「ダークホルムの闇の君」/ファンタジー | 旧・日常&読んだ本log

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流れ去る記憶を食い止める。

2005年3月10日~2008年3月23日まで。

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ダイアナ・ウィン・ジョーンズ、浅羽莢子訳「ダークホルムの闇の君」

amazonから引っ張った粗筋はこちら
出版社/著者からの内容紹介
別の世界から事業家チェズニー氏がやってきて四十年、魔法世界は今や観光地。だが諸国の財政は危機に瀕し、町も畑も荒れ放題。この世界を救うのは誰か? 神殿のお告げで選ばれたのは魔術師ダーク。彼と妻、一男一女五グリフィンの子供たちまで巻き込まれて……辛口のユーモアを盛り込んだファンタジイ。 解説・妹尾ゆふ子

これ、すごいです。グリフィンに両親の細胞が入ってるから、子供達とグリフィンは兄弟だし、彼らが生きる魔法世界は、ある事業家のせいで、長年に亘り冒険のテーマパーク化されてしまっている。これらの詳しい説明があまりなされないまま(ずーっと設定の説明が続く物語もうんざりだけど。そして、私の読み取りが甘いという可能性も大ですが)、話はどんどん進んでいく。年寄り竜・ウロコのかっこよさや(教え諭してくれる、威厳ある竜って好きだ)、物語としての面白さ、様々な小道具の素晴らしさなど、魅力的な部分が数多。でも、毎度物語に入り込みにくいのはなぜなんだーーー!(ハウル でいまいち、物語に入り込み難かった私)


と、考えていたら、「物語三昧」のペトロニウス さんの所で拝見した、こちらの記事『賢者の石』ハリーポッターシリーズ第一巻/なぜ世界はハリポタに熱狂したのか?② と、その時のコメントが頭を過ぎった(記事は直接リンク、コメントはそのままここに引用させて頂きます)。

<導入部の間口の広がり>天才的な物語作家は、例外なく導入部を間口の広い『誰にでも分かる』か、もしくは『信じられないほど典型的』なスタイルではじめます。そして、「そこ」から読者を感情移入させたまま、深く広い世界に連れ出してくれます。そういう意味では、まさに天才的物語作家なのだと思います。(「ハリー・ポッター」の著者J.K.ローリング氏についての、ペトロニウスさんのコメントより)

この辺りが「ハリー・ポッター」にはすんなり入れるのに、D.W.ジョーンズにはいまいち入り込み難い要因なのかなぁと思いました(「ハリー・ポッター」だって、きっと4巻、5巻辺りから始まると辛いはず)。D.W.ジョーンズは、その分、元々のファンタジーファンにはすんなり受け入れられるけれど、そうではない場合、少し読み進めるのが辛いのかなぁと感じました。何となく、自分の中でのD.W.ジョーンズの攻略法が出来たような気がして、個人的にはすっきり。

しかし、この「ダークホルムの闇の君」は図書館にたまたま置いてあったのだけど、残りの本は図書館になさそうであります。気長に探してみる事にします。 そして、この一冊目を導入部とすると、次作の方が面白そうな感じ(ダークホルムは二部作)。次作の「グリフィンの年」も読んでみたいと思います。

「これより十年ほど、あの脇谷に棲むことにした」ウロコは告げた。「あそこが気に入った。その間に、おまえたち二人に何が何でも魔法を教える。手始めは読心術じゃ。明日の朝、二人とも参れ。小わっぱ、猫鳥、わかったか?」

*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡下さい。ペトロニウスさん、記事中でリンクしたので、トラバさせて頂きました。

著者: ダイアナ・ウィン ジョーンズ, Diana Wynne Jones, 浅羽 莢子
タイトル: ダークホルムの闇の君