その日はなんでもない日だった

ただいつもより人肌が恋しいというか酷いやつだと思うけど誰でもよかった


たまたま会ったのが俺に恋心を抱いてるやつだっただけの話


嫌に外の音が耳につく

変な静けさとか木の葉が風に揺れる音とかが何故かとても気になった

ひとりじゃ落ち着かない

誰かに会いたい、声が聞きたい

1人が好きだと自負してる俺にしては珍しい感情だった

それを見透かしたかのように一人の女が声を掛けてきた

「あら、ガンマじゃない」

踊り子のような衣装に身を包み口元をベールで隠している

しかしその口元は隠しきれてない嫌な笑顔を浮かべていた

「げ……」

思わず声が漏れた

俺はこいつが嫌いというか苦手というかとにかく俺には合わないタイプの人間だった

「ふふ、そんな嫌そうな顔しないでよ。まあ私はあなたに会うことも嫌な顔されるのもわかっていたのだけど」

こいつの名前はオミクロン、なんでも知ってるように言うのにはわけがある

こいつは占いを生業にしてるのだ

その精度は折り紙付きで毎日店には行列ができている

それだけならすごいと思うし尊敬だっていい

ただこいつはその力を俺に対するストーカー行為に対しても使うのだ

いつ見張られてるかも分からないこいつはあまり好きじゃない

「…何してんだよ」

悪態をついてみる

「何って、お散歩とでも言えばいいかしら、今日の運勢はそうするのが吉だったから、そしてあなたに会えた」

俺に向かって指をさしながら言う

「相変わらずストーカーしてんのかよ」

「ストーカーなんて酷いわ、私がしてるのは純愛よ、それに付きまとってなんか無いもの占いが教えてくれるだけだから」

一緒じゃねえか……とボソリと言ってみたがオミクロンの耳には届かないらしい

しばし沈黙が流れた


ああ今日はやっぱり良くない日かもしれない

オミクロンには会うし外はうるさいしなんだかイライラしてしまう

そのはけ口におミクロンを使った

「今日は気分が良くねーんだ、さっさと消えろ」

「人肌が恋しいんでしょ?」

ズバリ、言い当てられてしまった

「さすが占い師様、なんでもお見通しってか??」

はぁ、とため息をついた

「だったらどぉすんだ?」

「私がいるわよ?」

一瞬意味がわからなかった

こいつは何を言ってるんだ?

散歩の続きでもしてろってんだ

「お散歩っていうのも楽しいものじゃないのよ1人では、ね。一緒にどうかしら?」

心まで見透かしてんのかこいつは……


「とにかく訳は分からんが俺は一人で帰る」

イライラが増長する前に来た道を引き返す

オミクロンは無視して帰ろうとすると後ろからさらに声をかけてきた

「私も目的地がそっち方面なの、一緒に行くわね」

何故か嫌とはいえなかった

めんどくさいとは思ったが

俺はそのまま歩き続けて後ろをちょこちょこ着いてくるオミクロンを無視した

気にしないようにしていた

最初に言っと通り今日は人肌が恋しかったんだ


意味もなく家を飛び出してきた先でオミクロンに出会ってなんとなく嫌な気分になって結局来た道を戻り自宅まで着いてしまった



次回に続く




何年振りの小説

拙いものですが……

やはり難しいものですね

言葉や間の使い方?

風景の説明、登場人物の絡み

何も分かりません

面白くは出来ませんが一生懸命書くのでよろしくお願いします


落書きですが今回の登場人物のイメージです

↓オミクロン


↓ガンマ