過去のブログを見返してみて、
島崎藤村の『夜明け前』第一部上巻をダウンロードしたという記事を書いたのが5月20日。
正確にはこの前日の晩にダウンロードしたと思います。

それから朝晩の通勤電車の中で読み続け、2ヶ月ほどで全4巻を読み終えました。
こんな長編小説(電子書籍だから厚みは感じないけど…)を読破したのは生まれて初めてです。

今までならば、4巻もあると知ったら尻込みをして挑戦をしませんでした。
幼い頃から本が嫌いで、特に夏休みの宿題に必ず課される読書感想文には例年苦労しました。
日頃から本を読まない私は、どんな本を選ぶかというところから駄目でしたね汗

今からすれば、本を読んだ感想文なんて、どうってことない宿題なのに。
感想なんだから、何を書いても自由だし、間違いなんてないのだから。


本当はとっくの昔にこういう文学作品に触れてくるべきだったと思いますが、
国語の教科書に載っている断片的な小説はあまりおもしろくなかったですね。
意外と教科書に載っていないような小説の方がおもしろかったりして…。


先週から島崎藤村つながりで『破戒』を読み始め、月曜日に夜更かしをして読み終えました。
こちらはそんなに長くはないですが、旧仮名遣いのためにまあまあ苦労して読みました。

藤村の作品は、物語の中盤までは長くゆっくりとしたペースで進んで行きますが、
8割くらい読んだところからの展開がハイスピードで。
結末が気になって仕方がないから、つい無理してでもラストスパートをかけてしまいます。(^_^;)

『破戒』は内容が内容なだけに、非常に重苦しく感じていましたが、
読み終わるととてもすっきりした気分になりました。


どちらにも共通して言えることは「生きる」ということでしょう。

自ら望んでこんな風に生まれてきたわけじゃない。
はたまた、満足に生まれても、自分の意とは反する社会の流れによって、何もかもを失ってゆく。

それでも、どんなに辛くても、悲しくても、人は生きていかなければならない。私はそう読み取りました。
このことを自分に、また現代社会に置き換えて考えていくべきだと。


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