昨日、伊那谷から届いた自然の恵み、とれたて破竹とバジルソースと純胡椒。「破竹とソースをあえて胡椒をちらしたら美味しそうだと思って」とは、送り主である伊那市ミドリナ委員会副委員長。東京からの移住者で、伊那と伊那での暮らしを愛する「まちのハブ」的人物です。彼女に案内いただいたところは、すべて素晴らしく、どこも私的ガイドブックにオンリストされています。

 

おおせの通り、下茹でした破竹をさっとオリーブオイルで炒め、バジルソースと合わせてサンドウイッチに挟みました。ちょうどベランダで育てているバジルがあったので、それも摘んで追いバジル。美味しかった。

 




これからの時代は、いくらお金を稼ぐかよりも、いかに多くの人や縁とアクセスできるか。

 

そうアドバイスをもらったのは、今から3年ほどだったと思います。コロナウイルスによる自粛期間、それをつくづく実感しています。

魅力的地方と都市に繋がれた縁。これからも大切にしたいです。

SNSの過去の記録機能で、9年前にブータン首相(当時)にお目にかかった時の写真が上がってきました。
ジグミ・Y・ティンレイ閣下は、ブータンが2008年に王制から立憲君主制へとシフトし、初の総選挙によって生まれた首相です。ご縁あって、日本のメディアとして初めてインタビューをしました。

そんな経緯もあり、2011年の来日で再会。少しお話する機会にも恵まれたのです。

彼の地で行ったインタビューでの首相の言葉は今でも忘れられません。「日本がブータンから学ぶことは何ですか?」との問いに、「学ぶべきことは、私たちの国からではなくあなた方の過去にあると思います」とおっしゃったのです。これは拙著「ブータン王室は、なぜこんなに愛されるのか」にも書きましたが、以来10年以上の年月を経ても折に触れて思い出します。

そして東京での再会。和やかに挨拶やインタビューのお礼などを終え会話が進んでいく中で、閣下にこう尋ねられました。

「ところで日本の政権交代に関して、あなたはどう思っていますか?」と。

私はその質問にいささか戸惑ってしまいました。そして「良い変化になればと願っております」と、ありきたりな返事しかできませんでした。

今でも思い返すと、悔いが残ります。そして思ったのです。世界のリーダーと言われる人たちとの会話では、文化や芸術だけでなく、政治に対してもきちんとした認識と自分なりの意見を持っているのが大切だと。

自分から声高にいうべきかどうか。それは人それぞれで良いのかもしれません。しかし、知らないやわからない、では恥ずかしい。会話の内容に品格を求められる時、政治に無関心や無理解ではいけないという事を、ブータン首相との会話で感じたのでした。

そういえばフランス人映画監督から「川端と三島の自殺に関連はあるか」と聞かれたこともあります。本当に、世界で会話を続ける時の教養として、まず必要なのは、自国の事柄なんだなと一枚の写真が改めて伝えてくれました。




コロナウイルスが現代社会に何をおよぼしたか…という論議は昨今、多くの分野で行われています。本当に多岐にわたる考察があるし、世界中の一人ひとりが思うところがある事象です。


私的に骨身にしみたのは、健やかでいることの素晴らしさで、自分だけが健やかであるのは全く健やかではない、ということでした。


東京も緊急事態宣言解除のカウントダウンと言われています。夜の外出がすっかりなくなった自粛生活ですっかり朝型にシフトチェンジし、健康のためにいくつかルーティンを増やしたり暮らしの見直しをしました。


ささやかな例を挙げるとただ飾るだけだった桃の形をした蓋付き容器は、お香入れに。お香を入れていたタイのパイナップル柄蓋付き器は、らっきょう入れと変わりました。


毎朝焚いているブータンのお香は、リビングだけでなく寝室にも置くようになりました。

健康も心地よい暮らしもローマと同じで一日にしてならず。美しく健やかに暮らしたいと願い実践する積み重ねの先になにが待っているのか。今は全くわかりませんが、少しずつ積み重ね実現する豊かさが、コロナウイルスの出現で変化した日常を生きて、とても腑に落ちています。


新しい生活の準備をすることは、新しい世界への準備にもつながっている。そんな実感を持ちながら、世界が健やかであるようにと願っています。

 

背景の布は、ブータンのクラフト市場で買ったアンティークの毛織物。北部で作られたものらしくこの布自体が「レメディ」だと伝えられました。寒い地方で身体をあたためるために腰回りに使っていたとか。いわゆる漢方染めの一種だと思います。