肩関節脱臼では前方脱臼と後方脱臼があり約90%が前方脱臼。その中でも前下方脱臼が多く、腱板断裂の合併している場合には前上方脱臼もあります。
合併症では高齢者では腱板断裂(肩甲下筋など)や上腕骨骨折、腋窩神経麻痺など。
若年者では反復性脱臼に移行されやすい。
所見
・ばね様固定(安静時上肢を内転方向に押しても外転位に戻る)
・感覚障害(肩関節外側の腋窩神経領域の感覚障害)
・三角筋の扁平化
・肩峰突出
・自動運動不可
治療
①挙上位整復法:仰臥位で観測を長軸方向に牽引しながらゼロポジションまで外転し整復する。(外転140度、外旋40度)
※ゼロポジションとは上腕骨頭と肩甲骨関節窩が最も安定するポジションのこと
②Stimson法:腹臥位で患側に重りを吊り下げ自然整復を待つ。
整復後は外旋位固定で3週間の固定と安静が必要
反復性肩関節脱臼
初回脱臼時に生じた関節唇、関節窩、靭帯などの損傷の不全治癒が原因とされている。
初回脱臼の年齢が若いほど、再脱臼率が高くなる傾向にある。
前方脱臼では外転・外旋をとると脱臼しそうな不安定感を感じる。
下関節上腕靭帯が機能不全となる。
※下関節上腕靭帯の機能:外転・外旋位での前方負荷に対する制動に関与している。
中関節上腕靭帯の機能:外転位での前方負荷に対する制動に関与
上関節上腕靭帯の機能:内転位での下方負荷に対する制動に関与
Hill-Sachs損傷:上腕骨頭と関節窩の衝突により骨頭外側後方に陥没骨折が生じること
Bankart損傷:関節唇が関節窩から剥離もしくは関節窩とともに関節窩の骨も剥離すること(骨性Bankart損傷)