先日母が亡くなって11回目の
11月17日を迎えた
 
 
毎年11月になると
冷たくなっていく母と葬儀社の車に乗って葬儀会場に向かったあの時の記憶がよみがえる
「私、決していい娘じゃなかったよね
今さらこんなこと思っても手遅れだけど ごめんね…」
まだ11月なのにみぞれ混じりの雨も降ってきて
寒さと悲しみと後悔で
震えていたあの日
 





母が嫌いだった
中学になってから1度もお弁当作ってくれなかった
ギャンブル好きの父親と別れると言いながら決して別れる事はなかった
それどころか時々父に見せる女性の姿に嫌悪感さえ覚えた
母と同じようにはなりたくないとずっと否定してきた
なのに母と同じ病気になってしまい絶望し受け入れられなくて
体がどうしようもなくなるまで治療を拒否した

 
でも、母が脳幹出血で倒れて回復の見込みがないと言われ
なくなるまでの1ヵ月間毎日のように母の病院に通いながら
母の目線からいろいろなことを考えてみた
そしてわかった
母は母で自分に与えられた環境の中で精一杯頑張って生きてきたんだと
そして、愛情上下手な人なんだったと
母ともう話すことができなくなってからやっとそのことに気づくなんて…本当にダメな娘だ

 
 
 
あぁ、今年も
悲しみの11月が近づいてくる
そんな切ない気持ちでいたのに
 
ふと、気がついたら母の命日が終わっていた
今年はコロナと言うこともあり妹と弔うこともなかった
そんな事情もあるのかもしれないけど
こんな事は初めて
 
 
 

日々の生活に振り回されて忘れていた自分を責める気持ちも全く起こらない
悲しみの度合いが軽くなったのかな
私の中での母の存在が変わってきたのかな
いろいろ考えて出した答えは
 
 

 
10年経って母は別のステージに上がったんじゃないかと
 
 
だからもう11月が来るたびに
後悔や悲しみの涙を流さなくていいんだよ
そんなふうに言ってくれているいるような気がする
 


 
亡くなった日はとても寒くて
母のお腹の上に置いてあるドライアイスも冷たそうで
母は今でもずっと寒い思いをしてるんじゃないかって気にしていたら

夢の中に母が出てきた
「お母ちゃん寒くない?」私がそう話しかけると
母が手を伸ばして来てくれた

その手はとても温かくて
あぁ、もう寒くないんやねよかった
安心させてくれた


あのぬくもりは私の心の中でまだあったかいままだよ


 
上のステージに上がっても
私の心の中ではいつまでも私のお母ちゃんでいてね


 
ありがとうお母ちゃん
 
 
 
 
11回目の11月
母に届け…