「蕎麦湯コーヒー」
蕎麦屋さんの裏メニューに、あるかどうかは、
知りません。
一見ミスマッチに思えるものが、
味覚的にも栄養的にも
非常に理にかなった
身体メカニズムがあるようです。
大きく「味覚の変化」と「栄養の相乗効果」
の2つの観点から検索してみました。

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味覚のメカニズム
蕎麦湯コーヒーは、ブラックコーヒーが苦手な人でも飲めると言われるほど味がまろやかになります。その理由は、蕎麦湯に含まれる**「デンプン質」**にあります。

ミルク代わりのとろみ効果
• 蕎麦湯には、蕎麦から溶け出したデンプン質が豊富に含まれており、特有の「とろみ」があります。
• このとろみがコーヒーの角のある酸味や苦味を包み込み(マスキング効果)、口当たりを丸くします。ちょうど、カフェラテのミルクのような役割を果たします。

ほのかな甘味の追加
• 穀物由来の自然な甘みが加わることで、砂糖を入れなくても飲みやすい深みのある味わいに変化します。

香りの相乗効果
• コーヒーの「ロースト香(焙煎臭)」と、蕎麦の「ナッツのような香ばしさ」は相性が良く、互いの風味を引き立て合います。

健康のメカニズム
「ルチン」と「クロロゲン酸」という2つの成分の組み合わせが、強力な健康効果を生み出します。

「ルチン」の無駄のない摂取
• メカニズム: 蕎麦に含まれるポリフェノールの一種「ルチン」は、毛細血管を強くし、血流を改善する効果(高血圧予防)があります。
• ポイント: ルチンは水溶性のため、茹でている間にお湯(蕎麦湯)の方へ大量に溶け出しています。 蕎麦湯を捨てるのは、一番体に良い部分を捨てているようなものです。コーヒーとして飲むことで、これを余さず摂取できます。

ダブル・ポリフェノール効果
• コーヒー: クロロゲン酸(脂肪燃焼、抗酸化作用)
• 蕎麦湯: ルチン(抗酸化作用、血流改善)
• 効果: どちらも抗酸化作用を持つ成分です。これらを同時に摂ることで、細胞の老化を防ぐアンチエイジング効果や、生活習慣病の予防効果が高まることが期待されます。

胃への負担軽減
• コーヒーのカフェインや酸は、空腹時には胃を刺激することがあります。しかし、蕎麦湯のデンプン質が胃の粘膜を保護するクッションの役割を果たすため、胃に優しいコーヒーになります。

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十割蕎麦でも、八割蕎麦でも、
茹で汁で食後に点てる珈琲は、寒い冬にも、
なんか、幸せです。


〜濱木つづり〜