10月1日の日本酒の日を前に。

もう先週のことですが、とてもショッキングなニュースでした。

会津若松市の花春酒造が今月末をもって新会社に事業を譲渡するそうです。
 
 
 
 
花春のお酒は一度しか飲んだことがありませんけど、
福島県下では知らない人はいないくらい、広く知られている造り酒屋ですし、
毎年のように色々と受賞して定評もあります。
まさかこんな風に追い込まれるとは思いませんでした。
 
今年、榮川酒造(エイセン)も食品会社の傘下に入り、再生支援を受けたのも記憶に新しいですが、
どちらも県内では大きい方かと思います。
だからこそ、衝撃が大きいのです。
 
 
以前、某酒蔵の専務の方(その時は全く専務だとは知らず…)と
MIDETTEで試飲をさせてもらいながら立ち話をしたことを思い出しました。
 
現状、福島県は全国的にも酒蔵が多いけれど、一昔前はもっと多くて、
その数は平成に入ってからもどんどん減少していているそうです。
日本酒ブームだと言われる中で、どこも経営は厳しいようですね。
 
 
民友の記事に、負債を抱えた色々な理由が書いてありますが、風評被害のことはなんと言うか…
 
県下のどこの酒蔵も多かれ少なかれ直面している問題です。
それでも、今日も負けじと頑張っている酒蔵がたくさんあります。
花春だけが風評被害を受けたわけじゃないし、
あまりそういうことばかりは言っていられないですよね。
 
 
ただ、私達がお酒を一本や二本買ったからって、
その酒蔵が救われるというような簡単な問題でもありません。
 
特に、いつも飲んでいるお酒を造っている酒蔵、
地元の酒蔵がもしもなくなったら?と思うと、とても寂しい気持ちがします。
 
まだまだこれからも厳しい状況が続くのでしょうが、
流行りに関係なく、永続していって欲しいです。
 
今回のことについて「淘汰」と言う言葉を使う人もいますが、
「淘汰」とは不適当・不必要なものを取り除き、良いものだけを残すと言う意味ですから、
ふさわしい言葉ではないように思います。
 
たしかに経営が良くなかった結果ですけど、お酒がマズかったわけではないでしょう。
 
 
花春の銘柄は新しい会社になっても引き継がれていくようですし、
地元の方々が出資しての新会社ですから、それなりの安心感はありますね。
再出発をして、また福島県の日本酒を盛り上げて欲しいなと期待します。