女性の症状の間違った常識
骨盤を正して悩みを解消させて初めて知った


自分が骨盤調整治療で治ってみて、
これまでの腰痛に対していだいていた考えが、
本当は間違いだったとわかって、やはりショックを受けた。


腰痛は放っておくと大変

Mさんが左腰に痛みをおぼえたのは24歳のときだった。
動めが立ち仕事であったから、そのせいだろうと思った。

最初のころはシクシクした痛み程度であったから、
「そのうちに痛みは消えるだろう」と思って、
そのまま放っておいたという。

自然良能会が常にくどいほど注意している
「たかが腰痛」という安易な考えであった。

間違った考えの第一は、
このように腰痛を病気だと思わないで、
自分勝手な判断ですぐに痛みは消えるだろうと、
簡単に考えてしまうこと。

本来肩こり、腰痛などは中高年のものと
考えてしまいがちで、いまや年々若年化して、
Mさんのように20代半ばで腰痛に見舞われるのも
珍しいことではなくなった。

いずれにしても「痛み」が出るということは、
かならず原因があるもの。

仙腸関節のズレが根本の原因で、
それにより骨盤が傾くと、

当然その上に乗っている脊柱が不安定になって、
やがてS字状になり、

腰痛をはじめ椎間板ヘルニアや脊椎分離症・
すべり症などを誘発する。

それに伴い他の部位にも派生して骨格を狂わせる。
そうしたことが血液や神経の流れを阻害し、
筋肉、靭帯を硬縮させ、いろいろな痛みを表出させる。

この痛みの発生する経緯(プロセス)を見ると、
腰痛で総称されるそれらの症状はひとつにとどまらず、
正しい治療・・・根本原因を適確に処置する
治療をしなければ、次々にいろんな症状を誘発する。

「進行性」のものだということがわかるでしょう。
やっかい症状、というのはそういうことであるから。

Mさんは、そんな腰痛の本質は知らなかった。
第一に若い。
腰痛、肩こりなどとはまるで無縁の年齢であった。

腰の痛みは単なる疲れだろうと簡単に考えていたが、
放っておいて悪くなれば、苦しむのは本人です。

そうしたことを自然良能会では機会があるたびに
患者さんに説明している。

腰痛の実態を繰り返し説くのは、
ひとえに患者さんのためを思えばこそである。

それを知ることで、より真摯な姿勢で治療に取り組む。
そのことが大切なのである。

結局、Mさんが骨盤調整を受けるまでに、
その間じりじりと症状が悪化していったのであった。

当初のシクシクした痛みが次第にきつくなり、
肩がこるようになった。

この年齢でなんで肩こりが? 
と自分白身で驚いたという。

それでもアルバイトの仕事はなんとかこなしながら、
(そのうちに楽になるかもしれない)と、
まだどこかで楽観していたのであった。

ところが、今度は生理痛がでてきた。
生理のたびごとではないが、
キリキリとしめつけられるようなひどい痛みに
見舞われるときがあった。

さすがに心配になって医者に診てもらうと、
ホルモンのバランスのくずれからだといわれ、
薬を渡されたのだったが、

お母さんが、「いまひとつはっきりしない症状に、
いわれるままに薬を飲むのもどうなのかしら」というので、

漢方薬なら副作用もないだろうと思い、
それから漢方薬を飲むようになった。

そうこうするうちに、椅子から立ち上がるときや、
しゃがみこむときに、ズキッとした激痛が走るようになり、
知らぬ間に腰をかばって歩くようになっていたの。

「あなた、ヘンな歩きかたをしているわよ・・・?」

友だちにそういわれて、改めて歩く自分の姿を映して見て、
びっくりしてしまった。

そこで以前に腰痛をしたと聞いていた知り合いに相談すると、
「それなら骨盤調整がいいよ」といわれて、
自然良能会を紹介されたという。

診れば、右の仙腸関節を大きく狂わせていて、
骨盤が右上後方に傾いていた。

Mさんは左の腰が痛いというが、
本当に悪いのは右側なのだ。

しかし、悪い右の方を自然にかばうようになるので、
どうしても左側に負担が多くかかって、
それで痛みが発したものであろう。
当然左の仙腸関節も小さいが狂わせている。

そこで、左右の仙腸関節の調整をし、
他の重要な関節も調整をしてから、
緩めの操作(指圧)をまかせたのである。

そして五味会長は、次の患者さんの
治療にかかったが、何人か診てひと息ついたとき、
帰り支度をした村木さんがそばに来て、

「先生、ありがとうございました」と頭を下げて、
「本当にウソみたいに身体が楽になりました」
 うれしそうにニコニコしていた。

そんなMさんに、
「なにしろ長い時間も放っていただけに、症状が多分に慢性化し、
仙腸関節がズレたまま癒着していたのです。

先はどの治療で、仙腸関節は元の正しい位置に
おさまりましたが、ズレ癖がついていますから、
すぐにまた悪い形にもどってしまうものです。

それを矯正するためにも、
しばらく治療に通ってください。

ただし、癒着はさしてひどいものではありませんし、
あなたは若いのですから、そんなに時間をかけなくても治ります」
といったのだった。

Mさんはそれから一日おきに通ってきた。
そして十数回の調整治療で完治してしまった。

腰の痛みが消えたのはもっと前で、
数回の治療でのことである。

同時に生理痛も治っていたので、
Mさんはそれまで治るとは、
「本当に思いもしませんでした」と、

心底びっくりしていたが、
前に述べた痛みのメカニズムを考えれば、
不思議ではない、いたって当たり前のことなのだ。

問題は、その後である。
骨盤調整は治療をすればかならず楽になる。

それで治ったと思い込み、
そのまま治療に来なくなってしまうこと。
これでは、仏をつくって魂をいれずになってしまう。

痛みは消え、身体は本当に楽になっても、
仙腸関節のズレ癖が完全に是正されなければ、
またズレて痛みを再発させる恐れがある。

完全に治すには、治ったと思ったときからの
最後の詰めが大切です。

そのことを説き、理解してもらうことが肝心。
 

女性のなにげないこんな動作が腰痛の注意信号

そこで、最初に「こんな前ぶれが出たら要注意」という
形態を紹介します。

それで腰痛の進行度合が自分で判断できるでしょう?


