来月にはあたしは新居に移っている
近頃できた気の合う友達は、来月かなり南の方に移るという
何から何まで似ているなぁと思う
金がない中良い肉を食いに行って、我ながら見栄を張っているけれど、予定を早めに組んで良かったと思えた
この子とは距離が離れても何ら問題はない
それくらい最初から気楽な関係であった。
おまけに美人で麗しく、眼福であった。そして内面とのギャップにいつも悩んでいる。
出会ってから1年ほど経ったかと思うが、彼女はみるみる変わっていった。
変わっていく様子を一番身近に感じられていたのは、たぶんあたし
あたしと会うと、幸せな気持ちになるとか、勇気をもらう、元気になれたとか、彼女は上品に微笑んだり時に声を上げて笑ったりして。
そんな様子がとても可愛い。
昔っから女の子にモテちゃって、我ながら名誉なことである。
遠くに行くこと、不安はあっても寂しくはない
お互い強く生きていかなきゃならんので
でも、思い出は増やしておきたいよねって。
お互いが遠くに行けば行くほど、知らなかった世界を共有できる。
あんなことがあった
こんなことがあった
そうやって自分達が見てきたこと、感じたことを側で共有したいよね。
子供の頃に戻ったみたいに、無邪気になれる存在
かなり奥の方にしまい込んでいた幼心が、救われて綻ぶ
ありがとうね、いつも。
実家に帰っていた彼も仕事に行く前に顔を出しにきた。
大きなお土産を二つ抱えて、得意げである。主にあんたの宝物じゃないか。
しかしまぁ、これもまた幸せのひととき、か
すぐに職場に向かわなければならないのに、10分程横になるという。
一旦洗濯物を畳んでいる手を止めて、大好きな体温にあやかることにした。
時間になったら起こしてね
そうやっていとも簡単にあたしに仕事を課してくる
時計を気にするふりをして、教えてなんかやらないのだ。
けれども、この子はちゃんと時間通り起きることも知っている
遅刻癖がなくなってきたのは最近のことなので、まだ油断はできないが…
他人は自分が思うよりもしっかりしているんだ
あたしはよく思い上がるから、あれこれ口出ししないように戒めるのが勉強なんだ。
ねぇ、とっておきのバランス感覚を。
焼肉の後に訪れた夜の公園
ライトアップされた噴水は、夏の思い出の色に輝く
お気に入りの缶を一杯。
おしゃべりはあたしたちだけのもの
何もあなたを縛るものはない
皆が何も心配していなくても、補償なんてどこにもないもんね
でもうまくいかなくても大丈夫って思える場所を、ちゃんとここに見つけたね。
いってらっしゃい
いってくるよ
次の旅は、南まで行ってみようかと思います