今回はDRAGON QUEST―ダイの大冒険―から竜の騎士(ドラゴンのきし)についてだ。

竜の騎士は竜の戦闘力と魔族の魔力と人間の心を持った究極の戦士であり、基本的には生涯独身である。

しかしバランだけが竜の騎士史上初めて(？)妻子を持つこととなった。

竜の騎士は本来聖母竜(マザードラゴン)経由で紋章が受け継がれる。

本来は聖母竜によっていずれかの地に産み落とされ、神の子として育てあげられるようだ。

ところで生来の竜の騎士という表現はダイ以外に使っていない。

だが本来の竜の騎士も生来ではないのか？

恐らくだが聖母竜は竜の騎士の器(肉体)を創りその器となる子を人間に育てさせる。

その時点ではまだ紋章を宿していないのだ。

・子供の頃の竜の騎士は並の人間とたいして変わらない。

・成人するまで己の意思で紋章の力をコントロールできない。

この２点から、ある程度の年齢(8～10歳くらいだろうか？)になると聖母竜が紋章の力を器に宿らせ、少しずつ竜の騎士として相応しい実力を身に着けていくのだ。

何故わざわざある程度の年齢まで待たなければならないのだろうか？

器が竜の紋章の力に耐えられないからだろうか？

いやそれならば生来紋章を持つダイはとっくに死んでいる。

竜の騎士が生まれるときは世界が混乱しているときだ。

そんなときに竜の騎士の存在を知ったら命を狙われてしまう。

ただでさえ紋章の力をコントロールできないのだから暴走して敵に発見される可能性が高くなる。

つまり器となる子供が無事に育つ保証がないからある程度育つまでは紋章の力を宿さないのだ。

もしかしたら複数の子供を産み落とし、その中から一人を選ぶのかもしれない。

だがとちらにしても生来ではないのは確かなのだ。

そんなわけで本来竜の騎士は聖母竜によって生まれるので遺伝子を残す必要はなく生殖能力は不要のはずである。

紋章の継承は戦いの遺伝子だけでなく使命も受け継ぐが、生来の竜の騎士はそれがない。

しかもダイの様にまともに育てばいいが、万が一ロクでもない育ち方をしたら目も当てられない。

つまり安全のためにも生殖能力は無くすのが正しいのだ。

しかし神々のトップ会談でもそういう話はなかったようである。

これには何か理由があるのかもしれない。

(結果的にバーンに対抗できる力を持つことができたがこれはあくまで偶然の産物である)

となるとなぜ歴代の竜の騎士は結婚しなかったのだろうか？

人間の心があれば人を愛することは当たり前にできるはずである。

当然性欲だってあるはずだ。

考えられる理由は竜の騎士の使命と世界情勢だろう。

竜の騎士が生まれるのは恐らく世界が混乱しているときだ。

つまり呑気に結婚などしていられないのだ。

だが使命を果たし終わった竜の騎士はどうなるのだろうか？

もう用済みとばかりに死んでしまうのだろうか？

それならばバランはヴェルザー討伐後にお疲れ様と労われた後永遠の眠りにつくはずでなのでこれは違うだろう。

おそらくは紋章はその生涯を終えたらマザードラゴンに移るはずなので、使命を果たし終えた竜の騎士は余生を独身で過ごした可能性が高い。

プラトニックな関係でパートナーがいたかもしれないがかなりレアケースだろう。

となると、人間の心をもつ竜の騎士の余生としてはあまりに寂しいものになるのではないか。

だが本当にそんな寂しい竜の騎士ばかりだろうか？

バランの様にボロボロに傷つきメンタルが落ち込んでいるときに優しくされてコロッといってしまった歴代竜の騎士はいないとも言い切れない。

もしかしたら戦乱の中で涙を呑んで竜の騎士の使命の為に離別を選んだり、将来を誓いあったのに命を落としてしまったケースもあるだろう。

だが逆に使命を果たし終えたら結婚しようと誓い無事にゴールインしたケースだってあるかもしれない。

しかし結果的にダイ以外に生来の竜の騎士がいないということは少なくとも子供できなかったようだ。

行為はしたかもしれないが…

中には30歳過てDT(ドウテイ)なら魔力が高まると言われ婚期を逃してしまった哀れな竜の騎士だっていたのかもしれない。

だがどのような場合にしても自分の遺伝子を残せたのはバランの代までなかったようである。

しかしその使命故に殆どの竜の騎士は女性を知らずにその生涯を閉じたのではないかと思う。

戦うことしか知らない、人でも魔族でも竜でもない悲しい存在、それが竜の騎士なのだ。

せめてパイプカットしてヤらせてあげたかった。

竜の騎士に性の喜びあれ。

竜の騎士に愛を【ダイの大冒険】