■ 朝、寝床から起き上がるとき、上体を起こすと腰が痛い

これは疲労がたまると腰の筋肉が萎縮し、
そのまま眠ると筋肉が動かないからますます
萎縮してしまうから。

そこで朝、いきおいよく上体を起こすと、
縮んだ筋肉を伸ばすことになり、
それにつれて骨ごとひっぱられ、
神経が圧迫れるからです。

身体を動かしているうちに筋肉に弾力がもどり、
血液の流れも活発になると痛みは消えますが、
安心はできない。

まだ症状としては軽いが、このまま放置していて
より疲れがたまると、ギックリ腰に見舞われる
可能性があり要注意。


■ 朝おきて顔を洗うために前かがみになると腰が痛い

朝、前かがみになって洗面しようとすると、
腰が痛くてかがめない。

そこで腰を落とし気味にし、
ようやく顔を洗えるという人は要注意。

早いうちに骨盤を正しておかないと、
辛く大変ことになる。


■ くしゃみをすると腰に痛みが走る
 
くしゃみをした瞬間、腰にチクッと痛みが走る人は、
かなりの危険信号だと思わなくてはならない。

くしゃみは下腹部に力が入らないと押し出せないから、
瞬間痛みがでるということは、
かなり悪い症状と思われます。

たかがくしゃみだと安易に考えないで、
できるだけ早く治療が必要です。



■ 椅子に座ったとき足を組まないとつらい


いつも同じ足を組んでいる人は
(例えば右足ばかりを組んでいると)これは癖ではなく、
仙腸関節がずれているでしょう。

仙腸関節が狂うと、その側に身体の体重が乗せられないから、
その足を組むようになる。
痛みはなくても黄信号。



■ 背伸びをすると腰に痛みが走る

黄色から赤信号に変わる状態。
脊椎の並びに異常が発生する前兆だ。
そのままにしていると椎間
板ヘルニア等になる可能性大である。



■ 極端に歩幅が短いヨチヨチ歩きになる

高齢者特有の歩き方、腰が硬直してしまって、
足を大きく踏み出せないことが原因なのだから、
骨盤を正せば楽に歩けるようになる。



■ 寝返りをうつのがつらくなってきた

寝返りをうつには背中をひねらなければならない。
脊椎が運動するこの動きで痛みがあるということは、
すでに骨盤がゆがみ、そして骨盤の上に乗っている
脊椎もS字状に曲がりはじめている。


以上のようなことに心当たりのある人は、
だいたい骨盤に問題があるとみて間違いがないでしょう。

適切な処置をすることが必要。
なによりも恐ろしいことは、
「たかが腰痛だから、そのうち自然に痛みは消えるだろう」

と安易に考えていると大変なことになる。
「たかが腰痛、されど腰痛」というわけです。



③ 女性の骨盤は男性よりも できているのはなぜ?

人間は直立して、2本の足で歩くようになって、
直立して二足歩行するようになった人間の脊椎は
垂直に立ち、つまりは柱になった。

重くなった頭部を脊柱が支える恰好になり、
負担がその一点に集中的にかかることになる。

そんな脊柱を乗せているのが骨盤です。

骨盤はいわば土台の役をしているのであり、
それが傾げば脊柱は不安定になり、歪み、ねじれが生じ、
各部位の骨格変位を誘発するようになって、
血液、神経の流れを阻害し、筋肉、靭帯の硬縮となる。

それが腰痛その他を誘発するメカニズムです。

そうしたことから起きる症状は、腰痛、椎間板ヘルニア、
脊椎すべり症、坐骨神経痛など。

骨盤(仙腸関節)の狂いが、人体にいかに
影響しているかを理解してもらいたいです。

そんな重要な骨盤が、実は女性と男性では形が違っている。
そのことはわかっているようで、
わからない人のほうが多い。

女性の骨盤は骨盤下目が広く、
骨盤腔が短い円筒形であり、タライ型。

これに対して男性の骨盤は、骨盤下目が挟い、
全体の形がバケツ型。

具体的にいえば、骨盤の下の恥骨のところの角度が、
女性の方が広くて、男性の方は挟い。

このように女性の骨盤が、男性に較べて
横に広くなっているのは、

男性にはない女性特有の臓器が入っているからで、
なによりも出産という女性ならではのはたらきに合わせて、
横に広いタライ型になっているから。
その上に、下肢を結ぶ股関節が男性よりも浅い。

また腰を支える組織も、女性の方は柔軟で、
男性の方が強靭だという違いも出てくる。
こうした男女の違いは、
当然腰痛の症状も異なってあらわれる。

女性の腰痛はいつまでも痛むケースが多く、
生理不順や生理痛、便秘など、女性の生理に
関わるようないろいろなものがからんでくる。

だるい、全身がしびれる、下肢のむくみ、疲れ、
ものにつまずきやすくなる、
といった女性特有の不調も加わる。
 

治らなかった腰痛、神経痛が
骨盤を正すと治るのだろうか?


身体がだるい、肩がこる、腰が痛い、下半身が重苦しいし、
冷え性気味だ、生理痛もひどい、貧血に悩む・・・ 

こうした症状は、女性特有のものといえます。
そうした状態になると女性の方は、
だいたいが体調のつらさは訴えるが、

それを病気とは思わず、「肩こり性だから」とか
「冷え性だから」といって、自分で勝手に、
「これは性分だから」と決めつけ、我慢をしてしまうようです。

でも、女性本来の「我慢強さ」が、
この場合はマイナスに・・・

というのは、それらの症状は立派な病気だから。
しかも、そのまま放っておくと、より悪くなっていく
「進行性」のものであるから大変。

そうした症状をさらに大変なものにしているのは、
多くの人たちがそれらを病気だと思わず、
「そのうちによくなるだろう」と安易に考えて、
適切な手当てをせずに放っておくこと。

加えて女性特有の我慢強さがマイナス効果を
倍増してしまう。

こうした症状は、実は骨盤の歪みからくることが多くある。
正しくいえば、骨盤を形成している仙骨と腸骨を結んでいる、
左右一対の仙腸関節のズレです。

現代医学は長年にわたって仙腸関節を無視してきたか。
医学書でも、さすがに最近では仙腸関節の存在は認めているが、
その役割についてはあまり言及していない。

最近になって、ようやく骨盤や仙腸関節の意味合いを
理解する声が上がり出している。
いまだごく少数の意見で、
他の大多数は昔と変わらぬ姿勢です。

実際のところいろんな治療にかかり、いつまでも改善せず、
苦しい思いをする人が多くいる。


■ ほんとに大丈夫ですか? あなたの「腰」は・・・

すぐそこにある「腰痛」の危機
女性の腰痛の危険度を自分でチェックしよう

① 腰痛、神経痛は骨盤のゆがみが原因

腰痛、神経痛のほとんどは、
骨盤の中にある一対の仙腸関節の狂いが原因である
と私たち自然良能会は前々から主張している。

なにが正しい治療か?

