毎月のように
経過観察の診察を受けていると
待合室の顔ぶれが
ほぼ同じ事に気がつく。
ここは、がんセンターではなく
街の総合病院の呼吸器外科。
95%が後期高齢者だと思う。
いや、98%はいる。
たまに、50代位の人がいるなーと
様子を伺っていれば
だいたいが、親の付き添いの方ではないか。
だから僕は待合室ではいつも
老人の中にポツンと一人、
肩身の狭い思いをしている。
順番で先生から呼ばれる時、
必ず、老人達は
僕の頭の先からつま先まで、
そして診察室に入るまで
物珍しい物でも見るかの如く、
ずーっとジロジロと凝視してくる。
診察室から出てくる時も同じなのだ。
ある老人は
まず声がデカい。
そしてよく喋る。
帰りにあそこの餃子が美味いから
食べて帰ろう!とか。
耳が遠いから仕方ないのだが、
酸素ボンベを引きずってる割には
声がデカすぎて、いつも付き添いの奥様に
「シッー!」 ってされてる。
ある老人はせっかちなのか
しょっちゅう受付に行き
まだか、まだかと連呼する。
そして呼ばれた時には
オシッコに行ってしまって
行方不明。
ある老人は
またこれがよく喋ってるのだが
話の内容は凄く知的で教養のある
お話をされているのだ。
「マサチューセッチュ工科大学の…」
何度聞いても
「マサチューセッチュ、マサチューセッチュ…」
セッチュ??チュ??
それを聞く奥様は
ハイハイって、ただ頷くだけ…
でもこの御老人夫婦達、または親子が
支えあって診察室へ向かう後ろ姿を見ると、
なんか、切ないな…とも思えるのだが、
人の温かさや優しさもたくさん感じて、
なんだか羨ましいな…
と感じる今日この頃。
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野菜炒め。
春キャベツなのか
薄味にしたのが良かったのか
キャベツがいつになく甘く感じた。
ツマミはコレ。
厚揚げの甘辛ごま焼き。