- もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら/岩崎 夏海
- ¥1,680
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奮闘する青春小説。
高校野球の女子マネージャーのみなみちゃんは、マネージャーの
仕事のために、ドラッカーの『マネジメント』を間違って
買ってしまいます。
はじめは難しくて後悔するのですが、しだいに野球部のマネジメントにも
生かせることに気付きます。
これまでのドラッカー読者だけでなく、高校生や大学生、そして
若手ビジネスパーソンなど多くの人に読んでほしい一冊。
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ネットでちょくちょく広告を見かけていて気になっていた一冊。
表紙が萌え絵だけに店頭で買う時、ちょっと恥ずかしかった…。
挿絵は2ページしかないけどw
この表紙がきっかけで手に取る人と、この表紙が原因で買えない人、
どっちが多いのだろう?
内容的にはビジネス書をストーリー形式にしたようなお話。
読む前は成功法則書をストーリー形式にした「夢をかなえるゾウ」に似た
感じかなと創造していたけど、大体そのイメージで合っていた。
「夢をかなえるゾウ」もそうだけど、僕的には普通のビジネス書に比べて
読みやすいし、印象にも残りやすい気がする。
成功法則書やビジネス書については読む時は「なるほどねぇ~」と
思っていても、月日が経つと内容が思い出せない事がほとんどで
あるのに対して、物語であれば大体の内容は頭に残っているし、それを
ヒントにして書いてあったことも思い出せる。
読む人の趣向によるだろうけど、上のような人って少なからずいると
思うし、そういう意味ではこのジャンルはいい商売になると思う。
今後も増えていくんじゃないかなぁ。
ストーリーも高校野球をテーマとして扱っていて面白かった。
ビジネス書の「おまけ」としてのストーリーにとどまらない面白さが
あるからこそビジネス書的な要素が生きてくるように思う。
野球の話としては公立の進学校の弱小野球部が甲子園を目指すという
王道な物語ではあるけれど、そのための手段を「ノーバント」と
「ノーボール」の2つに絞りそれを徹底していくという戦略が、強豪校を
倒すという結果に説得力を持たせている。
野球の作戦として、非効率でリスキーじゃないかと思うけれども
単純に面白い戦略だと思った。
観客にとっても観ていて面白い野球だろう。
そういえば野球部のマネージャーの名前は「みなみ」か…。
これもある意味王道かな?
みなみが野球嫌いだったり、親友が死ぬ展開についてはどうかと
思うところもあるけれども十分に楽しめた。
あと、女性がプロ野球選手になれないというのは正確には間違いでは?
ナックル姫こと吉田えり選手がいるし。
独立リーグだし、みなみと違って投手だけど。
一般の「プロ野球」であるNPBに限って言えばいないけど。
まぁ、細かい話だと言われればその通り。
あっ!ビジネス書要素についての感想をほとんど書いてなかった。
会社という組織の下っ端にいる僕は、現状マネジメントされる側だし、
現場の仕事を面白く感じているだけに、今後もマネジメントする側に
なりたいという願望は無かったりするんだけど、マネジメントに
よって組織を成長させるのは面白い事だと思った。
もしこの先、マネジメントする立場になった時はこの本を読み返して
みようと思うし、マネジメントされる側としても組織としての方針と
その目的を理解するのに役立つ知識だと思う。
ふぅ、長文になってしまった。
読んでくれた方、ありがとうございます。