先週の日曜の話です。

その日は天気が悪かったので外出する気はなかったけど、長男が出かけたくて荒れて荒れて。

ちょうど、短時間で終わる仕事(現地調査)が入っていた旦那の車に乗せてもらって、旦那が仕事をしている間、現場近くの公園で遊ばせることにしました。


ちょうど雨が上がったばかりで、子どもは誰もおらず貸し切り状態。ただ、遊具もその周りの地面も完全に雨で濡れていて、心置きなく遊べるかというと微妙…散歩していたおじいさんが、

「すべり台は濡れてるから滑ったらいかんぞ〜」

と教えてくれましたが、その声は長男に全く届かず。一応私も、

「滑らないよー!」

と叫んでみたけど、長男は迷いもなく遊具を駆け上がり、すべり台を滑り下ります。水のおかげか?いつもより加速もついて、しかも着地箇所には大きな水たまりもあり、さながらウォータースライダーのよう。まぁ真冬だけど。

「ありゃりゃ、だから言ったのに…」

と、おじいさんは去っていきました。


掛けられた言葉もやってはいけない意味も分からない長男。でも、黙っていれば普通の5歳児に見えないこともないので、こういうことはよくあって。いろんな人をびっくりさせてます(笑)

こうなることを見越して、着替えを持ってきていたのでいいか。


長男はご機嫌で、今度はロープでできた長い吊り橋を渡りだします。ところが、途中で足がすくんでしまったのか動けなくなりました。

足場が不安定だから大人が抱えて連れて行くこともできないし、渡りきる以外に降りる方法はありません。私が正面から手を伸ばし、一生懸命声を掛けると、怯えながらも本当にゆっくりと動き出しました。


雨がやんでしばらくしたからか、ちょうど他の親子が公園にやってきて。長男よりも少し小さめの子が、長男が立ち往生している吊り橋を軽やかに上ってきて、すぐ後ろまで来ました。焦る私。

「ごめんね、ちょっと待っててね」

と言って、長男を励まします。吊り橋はとても狭く、長男は端に寄ることもうまくできないので、追い抜いてもらうこともできません。

その子は少しいらついた様子。無理もない。親の私も見ていてじれったくなるくらい牛の歩みだから。そしてついに、

「邪魔だよ、ジャマ!ジャマ!」

と長男に向かって言い出しました。

その子のお母さんは気まずそうに、

「先にお友だちが渡っていたんだから、そんなこと言っちゃダメ!」

と吊り橋の下から注意してくれます。なんだかすみません、という気持ちになります。


でも、長男はその子から「邪魔!」と言われた時、とても嬉しそうにニコニコしていました。全く焦る様子もなく。後ろでなんか楽しそうにリズミカルにしゃべってるなぁと思ったのかもしれません。言葉が分からないから、ね。


その子は最後まで辛抱強く後ろで待ってくれました。手を出すことも怒鳴ることもなく。きっと「邪魔!」と言うことで長男を急かしたかっただけだろう。まさか自分より大きな子が、言葉を理解できないなんて想像もできなかったと思う。


降りたあと、

「ごめんね」

と声を掛けました。申し訳なかった。


障害とか差別とかそんなの関係なく、純粋に遊具の上で邪魔だったんだと思います。ただそれだけ。


それなのに、何だか私の心に刺さってしまった。だって本当に邪魔だと思うから。

子どもがたくさん来る公園は、それなりに迷惑をかけないように、場の雰囲気を読みながら遊ぶものだもの。

邪魔!と急かされても、ニコニコと何も理解できず笑う我が子を見て、もう完全に違う世界にいるな…となんとも言えない気持ちになりました。

もうじき年長さんなのにね。


まぁ、ある意味本人は幸せなのかもしれません。