今回のテーマの交際費は、会社経営者であればよく耳にするワードで知ってるよという方も多いと思います。ただ、一般的な意味の交際費と税法上の交際費では、少しずれがあります。税法上の交際費になるかどうか微妙なものもあるので、今一度見ていただくのがいいかと思います。今回の内容は、基本的に法人に焦点をあてています。(個人事業者の方の交際費は、交際費が制限されていないため。ただし、事業と関係があればという条件は付きます。)

 

(画像:アサヒホームページ

 

1.一般的な意味の交際費と税法上の交際費の違い

 広辞苑によると交際費は、

世間のつきあいのための費用。慶弔費や贈答品の費用など

②官庁や会社などで職務上の交際のためにかかる費用。

となっています。(引用:広辞苑 電子辞書より)

 

 広辞苑の意味は、経営者の方が認識している交際費とほぼほぼ同じかと思います。

 

 次に税法上の交際費はどんなものか見ていきましょう。

交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用をいいます。(引用:国税庁

 

税法上では、交際費だけでなく、機密費なども含まれており、範囲が広くなっています。

 

2.交際費等は経費にならない!?

 交際費等は、経費になると思っておられる経営者の方もいらっしゃるのではないのでしょうか。この章では、税法上の交際費等の考え方を確認します。

 

結論から言うと、税法上、交際費等は、損金算入が制限されています。

 

 交際費等がすべて損金算入できない理由はなんでしょうか?会社のために使っているのに損金にならないなんておかしい!という経営者の方もいるのではないでしょうか。

 

 交際費等も法人税法の損金の意義に照らせば、事業と直接関係がある限り損金となりそうなものです。しかし、国側は、交際費等の中には、役員の消費であるかあいまいな部分や事業と関係が薄い部分などがあると考えています。また、交際費等の損金算入を無制限に認めると、法人の冗費・濫費が増えるとも考えています。

そのため、交際費等の一部または全部の損金算入を制限しようと考えたわけです。

 

3.交際費等で損金となるもの

 交際費等は損金算入が制限されていることは、前章で確認しましたが、現在は、消費を拡大して、経済の活性化を図るという趣旨のもと、以下の基準により一部損金算入が認められています。

 

 ①期末の資本金又は出資金が1億円以下の法人

  年間800万円まで又は接待飲食費の50%まで

 ②期末の資本金又は出資金が1億円超の法人

  接待飲食費の50%まで

 

 中小企業の場合、かなり大きい法人でなければ、接待飲食費の50%が800万円を超える場合は多くないと思いますので、年間800万円を損金算入の基準に考えるのがいいと思います。

 

4.交際費等にならないもの

 交際費等は範囲が広いですが、福利厚生費や広告宣伝費になるものなど交際費等にはならないものもあります。簡単に列挙すると以下の通りです。

 ・専ら従業員の慰安のために行われる運動会や演芸会、旅行などに要する費用

 ・飲食等の費用で、支出した金額を参加人数で割った金額5,000円以下となる費用

  (ただし、役員や従業員、これらの親族で行った飲食等は除かれます。)

 ・カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいなど物品を贈与するために要する費用

 ・会議に必要なお茶やお菓子、弁当など飲食物を供与するために要する費用

 ・出版物や放送番組のために行われる座談会や取材に要する費用

 

飲食以外は、通常必要なという条件付きなので、あまりに高すぎるとかであれば、税務調査で指摘される可能性があります。

 

それぞれ細かく事例や質疑応答などありますが、今回は割愛します。

 

5.交際費は税務調査で見られる!?

 交際費は税務調査で見られる!?ですが、税務調査で、交際費だけが見られるというわけではありません。税務調査では、様々な内容を確認します。その中で交際費も見られるというわけです。

 交際費でよく問題となるのが、事業関連性です。交際費は、仕事と関係あるかあいまいな部分が含まれている経費と考えられています。そのため、税務職員は、仕事と関係あるか、社長が個人的に使っていないかなどを確認したいのです。

 例えば、飲食した場所が社長の近くの住所になっている領収証がでてくれば、だれといったのかと税務職員は疑問に思います。そして、税務職員はおそらく質問してくるでしょう。だれと行ったのか?何人で行ったのか?行った人が仕事と関係あるのか?経営者はこれらの質問に対して答えていかなければなりません。

これが、1か月前とかであれば、鮮明に覚えていると思いますが、2年前、3年前になるとどうでしょうか?人間の記憶はあいまいなものです。

 この対応策として、領収証を保存しておくことはもちろん、普段から領収証の裏や領収証の空いているスペースに、だれと行ったのか、何人で行ったのか、行った人との関係などを書き記しておくのがいいでしょう。

 最後に、安易に私的な飲食や私的に使った支払いなど仕事と関係ないものを計上すると後でたくさんの税金を払うことになりかねません。仕事とプライベートの線引きは、きちんとしておく必要があることに注意してください。

 

6.まとめ

 今回、『知ってるようで知らない交際費とは!?税務調査で見られる!?交際費の概要を簡単解説!!』というテーマで書いてみました。ここまで、書いてきた中でのポイントは、次の通りです。

・税法上の交際費等は、一般的な交際費より範囲が広い。

・交際費は基本的に損金算入が制限される。

・交際費等から除かれるものがある。飲食費で1人5,000円以下のものなど

・資本金1億円以下の法人は、年間800万円までまたは接待飲食費の50%までは交際費が損金になる。

・領収証を保存しておく。

・普段から、領収証にだれと行ったのかなどを書き記しておく。

 

 経営者の方は、税法上の交際費等のポイントを再度抑えていただき、経営に役立てていただければ幸いです。

 

この資料は、投稿日現在の税法に基づいて作成しています。改正などにより内容が変わる可能性があります。

 

(参考:国税庁 交際費等の範囲と損金不算入額の計算

※画像を使わせてもらったので載せておきます。

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