炎上ビジネスと脳内伝達物質 | 新宿四谷発 ファンクショナルトレーニングマスター 岩沢陽介のファンクショナルな日々

新宿四谷発 ファンクショナルトレーニングマスター 岩沢陽介のファンクショナルな日々

新宿区四谷でトレーニングジム「ファンクショナルトレーニングラボ クエスト」を経営、TRXシニアマスターインストラクター、ファンクショナルピラティス/マスターエデュケーター、美圧ヨガ創始者、パーソナルトレーナー、セミナー講師 etc。そんな私の日常を書きます。

先日テレビでも中継されたらしい「A◯B総選挙」

その1位になった人の言動でネットは炎上気味ですね。

 

実はTwitterで「ももクロ専用アカウント」を作っていて、そこでも今回の炎上騒ぎは流れて来るので、少し見ていたのですが。

なんだか揉めています。

みんなが「嫌な気持ち」になったまま、1位になった方、運営などいろいろ批判したり、擁護したり大変ですね。

この時脳内では怒りの要因になる「ノルアドレナリン」が分泌された興奮状態になっています。

この時それをコントロールする「セロトニン」の分泌が行われることで脳内はバランスを取り興奮は沈静化されます。

しかしこの騒動に強い興味を持って、特にTwitterのような「同じノルアドレナリン優位」の個人が発信する言葉が無数に連続する情報を、際限なく追い続けているとますますネガティブな感情に押し流され、冷静な脳の状態が取り戻せなくなります。

 

これはテレビなどで「災害」「テロ」「殺人事件」「不正」などなどのネガティブではあるが、今の自分の身の回りとは直接関係ない情報にとらわれてしまうのと同じですね。

しかもそれが普段自分の興味がある、ましてやCDを買ったり、常日頃追いかけているアイドルならなおさらです。

 

例え「ノルアドレナリン」が支配している怒りの感情であっても、「無関心」ではいられなくされてしまうわけです。

これが炎上ビジネスの仕組みですね。

 

ではなぜ常日頃追いかけてしまうのか?

今度は短期的な興奮状態を作る「ドーパミン」を多く分泌する仕組みが作られています。

まずライブ。

これは光と音と普段は会えない本人に会えるという興奮の相乗効果によるもの。

これに関してはアイドルだけでなく、様々なイベントで言えることですね。

これにさらに握手会というイベントが重なる。

アイドルと面と向かって会えて話せて握手ができる。

しかも1回数秒です。

完全な満足が得られず、心は平穏状態にならない。

つまり「セロトニン」は分泌されない。

これは基本的に欲求が満たされないことによる依存状態を作りやすい。

以前「袋とじ」で書いたことと脳内で起こることは基本的に同じです。

 

ではセロトニンが分泌されるのはどんな状態なのか?

 

僕はよく海外の映画やドキュメンタリーで見る「教会の日曜の礼拝」などが上げられるのではと思います。

地域のコミュニティーで同じイエスのもとに集まり、牧師の言葉を聞き、みんなで聖歌を歌い、時に踊り、最後に神に祈りを捧げ、仲間同士で語り合い、悩みを共有し、励まし合い、時にみんなで食事をし、ハグをし別れる。

 

家に帰り、今日1日を思い出し、また神に感謝する。

 

「天使にラブソングを」のようにみんなで踊り歌っている時、間違いなくドーパミンが発生するような興奮があるでしょう。

しかしその後、一緒に歌い踊ったもの同士、手を取り合い、同じ神を思い、祈りを捧げた時、一気にセロトニン分泌が起こり、深く穏やかな気持ちになり、満たされる。

 

だから人を攻撃する事を好まず、隣人を助けたり、家族を思いやったりする。

 

もちろん全てがそうなるのではなく、そんな宗教の本質が形骸化し、「神」ではなく「宗派」や「教会」「団体」に意識が向いてセロトニンの分泌どころではない場合もあるのも理解していますが・・・

 