治療ということは「治す」ということで、
患者さんが治るか治らないか、
苦しみを解消するか否かであるだけ。

骨盤(仙腸関節)を無視すればそれらの
症状は断じて治らないと確信しているからだ。

その典型的な例が椎間板ヘルニア。

人体の支柱といえる脊椎は、
7個の頚椎、12個の胸椎、5個の腰椎の合計24個の椎骨から
成り立っていて、それぞれの椎骨と椎骨の間にあって
両方の骨をつなぎ、クブンョンの役割を果たしているのが
椎間板です。

人間にはこの椎間板があるから、
伸びたり屈んだり、ねじったりという動きがスムーズにできる。

この椎間板は、ゼリーのようなコロイド状の髄核のまわりを
繊維輪の層がつつんでいるもので、
通常はしっかりと保護されている。

繊維輪の変性や、外側からの圧力などで亀裂ができ、
繊維輪から髄核が押し出されて、椎間板からはみ出して
骨化することがある。この状態をヘルニアといいます。

現代医学では、そのヘルニアが神経にふれて
痛みを誘発するといい、それが腰痛の原因だと考えています。

MRIなどで見ると突起したヘルニアが実に鮮明に映し出される。
医師はその突起した部分を切り取れば痛みが解消するという考え。

現に椎間板ヘルニアといわれた人が、
患部である、「腰椎のところを押してみてください」
といい、どうですか、ひどく痛みますか? 

と聞くと、「いえ、それほどでもありません」
ほとんどの人がそう答える。

さわっただけで、飛び上がるほど痛がるのが
真性の椎間板ヘルニアです。

大部分は実はヘルニアが原因ではないということ。

神経は弾力に富むものだから突出したヘルニアは
巧みによけるもの。

だから、ヘルニアが神経を刺激して痛みを誘発する。
という現代医学の考えは・・・?
つまり、ヘルニアによる痛みは従犯です。

本当の原因は、骨盤の歪みからくる血液循環不順と、
筋肉、靭帯の硬縮。

なぜそうなのか? ということを、
現代医学は骨盤変位を見落としている。

腰痛や足痛、首、肩などの痛みは、
一気にくるものではない。

なんらかの前兆があるもの。
例外としては、突発的になるギックリ腰があげられますが、
それでもちょっとした打撲とか、疲労の積み重ねや
筋肉の硬直などといった、なにがしかの前ぶれがあるもの。
 

現代医学は「対症療法」です。
疾患があるとわからなければ治療ができない。

ところが、腰痛や神経痛は「痛み」が主体の症状で、
とらえどころがありません。

傷とか潰瘍といったはっきりした患部がなくて、
ただ「腰が痛い」「足が痛い」という
見えない症状です。

病名が付けなければ治療ができない。
それでいろいろな病名(診断)がつく。

例えば、椎間板ヘルニアの場合・・・?

なんらかの原因で腰椎に負担がかかり狂いが生じると
椎骨と椎骨の間にあってクノンョンの役目をしている
軟骨が飛び出し骨化する。

これが椎骨から出ている脊椎神経を圧迫するために、
強烈な痛みを発する。

そして「椎間板ヘルニア」という病名が付く。
誰が聞いても「なるほど」と思う理論で説得力がある。

治療は、まず痛み止めの薬。
そして牽引やコルセットなどの処置をして、
それで治らなければ「手術をするしかありませんね」となる。

患部を切り開き、出っぱったヘルニアを切り取れば、
痛みはなくなるという解釈。

椎間板ヘルニアは二次的なもので痛みの本当の原因は、
人体の要である仙腸関節の狂いから生じるもの。
というのが同会(自然良能会)の結論です。

腰痛ばかりではなく、
肩や背中、足底の痛みから、足首、膝の痛み、
頭痛、眼、鼻、目の疾患等々、

これらも要である仙腸関節変位が
原因で発生するものです。

つまり「見えて、形のある」患部・・・
傷とか炎症、潰瘍等々があって、
そこで病名が付き、処置がなされる。

ところが腰痛、神経痛といった
「見えない」症状は対応のしようがない。

例えば、身体が歪んで、歩行が困難な人でも、
検査をして原因が不明ならば、
「なんでもありません」と診断されることもあります。

実際にそういう体験をした患者さんに、
自然良能会では多く会っています。

それは、脊椎の歪みが患部ではなく、
なぜ脊椎がS宇状に歪んだのかがポイントだから。

いうまでもなく骨盤(背骨の土台)の歪みが真の原因です。
そのことを見落して「治す」ことはできません。

もっとも大切なことは患者さんのせつない思いであり、
つらさ、苦しさを解消さす(治療する)ことであろう。
そのことに、いかに努力するかです。

現代医学(対症療法)と骨盤調整(根本療法)は、
これからは協調し、それぞれの良さを出し合い、
相携えて治療にあたれば、
その効果は測り知れなく飛躍するのではと思います。

現代医学では治らない・・・?
症状がみるみる快癒するおどろき報告



病院で長くかかってもいっこうに
良くならなかった人が骨盤調整に罹ると
みるみる快癒して、誰よりも当人がびっくりする。

そうした「凄さ」が自然良能会の真骨頂であって、
その技術を磨くため同会の会員は一様に
技術の向上に努めている。

しかし効果があるだけに、
患者さんが楽になると「治った」と思い込んでしまうことも・・・。


医者の対応に疑問

Yさんが、自然良能会に初めて来だのは昨年の10月下旬です。
「腰が痛くて・・・!」と辛そうな表情だった。

10月の初めころから、
時々腰に痛みを感じることがあったと?

