開け放った
窓から 漂う
雲は 薄いけれど暗い
色味も 音も無い
匂い立つ 気配が
なければ
気づかなかった
雨 なんて
確実に
季節が 変わった
降り様
雨の匂い より
あの頃の 匂い
優しいだけ が
哀しかった
手に取る ように
わかるから
わたし を
優先して 欲しくなかった
そう、
究極 の 我儘
わたし を 赦す
なんて
あの優しさ は
本物だった
決して
愛 では なかったけれど。