とここまで書いて、僕はモノノフ(ももクロのファン)なのでやはり考えてしまうのです。

他のアイドルではある「炎上」が極端に少ないのがももクロです。

もちろん外部の人やアンチはいろいろと仕掛けて来るようですが、モノノフ同士ではまず「炎上騒ぎ」にはならない。

例えばライブでも始まる前には、周りの席の人と軽く挨拶をしたり目礼をする。

ライブ後は周りの席の人と「お疲れ様でした」「ありがとうございます」「楽しかったですね」なんて声をかけ挨拶をしあうのも当たり前の光景です。

 

そしてモノノフは世間や近隣、関係者から「モノノフさんはマナーが良い」と言われることを非常に気にしています。

だからゴミを散らかさないとか、列は整然ととか、主催者側の決めたルールを守るなんて事にこだわる人も多い。

 

それらは全てがリーダーである百田夏菜子が以前言った言葉「私たちはみんなを笑顔にするという意味で天下を取りたい」に繋がるのです。

モノノフはももクロが笑顔の天下でいるためには、我々がももクロを笑顔にしなければという思考になっている人が多い。

だからどうすればももクロが笑顔でいてくれるかを考えて行動するのです。

「モノノフ同士は仲がいい方がいい」「世間からモノノフが認められている方がいい」という思考回路で行動する。

それを続けていると自分も気分が良いことに気づくのです。

最初は形でやっていたことが、自分の心地よさにつながるために、実際に「良い人」になっていくわけです。

これは完全に「セロトニン」の分泌状態なんですよね。

 

ももクロとモノノフを外部から見て「宗教っぽい」と言われるのはよく理解できます。

宗教のような老若男女全てが良い精神状態になることを目指しているビジネスモデルを意識的なのか無意識なのか選んでいるからです。

 

ももクロもずっとそうではなかった。

以前は他のアイドルよりもっと刺激が強くまさに「ドーパミンビジネス」の時もありました。

それが「悪い大人たちが勝手に作った壁を苦しみながら越える」というストーリー展開です。

一つ乗り越えたのにまた高い壁が目の前に立ちはだかる。

時にこれはファンの欲求不満につながることもありました。

でも2014年のリーダーの「笑顔の天下」発言が大きなターニングポイントになり「ももクロがメンバー、スタッフ、モノノフ、そして社会と一体になって困難だと思うものをやり遂げて世の中を笑顔にする」というストーリー展開に変わりました。

 

今年10周年でメンバーが突然脱退するという今までにない困難な状況がリアルに起こっていまいましたが、それも初の東京ドームでの記念ライブの際に「TDF」=「チームダイヤモンド4」として「メンバーだけでなくモノノフも含めてももクロに関わる全ての人たちがチームとして笑顔の天下を目指す」というコンセプトを明確にした上でライブの最後に4人のメンバーが泣きながらリアルな想いをぶつけ、最後のリーダーの「お前ら全員ついてこい!」の叫びに「世界のももクロNo.1」という決めのフレーズをモノノフ全員で泣きながら叫び、それを聞いたメンバーが泣きながら抱き合って終わるという大団円で、脳内で「ドーパミン」と「セロトニン」が出まくるという最高の幕切れになったことで、誤解を恐れずに言えば、さらに「宗教性」を強めたとも言えます。

 

いい意味でね。

 

 

なんだかA◯Bをディスってるみたいな記事で、気を悪くしてごめんなさい。

実は僕はA◯Bができた頃から大好きで、たかみな推しからゆきりん推しに推し変してもずっと観ていました。

でも余りにも様々なネガティブな騒動が多く、疲弊してしまたのです。

その時に震災で沈んだ日本をオバカな歌を歌って踊りながら、笑顔にしたいと頑張っていたももクロに惹かれたのです。

 

そして今、脳科学的にも思うのですよ。

「ドーパミン」と「ノルアドレナリン」では本当の心の平穏は得られない。

こんな時代だからこそ「セロトニン」で穏やかに笑うことが大切ではないかと。