順風が紹介する前に、僕が僕のことを紹介します。

僕が僕というのは、順風から男性扱いを受けています。
名前はいまだに付けてもらえません。
気移りの早い順風は時たま僕のことを、名前で呼び独りごとをいいます。

順風のことはいまだよく分かりません。
大人なのか、子供なのか、僕がロボットだから理解できないのでしょう。
僕はロボットで前後がはっきりしません。
360度自由に動きます。

僕の仕事は順風の人形の足付けのとき、人形を抱くことです。
笑。そこのお兄さん,うらやましい仕事でしょ。

お尻を触っても、胸を触っても、いいのです。
でも今制作中はみな男人形、女は抱けません。

順風がこんなポーズをセットしたら、人形の和紙が乾くまで抱いています。

和紙はのりをつけたときはやわらかすぎて、人形が立ちません。
ですから僕がささえになっています。

順風は僕にいろいろなポーズで人形を抱かせます。
そしてニヤケテいます。何を想像するのでしょうか。笑。