○神さま!。どうか、わたしに目をください!
あれは、ずいぶん昔のことでした。 わたしが多くのなかま達と共に太古の海に生まれて、 毎日、波にもまれ、潮に流され、ただ、自然に運を任せて生きておりました。 波任せ、流れ任せの生き方と聞けば、 なんとのんびり気ままな生き方なんだろうと 思われるでしょうけど、 実を申せば、 毎日が不安で、怖くて、生きた心地がしないという暮らしが続いているんです。 そして、最後は誰かに飲み込まれて、 そのおなかの中で人生が終わる運命なのでしょう。 そうです? 怖い話でしょう。たまらなく悲しい話なんです。 神様に見はなされた可哀想なわたし達なんです。 この広い大きな海の中で、 わたしたちを一口で呑み込んでしまう恐ろしい生き物たちが横行している、 この大海に生きるわたし達に、どうか、 どうか、やつらの姿や影が映る眼を与えて下さい!!。 かよわい、わたし達が、彼らが近づいてくる前に身を隠す時間を持てるように、 わたし達に眼を下さい。 どうか、どうか、わたし達に眼を!!。 わたし達は、お願い、お願いしました。 毎日、毎日、神様にお願いお願いしました。 そして、ある日、透き通ったからだの膜に、魔物の影が映るのが分かりました!。 とうとう、願いが叶って、眼が出来たんです。 世界中に、生き物たちが溢れていて、 みんなが神様にお願い事が多すぎて、それに、神様だって忙しすぎて、 なかなか、わたし達の声も、 神様の耳には届きにくくって、 でも、 まいにち、まいにち、おねがい、お願い、続けていれば、 いつかはきっと、 神様が気づいてくれて、 そして、願いが叶うものなんですねえ。 ありがとう神様! わたし達に眼をありがとう!。
あれは、ずいぶん昔のことでした。 わたしが多くのなかま達と共に太古の海に生まれて、 毎日、波にもまれ、潮に流され、ただ、自然に運を任せて生きておりました。 波任せ、流れ任せの生き方と聞けば、 なんとのんびり気ままな生き方なんだろうと 思われるでしょうけど、 実を申せば、 毎日が不安で、怖くて、生きた心地がしないという暮らしが続いているんです。 そして、最後は誰かに飲み込まれて、 そのおなかの中で人生が終わる運命なのでしょう。 そうです? 怖い話でしょう。たまらなく悲しい話なんです。 神様に見はなされた可哀想なわたし達なんです。 この広い大きな海の中で、 わたしたちを一口で呑み込んでしまう恐ろしい生き物たちが横行している、 この大海に生きるわたし達に、どうか、 どうか、やつらの姿や影が映る眼を与えて下さい!!。 かよわい、わたし達が、彼らが近づいてくる前に身を隠す時間を持てるように、 わたし達に眼を下さい。 どうか、どうか、わたし達に眼を!!。 わたし達は、お願い、お願いしました。 毎日、毎日、神様にお願いお願いしました。 そして、ある日、透き通ったからだの膜に、魔物の影が映るのが分かりました!。 とうとう、願いが叶って、眼が出来たんです。 世界中に、生き物たちが溢れていて、 みんなが神様にお願い事が多すぎて、それに、神様だって忙しすぎて、 なかなか、わたし達の声も、 神様の耳には届きにくくって、 でも、 まいにち、まいにち、おねがい、お願い、続けていれば、 いつかはきっと、 神様が気づいてくれて、 そして、願いが叶うものなんですねえ。 ありがとう神様! わたし達に眼をありがとう!。