別の人にあげたやつ。
「お嬢様は、鳥かなんかになりたいのでしょうか、いつも破天荒でいらっしゃる。
お嬢様が鳥かなんかだとしたら、わたくしめなど、せいぜい、地を這う芋虫かなんかでしょう。
しかし、それを聞いたお嬢様は、
『あんたは桜の木を這いなさい。地面より、桜の木を這いなさい。花が散って、緑になって、ちょっとすれば、でっかい蝶かなんかになりますわ!』
と宣った。
なんと破天荒でいらっしゃる!
こんな卑しいわたくしめを、お嬢様は、一瞬で蝶かなんかにしてしまった!
嗚呼、お嬢様、こんな浅ましいわたくしめも、鳥かなんかになられたお嬢様とご一緒に、
お空を見渡せる日が来るのでしょうか。
すると、それを聞いたお嬢様は、
『あんたは今、一緒になってお空を見渡しているでしょう、本当にお莫迦!』
とお叫びあそばされた。
嗚呼、お嬢様ったら!
わたくしめは、一瞬で、お嬢様とご一緒にお空を見渡すことになってしまった!
春うららかな今日この日、お嬢様とわたくしめは、同じ學國を共に卒業致しました。
実に破天荒な四年間でありました。
それを言ったらお嬢様は、
『あら、この程度で破天荒だなんて、ちゃんちゃら可笑しいですことよ!あんたにはこの先ずっと、あたくしの人生に付き合って頂くのですからね!』
と目配せなさった。
嗚呼、なんて破天荒な我が人生!
こんなお天道様のような笑顔のお嬢様が、こんなさもしいわたくしめの婚約者だなんて!」