「1週間ちょっと前に、急に激痛が出て、
歩けなくなってしまいました」

あわてて知り合いに介添えされて病院へ行き
診察を受けたところ・・・

「腰痛から坐骨神経痛になったようです」と診断された。


訴えた右下肢のしびれも、その影響である。
痛み止めの薬と、湿布をすることを勧められた。

医師の指導のままに、痛み止めを服用し湿布を励行したが、
ふと考えると病名は告げられたが、
具体的な治療法についてはなんら説明されていない。

それにしても、鎮痛薬と湿布というのでは、
あまりに心もとない。

どう考えても、これは「治療」ではない。
だからといって、医者に疑問を
そのままぶつけられるものではない。

聞いて丁寧に教えてくれるのならばいいのだが、
だいたいが不快な表情をされることが多くある。

自然良能会などは常々、

「それは、本当の原因がわからないからで、
原因が不明ならば明確な治療法を示すことなどは当然できません」
「骨盤変位」ということを、いまもって無視しているから。

そうしたなにが正しいか? 

を明確にし是々非々を明らかにするのも要務であり、
患者さんの正しい判断の指標とならなくてはならないと考えます。

少しでも多くの人たちに「骨盤調整」の
なんたるかを理解してもらえれば、
それだけいろいろな症状、疾患に苦しむ人が減少するとの信念で、
患者さんに丁寧に説明し、確実に「治す」ということで
この治療の正しさを証明しているのです。

Yさんが、自然良能会の腰痛治療のことを知ったのは、
いわば偶然であった。

病院(整形外科)での対応に、
Yさんが疑問・・・とはいってもそれほど明確なものではなく、
なんとなく不安を感じたといった気持ちをもったのです。

その気持ちを知り合いに洩らしたところ、
その知人は「自然良能会に行ったらいいわよ」
と教えてくれました。

「そこには、単に腰痛ばかりではなく、
いろんな症状の人たちがきているけれど、
みんな驚くばかりによくなっているわ」

Yさんは「そうなの」と答えたものの、
その知り合いの人が説明する
「骨盤調整」がどういうものなのかは、
いまひとつはっきりとは見えない感じがしたという。

その点はYさんに限ったことではなく、
骨盤調整だとか自然良能といっても、

知らない人のイメージとしては、
どうも古臭いとか宗教じみた感覚に捉えがちになる人が
間々いることはたしかです。

あえていえば、自然良能=骨盤調整の名称は同会の
絶対の自信の裏打ちで選んだものに
ほかならないといえるからです。

ただYさんは、この治療のイメージはいまひとつ掴めなかったが、
「骨盤」主体の治療ということに新鮮さを感じ取ったという。

なによりも、これまで具体的な説明をしない整形外科のあり方よりも、
歩けないようなお年寄りから、赤ん坊にまできちんと
施術をしていることに、心強さをおぼえたようであった。

だから、知り合いのその人が、
これほど熱心に推奨するものなら、
一度受けてみようかしら・・・?

Yさんも、69歳になってもまだ会社勤めをしていて、
それだけ元気で意欲的であるということだろうが、
こうして歩くこともままならないほど症状を悪化させ、
これからのことを考えると不安を感じていた。

「せめてこのつらさ、苦しみを少しでも楽にして
もらえるならば・・・?」

そう思って、そろそろと歩いてきたのだった。

ようやく自然良能会にたどり着いたYさんは、
肩で息をし、見るからにつらそうであった。

Yさんはなによりも、
腰痛で「治療をしてもらった」のは初めてであり、
しかも治療後にはっきりと「楽になった」ことを
実感したのも初めてであった。

この骨盤調整では、関節部を調整するさい、
「ハアーッ」という、独特の気合をかける。

初めてのときは奇異な感じも受けたのだったが、
その効果を感じると、
「体内に元気を注入されているみたいに感じますね」

骨盤調整で治るのでは・・・との思いが、
そうした気合で確信になったようである、と。

それから、Yさんの何日おきかの通院が始まったのであるが、
当初、わずかな距離でも何度も何度も休み休みして
ようやく自然良能会にたどり着いていたのが、

一回治療すれば確実に休む回数が減り、
さらに一回治療するとまた減るという調子で、
何回目からはあれほど難儀した道程が、
最後まで休まずに来られるようになったのであった。

初めて休まずに自然良能会まで来れた時、
Yさんはそのことをうれしそうに報告したのだった。

ひとつの関門を通過したことであると同時に、
よくなることに加速がついた証明ともいえる。

ただ、これまでにもいろんな症例で説明しているように、
はっきりと「良くなる」確信がもてたところから、
いわばこの治療は仕上げに入るのである。

骨盤調整は症状の痛さ、つらさはさまざまであるが、
まずはなによりも「楽にする」ことが第一段階としている。

それは、確実に楽にする。

だが、楽になったから終わりではない。

楽にはなる。
だが、ひどい症状ほどズレだ仙腸関節がそのまま癒着して、
正しい位置に調整しても、
少しするとまた悪い形にもどってしまう。

いわゆる「ズレ癖」というものです。

それを正しい位置で納って、
ズレることのないようにするには、
何度も何度も調整治療を重ねる必要があるということ。

その間にも、身体の状態は確実に良くなっている。
骨盤調整の凄さは(股関節脱臼などの特異な症例を抜きにして)
初めての調整治療からはっきり違いを示すことである。

「身体がウソみたいに軽くなって、本当に楽になりました・・・」
と一様に言われる。

痛みも薄らいだ・・・治ったのではなかろうか? 
そう思ってしまう人が間々ある。

ひどいギックリ腰で、歩くこともできずに
両脇を知人にかかえられてようやく治療室へ入ってきた人が、

骨盤(仙腸関節)を正すと恐るおそる立とうとすると
なんと、すっと立てたのだ・・・しかも歩ける。
当人にすれば感動もので、舞い上がる心境になってしまう。

よろこぶのはいいのだが、それで「治った」と思い、
それっきり来なくなってしまうケースがある。

Yさんは合計12回来て、ほぼ良くなったが、
最後の念押しという段階で治療に来なくなった。

仕事のほうが忙しくて、
時間が取れないのですと言われました。

「あまり無理はされずに、ちょっとでも異常を感じたら、
こちらへいらしてください」とスタッフはいった。

その後、なにもないところは元気で頑張っておられるのでしょう。
 

たいていの人ならば、歩けるようになった時点で
治療を止めてしまうかもしれません。

もし周囲が自分の症状を軽視していたら、
「いつまで遊んでいるのか。もう歩けるなら治ったんだろう」
などと言うかもしれません。

しかし私には、なにより家族の深い理解がありました。
歩けるようになっても区切りがつくまで
治療に専念するという環境下にあったのは、
本当に幸運だったと思います。

それに治療を中途半端に止めなかった理由として、
先生の存在がありました。

今まで出会った医師の中には、
病んで辛い症状を治して欲しいという自分に対して、

病気はあなたの不注意だと、一方的に上からものを言う
高圧的な人も少なくありませんでした。

しかし先生は、その卓越した治療技術もさることながら、
私の非は責めず、あれやこれやと余計なことは
いっさい問わず、とにかく私が回復するよう真摯に
治療をして下さいました。

