退院をしてから1ヶ月目の診察があった。

血液検査に胸のレントゲン。

胸水がまだ溜まってはいるが、

2週間前から減って来てはいるので、

今のところ、癌性のものではないだろう。

肝臓の数値が上がって来ているので

また経過観察をして行きましょう。

抗がん剤など今は必要なし。

遺伝子パネル検査の結果はまだ出ていない。 


もう一度主治医に聞いておきたい事があった。

実際、僕のステージはいくつだったのか。

手術前にも何度か聞いてはいたが、

曖昧な感じもあったので、

はっきり聞きたかった。


診察室の壁に表が貼ってあるので

僕は椅子を立ち上がり、

表を指差して、「コレ?コレ?」 

って偉そうに上から目線で

ベテラン外科部長に聞いてみた。

そしたら主治医も負けじと椅子から立ち上がり、

「コレね、コレ」 と表に指を挿して

説明してくれた。 


「ステージ1Bだね、0期でも、1aでもない。

限りなくステージ2に近い1B。決して初期とは言わないよ。本当にギリギリだった。手術を前倒しにして本当に良かった。手術が最初の予定の1ヶ月半後だったら、ステージ4だったよ。本当にギリギリだったんだよ」 

と言われた。 


その後に内科医の診察もあって

全く同じ事を言われた。

「いや、本当にギリギリだった。

手術が早くできて本当に良かったです!」 


町医者から最初に某がんセンターや

巨大すぎる病院を紹介されたが、

僕は何かの虫の知らせか、

全て断った。

結果、自分で今の病院を探して

町医者に紹介状を書いてもらった。

町医者は最後まで不思議そうな顔をしていたのを

僕はよく覚えている。 


果たしてそれが吉と出るか凶と出るのか。

某がんセンターや巨大すぎる病院に行けば

たぶん手術待ちの患者さんも沢山いる。

しかもコロナ禍だし、

手術まで待たされる気がした。

当初はそんな事を考えていた気がする。


もしかしたら逆に、大病院にしていても、

運良く手術がもっと早くに出来たかもしれない。


結果良ければ全て良し。としておこう。


今の段階までは。 



(恐るべし、ツムラの漢方) 


診察の帰りに

処方箋の薬局へ寄って来た。

痛み止め

抗生物質

浮腫をとる薬

胃薬

漢方薬 

ついでに血圧の降圧剤…  


処方せんのお姉さん。

えっー!みたいな

少しびっくりしたような顔だったが

いつもの笑顔に変わりはない。


僕はまだまだ見かけは

お爺ちゃんではないし、

どちらかと言えば、格好もまだ若い方だ。

それでいて、この薬の量。



以前書いた処方箋薬局の「問診票?」に

堂々と「肺がん!」って記入してやったが、

今日のこの娘は、それに目を

通しているのだろうか… 

「胸のあたりの気持ち悪さは少し減りましたか?」 

いちいち説明するのも面倒くさいから

「 ハイ!」 っ笑顔で応えてあげた。 



全く関係ないが、帰りにスーパーに寄って

サーモンを買った。

何故か無性にマリネが食べたくなった。

「サーモンのイタリアンマリネもどき」