契約問題を初めとする諸般の事情により最終的に閉店が決定した2018年10月31日、たった一人で膨大な在庫とバックヤードにある荷物を3ヵ月で片付けなければならない現実に店主である自分には全く自信がありませんでした。
それでも売り尽くしを目指して2018年11月16日から閉店セールを開催したのは豊富な在庫と集客力があるお店の地力に一縷の望みを懸けたからでした。それから年末まで順調なペースで在庫は減っていきました。
年明けになり残りの在庫が2割を切った頃からお店は小さな奇跡を起こし始めました。残り物しか無いはずなのに売り上げが鈍るどころかどんどん加速し始めたのです。閉店後にレイアウトを直してるとお店から『ウチらの力はこんなもんじゃないよ、最後まで全力疾走で駆け抜けようぜ』と声がしているようで、その事が店は我が子だと思ってやってきた自分にはものすごくツラく悲しかったです。それから閉店日までのお店は自らの最期を悟ったかのように毎日小さな奇跡を起こしながら光り輝きながらとうとう昨日に全ての動きに終止符が打たれました。

こういう結果にはなりましたが自分はこのお店を経営して本当に良かったと思います。たくさんの人々と出会い、時には釣りには関係ない社会問題で激論し、買おうとしている商品の不必要性を訴え売り上げを落とし、そして店主として至らない自分にずっと寄り添ってくれて最後にこんな素晴らしい景色の場所に連れてきてくれて君には感謝しかありません。君は大きな船のようでした。
名残惜しいですが全ての役目を終えた僕たちはもうすぐお別れしなければなりません。

横浜の都筑に量販店とは一線を画したちょっと風変わりな中古釣具店がありました。
人懐っこくて好奇心旺盛な店主、マニアックな品揃えの店内…
たまにこんな店が有ったなぁと思い出して頂く事で僕たちは生き続けることができます。
長い間本当にありがとうございました。
またいつか、どこかで✋