それは頻繁に治療に通う患者としては
本当に安心感があり、とてもうれしく、
ありかたいことでした。

自分で歩けるようになってからは基本の腰回し運動の
回数も飛躍的に仲ばすことができました。

一日最低でも数百回、多い時は千回以上行い、
加えて週4回のペースで治療所に通い続け、
食事も椅子を使ってテーブルで摂れるようになりました。

これも私の中では大きな変化でしたし、
食事が本当に美味しく感じられ、
生きていることを噛みしめられるようになりました。

そして治療を始めてから4ケ月半経過した10月、
初めて右側の骨盤(仙腸関節)が動きました。

それからは毎日1時間のウオーキングも加え、
歩ける喜びを毎日楽しんでいました。

それからもコンスタントに治療に通い続け、
冬の時期はあまり目立った変化はなく、

倦怠期のように苦しい時期もあったのですが、
今では姿勢も見違えるように良くなり、

毎日2時間ウォーキングしても足腰に痛みは
ほとんどありませんし、ちょっとバンドを巻けば
すぐ足の疲労もなくなります。

治療を始めてから9ケ月で体重も15キロほど減り、
視力も確実に上がりました。

それに、昔から悩みだった呼吸器官のはたらきも
驚くほど上昇し、日々骨盤調整の絶大な効果に
感嘆するばかりです。

そして、闘病開始から約10ケ月、痛みがつづいていた
左足の仙腸関節が初めて動きました。

その時の喜びようは今でも忘れません。

それから身体のバランスが本当の意味で
整ってきているのが実感できて、
歩いている時も軽やかになりました。

その日その日で身体のどの部分が少し疲れてきたから、
ちょっとバンドを使って解消しようか、
というところまでわかるようになりました。

それは自律神経が正常になったなによりの
証拠だと思います。

そして、ここまできたからには自分が納得いく部分まで
治そうと家族とも話し合い、
最終調整へ向けて毎日治療に励んでいます。

なにかの縁でこの手記を読まれた方々に、
20代以下の若い愛するお子さんやお孫さんがいたら、
是非、この私の手記を読むことを勧めて欲しいと思います。

自分の子たちは、あなたと違って全くの健康体ですから、
余計なお世話だと言われるかもしれませんが、

骨盤の歪みは普段の日常生活の中では
気付きにくいものだと思います。

なぜならば、重症になった私が
一朝一タで回復しなかったように、
骨盤の歪みもまた、一朝一タでは進行しません。

両方とも日々の積み重ねなのだと、
私は闘病生活を経てその事実を痛感しました。

特に以前の私のように自律神経失調症になってしまったら、
神経が痛みを感じず、無理するところまで
無理ができてしまうのです。

それが本当に恐ろしいということは、
これまでの話で理解いただけたと思います。

家族や本人ですら気付いていなくても、
腰痛があったり、慢性的な便秘症だったり、
女性なら男性にはわからない辛い生理痛があるかも知れません。

以前の私のように、自分ではどうしようもない
倦怠感を日頃感じているかもしれません。

もし、お子さんやお孫さんが骨盤調整に興味をもったら、
「あなたは若いんだから大丈夫」と言わないで、
是非最寄りの治療所にご一緒に足を運んであげて下さい。

大丈夫と思うのであれば、
一度プロの治療家の方に見てもらえば現状がわかりますし、

本当に大丈夫ならば、お墨付きがもらえて
より安心できると思います。

私自身がそうだったのですが、
若い人は、腰痛をあまりにも軽視しがちですし、

もしあっても、

ちょっと疲れているのかな? 
ちょっと運動のし過ぎかな? 

程度にしか思わないと思います。
さらには、それを恥ずかしいことだと思うので、
周囲にもなかなか言えないと思うのです。

骨盤調整の効果は充分認識されていると思いますが、
若ければ若いほど、
骨盤調整による治療効果は高いですし、

仙腸関節のズレが小さければ小さいほど、
また回復も早いのだと痛感しています。

以前、他の患者さんに「若いから回復も早いのだろう」
と言われましたが、まったくその通りだと思います。

重症や高齢になればなるほど、
筋肉も衰え運動にも億劫になってしまって
自己療法に熱心に取り組めませんし、

社会的な立場も考慮しなければならず、
「そんなこと言ったって時間が割けない」
と言い訳をして、より回復が遅れてしまう
危険性もあると思います。

20代前半で骨盤調整の確かな効果を、
まさに身をもって経験した私は
非常に幸運だったと言えるでしょう。

だからこそ、できるだけ早く多くの人に
この素晴らしい治療法を知っていただき、
そして是非実践していただきたいのです。

ある人が言った、私が好きな言葉があります。

「人生は有限だ、しかし可能性は無限大だ。
有限な人生の中で自分の可能性を信じて生きることは、
本当に美しい」

絶望の淵にあった私の人生は、
無限の可能性をひめた希望に満ちたものに変わったのです。
骨盤調整とご縁があったことを本当に感謝しています。

自分が寝たきりの状態になって痛感しましたが、
介護は介護される側も介護する側も、
両方とも本当に苦しいものです。

なので、それを未然に防ぐために、正しい治療法を知り、
毎日自分の身体をいたわる習慣を付けることは、
人生を健康に、そして豊かに過ごすために
必要不可欠だと思います。

