溝に浸っている。

私の本質なんてこんなものだろう、黒くてずぶずぶの、足捌きを悪くして、床の軋むような不快感。

音。

頭を使って捻り出す理由は、どんなものでもくだらない。この脳で考えられるだけのことは、きっと全てが無駄に違いない。

ね、青が綺麗だね。

 

こんな感情は悲しいんだと思う。

傷つけてくる言葉は、この世界の何よりもシンプルなんだ。それだけに複雑な肉体を劈くように侵入して体内を駆け巡る。

何度追い出そうとしたことか、けれどこんな思いこそが、目に見えない怪我を負うことこそが、……。

太陽が憎いと思ったことはない。

明日を恨むようなことはしない。

ただ本当に、恥ずかしいだけだ。

戦う術を捨てて煤埃のようになっている己が、不愉快で仕方なく、どうしようもなく。しかしながら改善しようとは望まない強かな未熟さ。割ってくれ、私を割って、正しい理屈で埋めてくれ。

色が美しい、でも分からない。

 

ぼやける。

高まった感受性は、別に役には立たない。

全てに敏感になっても、何かが解決する訳ではない。

休日。

同じサイコロの目。

ラッキー、幸か不幸か、絶望なんかは想像できる。面白くはない。

励ますのは馬鹿らしい、前向きでいるのは阿呆らしい。

そっと今の気持ちを撫でる。

案外快楽だ。

訳の分からない芸術に救われていたあの頃、私は自由に縛られたかったんだろう。懐かしいというのは、愛しさと似ているのか。だから忘れないようにできている。

 

過去の思い出。大して大切ではないね。

劣等感。鳥肌が立つほど唆る心情だろ、舐めてかかるか。

何かが足りないのはきっと花だ。

私の目の前で花開けば、雫が垂れる。その一滴があれば、潤い、枯れて、再び味わえる。

願えば、一輪の花を。……

この溝水を差そうね。