完成するのかわかりませんし、

 

推敲の末、

 

いろいろと変わるかも知れませんが、

 

良かったお楽しみ下さい。

 

 

 

 

 

 

 耳には大きく伝わる籠ったような


 ドックン、ドックン、ドックン
 

という三拍子。
 

静かにしててほしいミーヤの心とは裏腹に、

 

大きなストロークの拍動が騒ぎ立てる。

 ダンロップパースリーコースの10番ホールは

 

小学生女子が競技で使う白マークからは

 

グリーンセンターまで80ヤードの打ち上げホール。 

 

ティーイングエリア右側に設置された青い枠線で縁取られた白色の案内板には、


 5.6m(6ヤード)の打ち上げです
 90ヤードの積もりでプレー
 されると良いでしょう


と青字で書いてある。

 ミーヤが放ったピッチング・ウエッジでの第一打は

 

グリーンセンターに力強く飛び出したが、

 

少し左にカーブしながら勢いを弱めることなく、

 

みんなの視界から消えた。


 ここからはカップに近付いたのか、

 

グリーンからこぼれたのか、

 

レッドペナルティーエリアまで行ってしまったのかは

 

それぞれの経験知でしかわからない。


 同伴競技者のアンの球が右の木に当たってコース内に戻って来たので、

 

アンはグリーン手前からプレーを続け、

 

アンと仲良しのマーカーをつとめるレクシーはアンのプレーを見守り、

 

ミーアだけがグリーンまで上がって来た。

 直径42.67ミリの白い球がそこに存在することを願いながら、

 

グリーンや左ラフに何度も視線を向けたミーアだったが、

 

アンとレクシーが仲良くグリーンに向かって上がって来るその前に、

 

左のポケットから


 ダンロップZ-star ボールナンバー42
 

をグローブをして指紋が付かない左手で取り出し、

 

風見鶏のようにかぶりを振ったと同時に

 

レイヤーがその存在価値を示すかのように

 

グリーン左奥に卵を産んだ。

 

 

 

 ミーヤは本来4打目になるだろうそこからの少し長めのパットを難なくカップに寄せて

 

「お先」と2人に言ってからホールアウトした。

 

ミーアのマーカーのアンはミーアのスコアカードのそのホールに

 

3

 

と青いペグシルで書き、

 

「ナイスアプローチだったね」

 

と言ってくれたレクシ―に

 

サムアップで応え、

 

3人はグリーン左奥に置いていたキャディーバッグを担いで

 

次のホールに向かった。

 

 

 

ラウンド終了後にミーアはその数字を確認して

 

サインをしてスコアカード投函箱に入れた。

 

生き返ったはずなのに、

 

その日参加したジュニアトライアルという小学生が参加できる月例競技で3位に入り、

 

お父さんに「よく頑張ったな」と褒められたのに、

 

ミーヤの心はまったく晴れなかった。


 それどころか、
 

 あなた、ほんとにそれでいいの?


そんな声が聞こえ始めた。

 

 

 

 

 

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第2話をお待ち下さい。