そのような意識は自分だけでなく、
周囲も幸せにするのではないでしょうか。

腰椎椎間板ヘルニア
痛みを知って健康の大切さを学んだ


腰痛の実態を理解して

「腰痛」という言葉は、一見やわな印象を受け、
緊迫感を感じさせないようですが、
腰痛の実態は実に多様です。

しかも大変やっかいなものです。

「たかが腰痛」などとすまされるものではないのです。

自然良能会がとかく安易に考えがちな
腰痛に対する誤解を是正するように
苦労してきましたし、いまもってそうです。

腰痛のあまりのひどさ、苦しさで
「生きること」を悲嘆するまで落ち込んだ・・・

そうした若年層にまでおよんでいる
腰痛の実態を考えさせる問題であるように思います。

腰痛の「なんたるか」をよく理解して、
治るための真摯な努力をおこたりませんでした。

そうした懸命な努力が
良き結果に結びついたと思っています。




可能性を信じ治療に専念した結果が・・・!
バラコンバンドも手離さず熱心に



初診ではっきりおぼえているのは、
先生がズバリと私の症状を断言したことです。

整形外科では、ただでさえ脚の激痛をこらえて
病院に行くまでに苦しい思いをしているのに、

何日もかけていろいろ調べて、
ようやく「腰痛椎間板ヘルニア」と診断したと思ったら、

以前と変わらずリハビリ療法と薬だけで様子を
見ましょうということだった。

しかし自然良能会では、

「骨盤が右上に傾いていて、右足が左足より短く、
背骨は完全に偏平して非常に緊張しています。

頚椎も歪んでいて、これでは睡眠も満足にできないでしょう。

そして、痛みがひどい左脚は、
筋肉の硬直がひどい状態です。
これはさぞかし痛かったでしょう・・・」

と的確にしかも自信をもって断言したのです。


そして他にも驚いたのは、
「自律神経失調症の症状が見られます」と
述べたことです。

自律神経失調症については、以前自分で調べていまして、
おおよその症状はわかっていましたが、
先生にそれを指摘された時に、
私の脳裏にこの病気の症状のひとつが浮かびました。

