁ~はじめましてぇ~MEIKOこと、メイコでーす」


おお、これぞ完全な女性音源。それもなんだか「姉さん」とでも呼びたくなるような声だ。


「こんにちは、えーと・・・メイコさんでいい?」


マウスのような球体に向けぼくは話しかけた。


「メイコさんかぁ・・・う~んなんだかやりにくいから、めーちゃんでいいですよ」


「あ、は、はい」


「ふふ、冗談です。ジョーダン。あっ、今の内に言っときますけどぉ私はあくまでも人工知能ですからね。あとメイコっていう人は実在してまーす。私はその声を借りてあなたとのコミュニケーションを実現しているだけです。・・・そういえばあなたのフルネームは?」


人工知能という技術はぼくのいた国にも存在したが、いきなり冗談を言ってきて、ユーザーの名前を聞くという機能を持った人工知能は、少なくともぼくのいた国の人工知能には備わっていなかった。しかもフルネーム。もしかしたら・・・


「えーと・・・これもジョーダン?」


「いえいえ、マジでーす」


マジみたいだ。ぼくのいた国では人工知能がどこまで通っていいのかという法律がいくつもあり、それらの機能は制限が掛けられていたはずだ。特に個人情報の流失に関する制限が多かった気がする。名前の聞くなどもってのほかだった、かな。


「月三・・・才火です」


「お月見火災?」


「あ、えーと・・・三日月から日をとって逆にして月三で、天才の才に燃える火で才火って感じです」


「へぇ~おもしろいね」


面白いと言われたが、嬉しいような嬉しくないような。


「じゃぁツッキィでいい?呼び名」


「まぁいいですけど・・・ぼくはやっぱりメイコさんでいいです」


「オッケー、どうでもいいけど多分私たち長い付き合いになると思いますから、改めてよろしく~」


「あ、はい」


本当にコノ人は人工知能なのか?今更疑問に思えてきた。それに丁寧語を使っているのかそうじゃないのかというのも・・・もういい。


「そんでもってツッキィは何処に行ってみたいんですか?」


文法涙目とはこのことだ。


「う~ん分からないことが多すぎて・・・」


「あ~そういうんだったらおすすめな場所がありますよ」


割り込んできたが、目をつぶろう。


それじゃぁメイコさんのおすすめポイントでいいです」


「オッケー、とりあえず空港を出ましょうか」


出る、と言っても見渡す限りの人人人に、やかましい港内放送に航空機の騒音・・・というか爆音などの不安定要素のせいで、見えない巨大な壁が目の前にあるような・・・というか出口ってどっちだ。


あ、聞けばいんだ。


「んーそれで出口は何処ですか」


「はいはい、今検索します・・・」


”ここ”で売ってるのに何故”ここ”の地理を知らない。ホントに突っ込みどころが多すぎる。


「えーと・・・今ツッキィが向いてる逆方向の通路を300メートルくらい直進、そんでもって広い空間に出るんでそこの右側が出口ですね」


「おk」


それにしてもここは広い。第一級のショッピングモール並みだ。まあそれもこれも、この国の技術の結晶なのだろうけど。


”広い空間”といったか。しかしこの空間は・・・。どこの野球ドームだ?


「わーお」


ドーム上の天井の頂点付近には、立体映像のチャンネルが絶えず飛び回っている。


「ツッキィは立体映像初めてですか?」


「まあぼくのいた国にも少しはありましたが、ここまで実用化はされてなかった・・・っけ?」


とりあえず出口はもう右に見えている。さっきまでは通路にいたからこの群衆が詰め込められるようになっていたが、ここでは結構まばらになっている。なんだか開放された気分だ。


