
― ベネズエラ情勢と「力による現状変更」への懸念 ―
最近のニュースで、アメリカがベネズエラのマドゥロ大統領を拘束したという報道を目にしました。遠い国の出来事ではありますが、その背景を知れば知るほど、胸の奥にざわつくような不安が残ります。
■ 長年続いてきた米国とベネズエラの対立
ベネズエラは、1999年に反米左派のウゴ・チャベス氏が大統領に就任して以来、アメリカとの関係が悪化してきたと言われています。
2005年にはブッシュ(子)政権が制裁を開始し、その後もオバマ政権、第1次トランプ政権、バイデン政権と、歴代政権が人権問題などを理由に制裁を続けてきました。
2013年にマドゥロ氏が大統領に就任した直後には原油価格が暴落し、ハイパーインフレが発生。経済は混乱し、国民生活は急速に悪化したと報じられています。
経済破綻や政治的弾圧を逃れるため、約800万人が国外に流出したとも言われ、国の疲弊ぶりがうかがえます。
■ 拘束の理由と、その裏にある思惑
アメリカ側は、マドゥロ大統領が「太陽のカルテル」と呼ばれる組織と共謀し、大量のコカインを米国に密輸した疑いがあるとして拘束したと説明しています。
一方で、ベネズエラには3000億バレルを超える石油が埋蔵されているとも言われ、世界有数の資源国です。
そのため、中国やロシアがベネズエラに接近しているという報道もあり、地政学的な思惑が絡んでいると見る人もいます。
国民の多くが極端なインフレで貧困に苦しみ、マドゥロ政権が独裁的で民主主義から遠い状況だったという指摘もあります。
そのため、今回の拘束を歓迎する国民もいると伝えられています。
■ それでも「力による現状変更」は許されない
ただ、どんな理由があったとしても、武力や強制力によって現状を変える行為が正当化されてしまうと、世界は一気に不安定になります。
もし今回のような行動が前例として認められてしまえば、
「中国が台湾に攻撃する可能性も高まるのではないか」
と不安を抱く人がいても不思議ではありません。
国際社会が緊張状態にある今こそ、力ではなく対話と外交で問題を解決する姿勢が求められているように思います。
■ 武力では何も解決しない
歴史を振り返っても、武力による解決は長期的に見れば新たな対立や悲しみを生むだけでした。
国の事情や政治的背景は複雑で、外から見ただけでは分からないことも多いですが、それでも「暴力が正義になる世界」だけは避けたいものです。
遠い国の出来事であっても、世界はつながっています。
今回のニュースをきっかけに、改めて平和の脆さと、対話の大切さを考えさせられました。

したっけ。

