
切子の水差しとタンブラーです。
1870-90年代ころのものではないでしょうか。
写真では小さく見えますが、タンブラーは高さが15cmあります。
たぶん、テレジアンタールかモーゼルのものと思います。
カリウムガラスか、鉛入りのクリスタルガラスか素材をチェックすれば
たぶんどちらかが分かると思います。
100年以上年月が経っているので、ちょっと曇ってます。
ぴかぴかにしたいのですが、金彩があるのでどの方法で
磨こうか思案しています。

アシッドエッチングで図柄を浮き彫りにして、その上から金彩がされています。
年月が経っているので、金彩が、ピカピカでなく、沈んで落ち着いた色になってきます。
この色がほしいので、自分で使うものはよくアンティークを探します。

ボディの部分は深いダイヤモンドカットになっています。
大きなグラスにここまで深くカットするのは、かなり高度な技術で
トップクラスの工房に数人の熟練工しかいません。
製品の30%くらいはカット中に割れて失敗してしまうそうです。
その為、価格にも反映するので高価になります。

グラスの底もぴっちりと深くカットが入っています。
日本の切子も江戸切子、薩摩切子とすばらしい技術がありますね。
ヨーロッパの切子にも共通していますが、夜、キャンドルライトにすると
灯りが切子に反射されて、幽玄的な光が散ります。
水差しが揃いであるので、お水用のタンブラーですが、わたしは
これに吟醸酒を入れて、コップ酒用にします。
スイスの地ですが、春の始まりの頃で、ちらちらとプラムや桃の花が
咲く月夜の晩に、急に冷え込んではらりと雪が降るときがあります。
雪とブルームーンと果樹園の花で、スイス版 『雪・月・花』を
カットグラスに日本酒を入れて飲みながら、1年に1回か2年に1回の
風情を楽しみます。