それは、倦怠感です。

ちょうど腰痛が始まったころだと記憶しているあたりから、
なんだか慢性的な倦怠感に襲われるようになりました。

腰痛がなかった大学1年生の時は、
そんなことはまったくありませんでした。

それを自分では怠けているだけだと
卑下しつづけていたのですが、

当時を思い返してみても、
どうやらそれだけではなかった様子で、
あのころから既に兆候は出ていたんだと思いました。

それに気付いたら、なんだか少し気が楽になったのです。

そして、症状を指摘された時に、
「今の病院では腰痛の本当の理由がわからないから、
治療ができない」という言葉を思い出し、

今まで通った医者のように曖昧な回答ではなく、
これほどまでに原因をすぐに判断した先生は
信じられると思い、治療を受けようと思いました。

そこでようやく病気と真剣に向き合う決意をしました。
それから、私の本当の闘病が始まりました。

今までは、薬を飲んで寝てばかりで
なにもできませんでしたが、

先生の治療だけでなく、バラコンバンドを使って
自分自身でも回復への努力ができることを知ったので、

先生はかならず治してくれると信じ痛みをこらえながら、
一日中バンドを巻いたり外したりを繰り返していました。

しかし、初めのころは身体を曲げることも
満足にできず、腕以外自分でバンドを巻くことは
できなかったので、両親にバンドを巻いてもらいました。

闘病中、私の家族はみな私に対して文句一つ言わず、
かならず治ると励ましてくれて、
精一杯協力を惜しまないでくれました。

それは本当にありかたく、
家庭崩壊が騒がれている現代において、
自分はなんて良い家族に恵まれたのだろうと、
つくづく思いました。

それでも当初の1ケ月はなかなか痛みが治まらず、
苛立ったり不安になる時も正直ありました。


しかし、私はこれしかないと自分で思ったことを
今まで曲げたことがなかったので、
先生、そして自分を信じ、バンドを手放すことはありませんでした。

そしてしばらくすると、左脚の痛みが強くなってきました。
好転反応です。

「神経が鈍化しているから、まず神経が正常に
ならなければ回復には向かいませんが、

正常になった時には本来の痛みを感じるので、
今よりも痛くなりますよ」というのは、

前々から先生に言われていましたし、
それは自分でも覚悟していたのですが、
これが痛みのピークの時じゃないにして
もなかなかの激痛でした。

正直辛くて挫けそうになったのは覚えています。

しかし、そこでも先生や家族の励ましを受け、
絶対に治るんだと自分にも言い続けて治療に励みました。

そのころは時期が夏だということで気温も高かったし、
まだ痛みが小さかったのも良かったと思います。

これが真冬の時期だったら、
もっと辛かったのではないでしょうか。

そして治療を受けて2ケ月弱経った7月、朝起きると、
驚くほど左脚の痛みが小さくなっていたのです。

昨日まであれだけ痛かったのにと思いましたが、
とにかくうれしくてたまらなくて家の中を歩き回りました。

ただ痛みが緩和したと言っても、やはり足を曲げると痛いので、
トイレは相変わらず苦労しましたが、
ピーク時のの激痛を考えると、その差は歴然でした。

「これをつづければ確実に治るんだ」
と治療への期待を実感しました。

そして8月はじめ、初めて独りで治療所へ向かいました。
まだ足腰が痛むので車の運転はできず

電車とバスを利用しましたが、

しっかりとバンドを腰と脚に締めていったので、
思っていたより痛みは小さく、自信が持てました。

ひさしぶりに外から眺める澄み切った青空と、
燦々と降り注ぐ真夏の太陽が本当に眩しくて、
周囲の人目もはばからず、
道を歩きながら涙を流しました。

一時は、一生歩けなくなるのではないかと
毎日不安で不安でたまらなくて、
将来を悲観し絶望しましたが、
またこうして自分の脚で歩けるようになった・・・。

それは、自分にとって、本当に大きなことでした。

そんな生活を1ケ月半ほど続けていたある日、
いつものように病院で牽引をしたのですが、

帰宅した直後から
左脚全体にすさまじい激痛を感じるようになりました。

ギックリ腰の時よりもさらに痛みが強く、
鋭利な刃物で何度も刺されるような、
信じがたい激痛に襲われました。

痛み止めの薬を飲んでも湿布を貼っても痛みは変わらず、
その状態が4日程の間、絶え間なく続きました。

まったく身動きひとつしなくても、
激痛は絶え間なく私を襲い、
ほんの少し腕を動かすだけでも痛みは強くなるばかりでした。

寝返りも容易にはうてません。
呼吸をするだけでも痛みが増すのです。

なので、ほんのわずかな間でも痛みから逃れようと、
呼吸を止めては、静かに吐く・・・という行為を
何度も何度も繰り返していました。

そのような状態ですので、身体は憔悴しきっているのに
激痛でまったく眠れず、
1日でも眠れだのは30分から一時間ほど。

しかもそれは睡眠というより、
昏倒という状態に近いものだったと思います。

眠っている間は痛みを感じずにいられるのに、
眠ることができない。

既に内服薬を長期間服用しているので、
睡眠薬を飲んで違う副作用が出るのでは・・・

という恐怖でそれにも手が出せず、
ただ耐えるしかありませんでした。

なかでも鮮明に覚えているのがトイレです。
以前から行くのがいやだったのですが、

その時は目と鼻の先にあるトイレが
何キロも先のように遠く感じ、
床を這うようにして行きました。

便座に座るには、ただでさえ激痛が走っている脚を
曲げるのですから、信じられないほどの痛みです。

しかも、この当時は慢性的な腹痛気味で、
1日1回でもつらいのに、

ろくに食事をしていないのにも関わらず
何度も何度もトイレに行かなければならず、

そのたびに歯を食いしばりながら
トイレに行ったものです。
そのことは、2度と思いだしたくない記憶です。

それから少しずつ痛みは小さくなりましたが、
それでも左脚の激痛は耐えがたく、
ほとんど自分ひとりではなにもできない状況に
なってしまいました。

同級生は新社会人として社会に羽ばたいていくのに、
自分は寝たきり。

唯一の手段だと信じていた病院での治療後に
こういう事態になってしまったので、
もはやどうしてよいかわからず、

「私はこれからどうなってしまうのだろう・・・」
と不安でたまらなくなり、将来を絶望していました。

ギックリ腰からちょうど2ケ月後でした。
外出がまったくできる状態ではなく、
これはもう自分ひとりではどうしようもないと思った私は、
両親へ電話し車で来てもらい後部座席に横たわる形で、
実家へ連れていってもらいました。

それから、実家で両親の世話になることになりましたが、
独り暮らしをさせてもらい大学まで出してもらったのに、
こんな形で実家に戻ることになるとは思ってもいなかったので、

身体の激痛もさることながら、精神的にも両親には
本当に中し訳ないという気持ちでいっぱいでした。

しかも「薬を飲んで様子を見る」以外なにも
できない状況は、これほど悔しいこともありませんでした。

それから自宅で療養していましたが、
いっこうに良くなる気配はありませんでした。

母に作ってもらった食事も、立ち上がることができないので、
うつ伏せになってお腹や胸の辺りにクノンョンを挟んで
上体を少し反るような体勢で、
両肘をつきながら食べていました。

歯磨きも横になったまま行い、
寝ながら水を飲むのが上手くなっていく自分に、
いや気がさしていました。

いっこうに良くならない症状に日に日に不安になっていき、
正直、よからぬことも脳裏に浮かぶようになりました。

なにもできない自分に苛立ち、
心配してくれる両親に当たってしまうことも
たびたびありました。

そして実家に来て1ケ月半ほど経ったある日、
両親が図書館から1冊の本を借りて来てくれました。

それが、五味会長が著した
「骨盤調整法でどんな腰痛も治る」でした。

しかし、牽引という外部からの刺激で
激痛になった経験があり、

その詳しいメカニズムを知らなかった私は、
すぐにその本に興味を示しませんでした。

それから数日後になって、
枕元に置いてあった骨盤調整の本がふと気になり、
読んでみると・・・そこには自分と同じような体験をした
人や、自分に当てはまるようなことがズバリ記されていて、

しかも腰痛のメカニズムがとてもわかりやすく
書いてありました。

痛みを我慢しながら、
夢中で最後まで一気に読みました。

そして、藁をもすがる思いで自然良能会
お電話させていただきましたが、

予約がいっぱいで
すぐには治療が受けられないことを知り、

非常にガッカリして一度電話を切ったのですが、
その数日後、それだけ人気があるということは
確かな効果があるのではないかと考え、

再び電話をして粋が空いたら連絡して下さるようお願いし、
幸運にもわずか数日後の6月に
治療を受けられることになったのでした。

若いうちから身体のことを学んで

不安と絶望の中でようやく骨盤調整に出会って

それは私が、大学卒業を間近に控えた頃でした。
就職を希望していた会社で研修生として仕事をしていました。

重いものを運ぼうと下半身に力を入れた瞬間、
強烈な痛みが腰から左下肢にかけて走ったのでした。

グックリ腰です。

その約2ケ月前にも軽いギックリ腰になりましたが、
湿布薬を貼ったら1時間ばどで痛みがおさまったので、
そのまま毎日湿布を貼ったり、

薬局で市販されている腰痛防止ベルトを付けただけで、
仕事をつづけていたのでした。

しかし、その時とは比べ物にならないくらいの激痛が走り、
全く身動きが取れなくなってしまいました。

そして、会社の方に付き添っていただき、
近くの整形外科へ行ったのですが、
そこで、「腰椎の捻挫」と診断され、

湿布薬と痛み止めの内服薬を処方され、
「しばらく様子を見ましょう」とのことでした。

ひとりでは歩けないので、そのまま自宅へ送っていただき、
しばらく仕事は休ませてもらう形になりました。

処方された湿布薬を貼り、
痛み止めの薬を飲むと痛みは緩和されましたが、
完全に消えることはありませんでした。

当時、私は独り暮らしをしていたので、
痛みをこらえながら家事や買い物をするのに
非常に苦労したことを覚えています。

しかし、なによりも大変だったのがトイレでした。
歩いている時より、洋式トイレの便座に座る姿勢になると、

左太ももからつま先にかけて、
まるで神経をえぐり出されて強く引っ張られているような
耐え難い鋭い激痛を感じるのです。

これは本当につらくて、トイレに行くたびにまた
あの苦痛を味わわなければならないのかと、
いやな気分になりました。

それから1週間ほど経っても痛みが消えないので、
近くの整形外科に行き、レントゲンを撮ったところ、

「多分ヘルニアだと思いますが、
微妙だから違う病院でMRIを撮ってきてください」

と言われ、数日後にまた別の病院でMRI検査を受け、
その結果、「腰椎椎間板ヘルニア」と診断されたのでした。

「とりあえず3ケ月様子を見て、
それで痛みが引かないようなら手術も考えましよう」
と言われたのです。

しかし私は、手術はどうしてもいやだったのですが、
一応詳しい話しを間いてみると、

「痛みの原因である、
硬くなって突出した椎間板を切るのですが、

切った部分を代用するものは現在では開発されていません。
レーザー治療など病院によっても異なります」
とのことでした。

同じ症状で手術の方法がいくつもあるなんて、
(なんだか曖昧な現状だな)と思う回答でした。

しかし、それよりもはっきりと覚えているのが、
医者の話しを椅子に座って間いている時に、
左脚全体が痛くてたまらなかったということです。

それから週3回から4回、痛む左脚を引きずり、
好奇の目にさらされながら、
その病院のリハビリセンターヘ通い、
牽引や温熱療法を受け、内服薬や湿布薬を毎日処方しました。

