北陸の冬は、湿っぽい。

ずっと暗くて、太陽はほとんど顔をのぞかせない。

ほんの数十分のうちに天気がコロコロと変わって、忙しい。

夜中、明け方、地面を揺らすほどの雷鳴が響いて、心臓に突き刺さるよう。

家の裏では、日本海の荒波が暴れに暴れて、景色が白く霞む。

 

東京で暮らしてた大学4年間は、似ても似つかぬ、快晴続きの空だった。

毎日眩しくて、嬉しくて、だけどちょっとだけ恨めしかった。

一週間のうちにたった1日、すっきりと晴れマークがあるかどうか。

そんな故郷の、家族の暮らしを想っていた。

 

今日は、冬の終わりがけの、湿気った天気。

海沿いでは冷たい雨だけが降りつけているけど、町では雪もちらついているらしい。

 

風がうねって、唸っている。

こんな日に、ひとり静かに部屋にこもりきり。

今日は朝からいろんなことを考えた。

インプットしたり、頭の中で考えていたことを、紙とペンで文字化した。

 

家に守られて、ゆったり時間を過ごすしあわせ。

轟々と鳴る風が、不思議と心地よく思えてくる。

 

北陸の冬は、わたしと静かに向き合う時間をくれる。