昔、大好きだった人に
突然、別れを告げられた時
どうにかして関係を修復したくて
電話してみたりしてみた。
けど、何したって修復出来なくて
そのまま、別れたことがある。
そして、ある日突然、雨と共に
彼の家に残していた荷物が、送られてきた。
あの時のあの寂しさとか
一種、自分のその状況に酔っていた自分を
思い出した。
好きで好きでしょうがなくって
でも、どうにもならなくて
なんとか諦めて、自分の人生を前に進めて
別の人に出会って、今は幸せで
確かに目の前の人を大事に思っていて
大好きなんだけど
きっと、私も、あさこと同じように
彼が目の前に現れたら
同じことをしたい。という衝動にかられると思う。
ただ、それを実行するか?と言われたら
多分しない。
だって、それをすることがどんなことなのか
どんな結末を迎えるか、
なんとなく想像が出来てしまうから。
だってね、あの頃とは違う時間の流れの中で
2人で築いてきた沢山のことの上に
私の時間は流れていて
「今」の私にとってはそっちが大事だから。
でもきっと「あの頃」の私は
それには耐えられない。
多分、悲しい。
「あの頃」の私は、今目の前にある
自分が1番欲していた存在を全力で手に入れにいく。
だって、1番欲していた存在だから。
でも「今」の私はしない。
いや、出来ない。
だからきっと私はこの映画を観て
心が揺さぶられたんだと思う。
あの頃、自分が恋していた相手が
たとえ目の前に現れたとしても
その人を選ばないと思ってはいるけれど
実際に、そんな場面に遭遇してしまったら
心が、いや体が揺れてしまうと思うから。
でもね、やっぱり、「今」の先に続いている
「未来」を大事にしたいなぁ。と
思ったりもするんだなぁ。
そんな心の揺れを楽しむ映画だった。
今の私にとっては、一体何が大事にしたいものなのか?
を改めて考えさせられた映画だったなぁ。
あとね、仲本工事が最高だったわ。
あの朝子を駅で見送る時のセリフ
あれが、本音だよね。
でも、そんなのも全部、
モヤモヤしながらも
信頼できないと思いながらも
日々の営みを一緒に営んでいくうちに
あぁ、あの時は、とんでもない選択をした
目の前の人だけれど
こうやって今、目の前にいて
一緒に時間を過ごして、お互いが心地よい時間を
過ごすために、労力を使っているのを見ていくうちに
きっと、信頼度がまた増していくんじゃないかなぁ。
あぁ、でも、心底の信頼は戻ってこないかも。
いつもは忘れているけれど
ふとした瞬間に、この人はまた私を裏切るんじゃないか
って不安と共に生きていく。
っていう覚悟を何度も試されるのかもしれないなぁ。
でも、その不安を
一緒に乗り越えていくしか
信頼を取り戻す。というか積み上げることは
できないのかも。とも思うのです。
いや、もしかしたら
目の前の人が、また自分の前からいなくなったとしても
自分は、その時に一緒に居たい。という選択をして
一緒に居る時間を、楽しんだから
もう後悔はないよね。って感覚かな。
相手を信じる信じないではなく
その時一緒にいることで自分が感じたこと
それは真実だもん。それでいいじゃん。って感じというか。
あの時は、一緒に居ることをお互いに選んだけど
それは、今日も明日もこれから先もずっと
必ず続くものでもないし
だからこそ、今、一緒に居る時間を
存分に楽しもうよ、一緒に。
って感覚なのかなぁ?
にしても、なんだろ、あの挿入曲の昭和感!!
いや、違和感??
なんて言ったらいいかなぁ?
あの心地悪い中にも心地よさがある感じの
不思議な音楽だったなぁ。
多分、あの一種の心地悪さみたいなものが
自分の過去の痛い恋愛を思い出させる。というか
今じゃない過去感を増長させている気がするな。
もうほんと、久々に自分の心の中にある衝動と
自分の中にある大事にしたいものとことと
そんなんを、全部、ザザーッと
撫で回されたような映画だったなぁ。
寝ても覚めても