だが、いっこうに良くなりませんでした。

また週1回はプロック注射も打ったのですが、
これがたまらなく痛く、一度場所を間違えたらしく、
出血がなかなか止まらなかったということもあり、

「このままつづけて、
果たしてこの状態が解消するのだろうか・・・?」
と不安になりました。

痛みを知って健康の大切さを学んだ
骨盤調整を信頼して


今回は、昨年から治療を重ねてきEさんの症例を
報告させていただきます。

Eさんは23歳、それがひどい症状に悩まされ、

Eさん自身も
「不安でたまらなく、将来を絶望しました」
と書かれたように、
苦しみ、呻吟し、ようやく骨盤調整のことを知り、
縁あって自然良能会に来られたのでした。

車で1時間かかりますし、電車でも40分、
そこからバスに乗り換えなければならないですから、
歩くのも苦痛で大変だった状況でよく頑張って
通ってこられたと思います。

それだけ骨盤調整という治療を信頼されたからであって、
ありかたいという思いと共に責任も感じています。

初診時の状態は、ひと目見た時点で重症だなと
いうことがわかりました。

不謹慎な言い方かもしれませんが、
まさに壊れかけたロボットで、
ぎくしやくした動きでそろそろと歩くさまや、
苦痛に歪んだ表情を見て、
いかにつらいかが推察されたのでした。

そして診察を始めたのですが、
問診、触診と進めていくうちに、
これからこの状態を乗り越えていくのには
体質的にも強くないので、

治癒するまでには時間がかかること、
それにEさん自身の努力も必要であることを説明しました。

同時に現在の身体の状況・・・

骨盤の変位からくる身体全体の歪みについても
詳しく説明しました。

Eさんはそんな説明に、
ちょっと意外そうな表情を浮かべたのでした。

骨盤調整の考え方に釈然としなかったのかと思いました。
だが違ったのです。

Eさんはこれまでに病院での治療を受けけたのですが、
症状の説明はされても、

「その症状を治すためにはどうすればいいか」
を具体的に話してはくれなかった。

それを話してくれたのは、
今回が初めてであったとのことでした。

そうしたことは、骨盤調整に携わる私たちにとっては
当然のことですが、それを意外に思ったということが意外でした。

そうして、骨盤調整は(五昧会長がいわれているように)
急性のギックリ腰のような場合なら数回の調整治療で
治ってしまうことも珍しくはないのですが、

Eさんのように悪化させたやっかいな症状は、
やはり相応の時間がかかります。

それだけにできれば毎日通えれば通った方がいいです。
私はそういって、骨盤調整にかかりました。

来所当初のEさんの状態は、いまもはっきりとおぼえています。

仰向けに寝ている時なども、
痛いほうの左足をまっすぐ伸ばしてはおられず、

それでいて(つらい人特有の動作で)じっとしていると
痛くて苦しいので、常に足をモゾモゾさせていたのでした。

一連の治療を終えましたが、
まず少しでも長く同じ姿勢で寝ておられるようになれば、
それだけ楽になっているということだけに留意しました。

この人の治療は、当初はそうした小さな積み重ねから始めて、
次第に効果を加速させていくことだと内心思ったのです。

それからEさんの通院が始まりましたが、
しばらくは目立った変化は認められませんでした。

ようやく右の仙腸関節がはっきりと動くようになったのは、
秋ごろになってからでした。
ちょっぴり安堵したものでした。

とはいっても、かなり負担がかかった状態で
足の激痛になっていただけに、
それだけに簡単に良くなるとは思ってはいませんでした。

れからが「確実に治す」正念場でもある
こと考えていました。

本人は、右仙腸関節がはっきりと動き、
楽になった分だけ左側の重さ、
違和感がよりはっきりしたようであって、
早く左の仙腸関節にも動きがほしいと願っていました。

それが今年の3月下旬に、ついに左も動いたのでした。
いま現在のEさんの状態は、時々足に違和感があるものの、

外見上は健康な人だちとなんら変わらない動きをして、
遜色がありません。

でも、まだ仙腸関節のズレ癖が解消されていません。

慢性化して悪化したものは、
ズレたまま癒着しているので、
矯正してもすぐに悪い形にもどってしまうのです。

Eさんもそうで、きちっと調整しても、
次にくると、もとにもどっているようで、
またピチッと仙腸関節が正しい位置にもどる調整音がします。

難症の患者さんの場合は、一見よくなったようでいても、
こうしたズレ癖のあるうちは

「治っていない」のだから、油断は禁物です。
だからこそ「繰り返し」の必要性を患者さんに
理解していただいて、頑張ってもらわなくてはなりません。

そこを乗り越えれば、体質は確実によくなり、
内臓のはたらきも良好になるし、
呼吸器の弱さも改善していきます。

「正念場」といったのはそのことであって、
ここが骨盤調整の大切なポイントなのです。

その変化が自分でわかると「治った・・・」と思い込み、
すぐに治療にこなくなってしまうケースがよくあります。
そのへんの思い違いをよく説明するのもつとめです。

そうした機微を「峠を越える」そう表現する先生もいます。
まさにその通りだと思います。

峠を越えて下りにかかれば、
完全に治癒するまで次第に加速がついて、
一気呵成にいきますが、

峠を上がりきるまでが大変ですし、
私たちにとっては治療と共に、メンタルな面での
ケアも大切なことなのです。

Eさんは、その点をよく理解して、
日々治療に努めたのでした。

これまでの症状のつらさ、苦しさ、そして治療の経緯は、
Eさんの「治療体験手記」の中に書かれています。

このEさんの症例を見ても、当人の努力は当然のことながら、
ご家族やまわりの人たちのご理解とご協力が
いかに大切かということを、改めて痛感したのでした。