1.消費税引き上げ時期と軽減税率制度導入時期
平成29年4月に消費税引き上げが延期されて、「いつ消費税が上がるの?」と最近聞かれることが増えてきました。
消費税は、平成31年10月1日から8%から10%に引き上げられることとされています。また、消費税の税率が10%に引き上げられると同時に軽減税率制度が実施されます。
消費税引き上げの理由を財務省は次のように回答しています。
今後、少子高齢化により、現役世代が急なスピードで減っていく一方で、高齢者は増えていきます。社会保険料など、現役世代の負担が既に年々高まりつつある中で、社会保障財源のために所得税や法人税の引上げを行えば、一層現役世代に負担が集中することとなります。特定の者に負担が集中せず、高齢者を含めて国民全体で広く負担する消費税が、高齢化社会における社会保障の財源にふさわしいと考えられます。
(引用:財務省)
社会保障の問題は、以前から言われていました。ヨーロッパなど消費税が25%の国もあります。消費税を負担している分、社会保障もしっかりしているのだとか・・・
日本も消費税率が10%に上がるので、社会保障を充実させていってほしいです。
2.軽減税率とは
さて、消費税の引き上げと同時に導入される軽減税率制度とはどのようなものでしょうか?
軽減税率制度は、簡単に言うと消費税率が10%に引き上げられた際、一定の飲食料品等と新聞については、消費税率を8%に据え置きましょうという制度です。
一消費者として、一定の飲食料品等について消費税率が8%に据え置かれることは、非常にありがたいです。ただ、事業者の事務負担が増加するという課題はあります。また、税理士事務所も処理が非常に煩雑になるので今から対応策を考えていかなければいけません。
3.軽減税率の対象品目は?
軽減税率の対象品目は大きく分けて、飲食料品と新聞です。
ただ、飲食料品と新聞のすべてが軽減税率の対象となるかというとそうではありません。
飲食料品のうち酒類、外食やケータリングは軽減税率の対象外です。
新聞は、週2回以上発行されている新聞で定期購読契約している新聞でなければ、軽減税率の対象とはなりません。
新聞について具体例をあげてみます。
日経新聞など定期購読しているものは軽減税率の対象となって消費税は8%となります。
一方、コンビニで日経新聞などを購入する場合、これは定期購読ではないので、軽減税率の対象とならず、10%が適用されます。
最近は、新聞の電子版などが広く普及しています。私も日経新聞の電子版を利用させてもらってます。ここで、残念なのが、新聞の電子版は、電気通信役務の提供に該当するので、軽減税率の対象にならなず、10%となるようです。
個人的な意見ですが、定期購読の新聞だけが軽減税率の対象になり、コンビニなどで購入する新聞や電子版の新聞は軽減税率の対象とならないのは正直疑問です。
次に飲食料品の具体例をあげてみます。
飲食料品は、国税庁が公表している図で分かりやすいものがありました。
引用:国税庁 軽減税率の手引き
図で確認すると酒類、外食、ケータリング等(有料老人ホーム等で行う飲食料品の提供を除く)、医薬品・医薬部外品等、一体資産の一部は軽減税率が適用されず、10%の消費税がかかります。
軽減税率(8%)になるか標準税率(10%)になるか非常に細かく決められていますが、図の中で、消費者として一番気になるのは、外食、ケータリング等、テイクアウト・宅配等の内容ではないでしょうか?
外食、ケータリング等になれば、消費税は10%になるけど、テイクアウト・宅配等になれば、消費税は8%になります。同じ内容の飲食料品でどちらになるかで支払う金額が変わるので、その線引きが気になります。
では、外食とテイクアウトはどのように区別はどのようにされるのでしょうか?
外食は、飲食店がテーブル、いす、カウンターなど飲食設備がある場所で飲食料品を提供することです。
テイクアウトは、飲食料品を持ち帰り用の容器などに入れ譲渡することです。
外食になるかどうかを細かく言うと、飲食設備があるかどうかの場所要件と飲食料品を提供するかどうかのサービス要件を満たすかどうかで決まります。
・外食の具体例
レストランはもちろん、フードコートでの飲食は外食にあたります。
・テイクアウトの具体例
ファストフード店で購入時に持ち帰りの意思を示し、持ち帰り用の容器に入れてもらい、飲食料品を持ち帰るとテイクアウトになります。
外食とテイクアウトで微妙なラインとなる場合があります。
ファストフード店で飲食設備も備わっていて、店内で飲食ができるとともにテイクアウトも行っている店があります。マクドナルドなどのハンバーガー店などがそうですよね。
いくつかの例をあげてみましょう。
例① 飲食設備があるファストフード店で、飲食料品を注文時に店内で飲食するといい、飲食料品を購入し、店内で飲食した場合
例② 飲食設備があるファストフード店で、飲食料品を注文時に持ち帰りますといい、飲食料品を購入し、持ち帰った場合
例③ 飲食設備があるファストフード店で、飲食料品を注文時に店内で飲食するといい、飲食料品を購入し、急用で、店内で飲食せず、持ち帰った場合
例④ 飲食設備があるファストフード店で、飲食料品を注文時に持ち帰りますといい、飲食料品を購入し、持ち帰らず、店内の飲食設備で飲食した場合
例①~④は8%が適用されるのか10%が適用されるのかどちらになるでしょうか。
ここで、外食になるかテイクアウトになるかの重要な判断基準をお伝えします。
外食になるかテイクアウトになるかは、飲食料品を提供する時点(取引時点)で顧客に意思確認をするなどして判断されます。
この判断基準をもとに例①~④は消費税8%になるか10%になるか見ていきましょう。
例①は、飲食料品の取引時点で店内で飲食するという意思があるので、外食になり消費税は10%となります。
例②は、飲食料品の取引時点で持ち帰るという意思があるので、テイクアウトになり、消費税は8%となります。
例③は、飲食料品取引時点で店内で飲食するという意思があるので、外食になり、消費税は10%となります。
例④は、飲食料品取引時点で持ち帰るという意思があるので、テイクアウトになり、消費税は8%となります。
例①と②は外食とテイクアウトそのままなので、特にいいかと思いますが、例③と④は実際軽減税率が導入された際、問題となるかもしれないです。
最後に国税庁が発表している外食等の具体例の図を添付します。
この図で外食とテイクアウトの大枠はつかめるかと思います。
引用:国税庁 軽減税率の手引き
4.まとめ
今回、『消費税率引き上げと軽減税率はいつから!?軽減税率対象品目はどんなものがある?』をテーマに書いてみました。消費税は、普段生活している中でもっとも身近な税金で、日々の生活にも影響します。消費税率が平成31年10月1日から8%から10%に引き上げられるのと同時に軽減税率制度が導入されます。この軽減税率制度は、上述の通り、8%になるのか10%になるのか微妙なものもあります。軽減税率制度は複雑で理解しにくいところもありますが、国民全員が制度を一定程度理解し、日々を過ごしていくのが望ましいと思う次第です。