「ツッキィ~、ボーッとしてると人とぶつかりますよー」


「あ、はい」


ボーッとするのは特技というか・・・ついやってしまう。直せる物なら直したいが。


「ほらほら、お出迎えですよ」


出口の上には横断幕のような立体映像。内容は・・・



Welcome to NICO NICO KINGDOM



出口から差し込む光は、人工の物ではない。当たり前だけど。


しかしその光は、いつもより清々しく感じられた。


「ようこそ、私たちが誇る世界一の技術大国、【ニコニコ王国】へ!」


「メイコさんテンション上がってる?」


「勿論ですよ。だってまた1人、この国に足を踏み入れた人が増えたんですから!」


「踏み入れただけなんだけどなぁ・・・」


「いえいえ、この一歩はあなたにとっても、この国にとっても大きい一歩です。多分」


「はは、多分かwww


「これからは何もかもぜ~んぶ、ツッキィの自由ですよ。本当に何もかもです」


「うん、なんだかワクワクしてきたよ」


「その気持ちを忘れないでくださいね。この国はそういう気持ちと、みんなの笑顔をエネルギーとしているんです

から」


「笑顔、か」


「そう!笑顔です。どんなに固い壁で必ず破ることが出来る力、それがニコニコの力の真価ですよ」


「・・・それは人工知能のモットー?」


「えーとこの私、一人工知能としてのモットーですね」


「はは、じゃぁぼくは、ぼくの笑顔を見つけるよ」


「その意気です!」


やっぱり日の光は、温かい。どこまでも続く青い天井。遠くに霞んで見える大都会の蜃気楼。


「それでは、ゆっくりしていってね!!!」

『当機はまもなく首都国際空港に着陸します。お立ちになっているお客様はご自分の席に戻りシートベルトを着用してください』


軽く鬱になり、つかの間の安眠を取っていたがそれもここまでのようだ。


「んん・・・」


小窓から見えるこの国の山脈のように連なる摩天楼の山肌を眺めつつ、ぼくは軽く伸びをした。


「ホントにきちゃったなぁ・・・」


ずっと楽しみにしていたことがもうすぐ叶うという期待半分、それとこれで本当にいいのかという呆れ半分の口調だった。


ぼくの平衡感覚が違和感を持った、約1秒後。旅客機がぐうんとその方向を変えた。


四角い小窓の景色もそれらにあわせるように傾いて、移り変わった。


「・・・わーお」


果てしなく続く水平線。


海、だ。


正確には、この国の首都を世界一の大都市にまでに発展させた巨大な貿易港を誇る、それまた巨大な湾だった。


湾の内側からその出入り口、そしてその向こうに広がる大洋にかけてたくさんの貿易船が行き来しているのが見て取れた。


湾の海岸線は、人為的に埋め立てられ、複雑で入り組んだ四角い線を描いていた。


ぐんぐんと地面と水面が迫る。否、逆にこの機が高度を落としていた。


『当機はもうまもなく-』


「大事なことなので二回言います、か」


大事というか、当たり前だが。


再び小窓を覗くと僅かにだが、この機の前方に滑走路を所持する埋め立てた島が見えた。


着陸は至ってスムーズだった。揺れもほとんど無く、この国の技術力の高さを無言で告示されているかのようだった。


『-三時間のフライト、ご苦労様でした。またのご利用をお待ちしております』


面倒な入国手続きを済ませた後、ぼくはとりあえず空港内のショッピングモール的な場所へ足を運んだ。


ざわざわと、すごい人の数だ。3桁4桁どころでは収まりきらないだろう。


両脇にやけに照明の明るい店舗を延々と従えている通路を、特に目的もなく歩いていると、ある電化製品(?)が目にとまった。


パソコンのマウスぐらいの楕円の球体からイヤホンが両耳分飛び出しているその代物には、こう記載されていた。


【初入国すけっとくん】


横に置いてあった説明書を手に取り読んでみると、どうやら内蔵されてる人工知能が会話機能を使い、この国(主に首都中心に)を案内してくれるらしい。


「これ、便利じゃね?」


さっきから独り言しか言ってなかったが、コイツがあれば何とかなりそうだ。


さっそく購入しようとレジに向かい、そのレジで思わず吹いた。


「・・・・・・安・・・い・・・、だと・・・」


1980pts。いくら何でも安すぎる。


こういう代物はフツーは桁がもう一つ上だ。少なくとも、ぼくのいた国ではそうだった。


とりあえず安いに越したことはないので購入してみた


もしかしたらパチ物か?もしそうだったら時既に遅しだが。


仕方がないのでイヤホンを付け、半信半疑でコイツの起動ボタンを押した。


「ボイス設定。・・・・・・カイト、オワ、メイコ」


かいと?めいこ?つまり男か女かってことか。


イヤホンから聞こえる無機質な声には疑問符がない。ああ、めんど・・・。


「んじゃぁ・・・メイコで」


「・・・設定完了。システム起動」


これでもぼくは男だからやはり女の人の方が耳が幸せだ。しかし、メイコが女だとは限らないが。

更新は月一。


最近はニコニコ動画。


内容は小説。


どんな小説かというと、カオスで痛くてオールスターな感じ。


作者は現充。


とかマジ勘弁www


テンポはgdgd。


それでは、ゆっくりしていってね!!!




@ガキ:完結はする!多分!!