Q  私は組合創立以来20年にわたり組合の事務局長をしています。この夏、10年以上組合に勤務している職員を労うことを目的とした海外旅行を計画しています(組合から旅行会社へ直接代金を支払う予定です)。理事会でその話をしたところ、理事の方から「職員の給与になるのではないか」と指摘を受けました。本当に給与になってしまうのでしょうか。

 

A  職員への経済的利益の給付は、原則的には給与として課税されますが、永年にわたって勤務している人への表彰(永年勤続記念)については、給与課税されないケースもあります。その給与課税されない代表例として「旅行」への招待があります。下記にてその要件を確認しましょう。

 

 

1.給与課税されない「旅行」とは

 永年勤続記念として組合が職員のために手配する旅行については、下記要件のすべてを満たしている場合には、福利厚生費に該当し、給与課税する必要はありません。

(1) その人の勤続年数や地位などに照らして社会一般的にみて相当な金額以内であること。

(2) 勤続年数がおおむね10年以上である人を対象としていること。

(3) 同じ人を2回以上表彰する場合には、前に表彰したときからおおむね5年以上の間隔があいていること。

                  (出典:国税庁HPタックスアンサー(一部抜粋))

 

 したがって、ご質問のケースでは勤続10年以上の職員を対象としていますので、一般的な旅行である限りは給与課税されることはないと考えられます。

 

2.旅行券を支給した場合

 「旅行への招待」とは異なり、「旅行券」の支給は、換金性があるなどの理由から原則として給与になります。しかし、下記の要件をすべて満たしている場合には、福利厚生費として給与課税する必要はありません。

(1) 旅行の実施は、旅行券の支給後1年以内であること。

(2) 旅行の範囲は、支給した旅行券の額からみて相当なものであること。

(3) 旅行券の支給を受けた者が当該旅行券を使用して旅行を実施した場合には、必要事項(旅行日・旅行先・旅行社等への支払額等)を記載し、これに旅行先等を確認できる資料を添付して組合に提出すること。

(4) 旅行券の支給を受けた者が支給後1年以内に旅行券を使用しなかった場合には返還すること。           (出典:国税庁HPタックスアンサー(一部抜粋))

 

3.最後に

 人手不足の現在の環境において、いかに優秀な職員を確保・定着させるかは非常に悩ましい問題だと思います。今回のケースも含め、どのような対策を講じるべきか一度ご検討してみてはいかがでしょうか。また、実際の運用に関しては、規定等を整備するとともに中央会や税理士にご相談ください。

 

4.(参考)組合員を旅行に招待する場合

 では、少し話が変わりますが、組合員同士の親睦、情報交換を目的にした旅行費用を組合が負担した場合はどのように取り扱われるのでしょうか。

 旅行代金や目的・出席者によっても取り扱いは異なるでしょうが、組合員への支出については税務上の交際費として処理する必要があると思われます。

 

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著  椿祐輔  塚越大紀  小松満義  國村年

定 価:2,100円(税込)

発行日:2013-08-06

加入金についての質問があったので回答いたします。

 

 

Q1.私は株式会社の経理部門に長いこと勤めていましたが、縁あって東京都内の事業協同組合に勤めることになりました。今回初めて組合の決算に関わりましたが、そこで組合員資本の中に加入金という項目が計上されていることに気づきました。

この「加入金」、株式会社の決算書には出てきませんでしたが、どういうものなのか教えてください。

 

 

A. 加入金には大きく2つの性格があると言われています。一つ目は持分調整金としての性格です。組合財産が増加すると、既存組合員の組合財産に対する持分と新規組合加入者の持分に不公平が生じるケースがあります。これを調整するのが加入金の持分調整です。2つ目は加入に対する事務手数料という性格で、金額的に少額であり実務的に問題になることは少ないと思います。

 

 

1.持分調整金としての加入金

①加入金を徴収できる組合は…

 持分調整金としての加入金は全ての協同組合で徴収できるものではなく、徴収できる組合は限られています。原則として、加入金を徴収できる組合は脱退者への持分払戻方法が全部払戻や簿価限度払戻(中小企業だより平成27年12月号参照)を採用している組合等に限られます。

 

②加入金の算定

 加入金の目的は、既存の組合員と新規組合加入者との間に不公平が生じることを防止することにあります。したがって、加入金の算定は、その不公平を埋める金額になります。

簡便的な例で説明すると、1口1万円の組合について、現時点で脱退すると1口5万円払戻しされる場合は、既存の組合員と新規組合員との不公平部分の金額は1口4万円(5万円-1万円)となるので、加入金は1口4万円となります。

 

③会計・税務処理方法について

 持分調整金としての加入金は、損益計算書の収入に計上することなく、純資産の部の資本剰余金の中の資本準備金に計上します。したがって、組合は加入金をもらって法人税等が発生する、ということはありません。法人税申告書においては、別表5(一)資本積立金額の計算に関する明細書に加入金の増減を記載する欄がありますので、そこに記載します。

 

2.加入に対する事務手数料としての加入金(加入手数料)

 事務手数料としての加入金は、その名の通り、加入に対する事務作業等の手数料として組合会計上は収益計上が求められます。当然、加入に係る事務手続きの対価となりますので、不相応に高額な手数料は認められないでしょう。

 この加入手数料は、脱退者への持分払戻方法が出資額限度払戻の組合において徴収しているケースがありますが、全部払戻や簿価限度払戻の組合も1.の加入金とは別に徴収可能です。

 

3.最後に

 脱退者への持分払戻方法の変更を検討している場合には、加入金の取り扱いも同時に検討する必要があります。脱退者持分に対する払戻金額や新規組合加入者に対する加入金は、組合員の権利義務に関わる重要な問題ですので、慎重な対応が求められます。ご不明な点がありましたら、各都道府県の中小企業団体中央会の担当者へご相談ください。