先日買った


「東京タワー」

オカンとボクと時々、オトン

リリー・フランキー


読みました


雅也(リリーさん)とオカンの愛情物語



雅也は北九州の小倉で生まれる


が、両親が別居状態でオカンの実家の筑豊で


オカンのお母さんつまりおばあちゃんとオカンと雅也で暮す



節目節目でオトンが父親の役割を果たすべく登場する


小倉時代は引っ込みじあんの雅也


幼稚園にも泣き叫んでオカンがついて行く


で、筑穂に引っ越すと土地柄か


しだいに活発になって行く


そこで青春時代を過ごす


雅也が中学にあがる頃


オカンがオトンと暮すから小倉にいくよと言い出し


同級生に別れを告げる


みんなから送別会をしてもらう


が、急に小倉行きが無くなって


やはりそのままみんなと同じ中学に行くことになる


なんともバツの悪い



中学時代は野球部でしごきにあう


今では考えられないしごき


しかし、それに耐える



やがて高校受験


大分の市立の美術学校を受験するのだが


なぜかオトンが登場して


怪しげな人をつれて雅也と一緒に


雅也の絵を見てもらうと言い出し大分に行く


ついてきたのは、チンピラのような人


オトンはそういう筋のお仕事をしていたのだ


絵を見てくれる先生にお金を握らそうとするが


ガンとしてうけとらない先生


でも受験の結果は合格だった



親元を離れて一人暮らしの雅也


がんばって勉強するどころか


自堕落な暮しになる


で、二年生の担任の先生が毎日朝迎えにくる


そこで怠け癖がなおる


好きな子ができるのも、そのころ


しかし、彼女は敬虔なモルモン教徒


彼女の友達(同じ宗教の子)からモルモン教とになってくれないかと言われ


宗教に勧誘されているのか自分を好きなのかわからなくなる


で、失恋して



東京の武蔵野美術大学へ行く



その間オカンはいつも一人息子の雅也の事を思い


女手一つで雅也を育てる


オトンからは一切しおくりがないが


雅也に肩身の狭い思いをさせないように


欲しいというものは買ってあげる


ご飯もいつも品数を沢山出す


でも、オカンは自分の物は何一つ買わない


息子に対する深い愛情



東京に出て、これまた自堕落な生活


大学も留年して5年で卒業


卒業してからも就職が決まらず


夜逃げのような生活を繰り返す



その間オカンは筑豊から兄弟姉妹の居る北九州の若松へ


真っ赤な若戸大橋の見える若松


リリーさんの表現では


東京タワーを寝かしたような若戸大橋


たしかに、そうだ・・・ 赤い鉄の橋


先日渡ってきました




何年かするとオカンはその家を出ることになる


で、筑豊に戻るが


やはり肩身の狭い暮し



少しづつ仕事も増え始めた雅也の住む東京に行く


そこでまた、親子の暮らしが始まる


料理上手な明るいお母さん


雅也の友達とすぐに仲良しになる


とにかく親切なお母さん


自分の事より人の事に心を配る


やっと見つけた落ち着ける家での雅也との暮し


そんな折オカンに癌がみつかる


甲状腺 手術をすれば声を失うかもしれない


でもそこでオカンは運を拾う


主治医の先生の紹介でフランス帰りの腕の良いお医者様との出会い


声を残したまま癌を摘出


また、楽しい暮らしが始まる



しかし癌はまたオカンに


胃にスキルス癌が・・・・


このあとは、ちょっと主人の最後と重なるので書けない


リリーさんよくぞここまで書いたなって思います


書くの辛かっただろうな


大好きなお母さんの最後


お母さんが亡くなった後に


オトンから何故長いこと別居していたかを聞く



オトンのお母さんとオカンの仲が上手く行かなかったら別居していたと


普通は長いこと別居していると離婚になってしまうものだが


オトンも他の女性と暮していた時期もある


でも最後まで離婚しなかった


オカンはオトンが好きだったんだね



何故題名が「東京タワー」なのか


東京に出てきて


オカンと一緒に登ろうと約束して居た場所


登る機会がなく


オカンが入院を繰り返した病院が東京タワーの麓にあった


病室から見える東京タワー


オカンが亡くなったあとに雅也一人で登る


でも一人じゃないんだよね オカンは雅也の傍に居る



兎に角 オカンの雅也にかける愛情の深さ


雅也だけではない


色んな人にたいする優しさ


泣けました



読んでください


オカンの愛情がちりばめられています



あ、リリーさん一人っ子ですが


ホントは3歳下の兄弟か姉妹が居るはずだったのです


オカンが身ごもった時期


生まれると丙午の子供になるという事で


オトンのお母さんが出産をものすごく反対した



今ではあんまり言われないが


昔は丙午の女性は男を食い殺すと言われるほど気性が荒いとされた


だから、実際に丙午の年代は出生率が低い


60年に一度やってくる丙午



せっちゃんは1966年の丙午の生まれ


リリーさんの生まれてこれなかった兄弟と同じ年生まれなのです


リリーさんとせっちゃんは何か引き合うものがあるのかもしれませんね


松田美由紀さんも実名で登場しています


なんか、繋がってるですね