しばらく、ブログを書く気が起きませんでした。

義父が亡くなったあと、用事や後片付けに追われて忙しかったというのもあります。でも、一番の理由は気が抜けてしまったんだろうと思います。


この数ヶ月、子ども二人と義父を中心に私の生活は回っていました。とても大変だった。でも、私なりに懸命にやりきったという自負はあります。


ちょうど肌寒くなり、一気に秋めいてきました。

その気候ゆえか、義父のいない世界はどこかものさびしく感じられます。夜は悲しくなり、泣けることもあります。もうどこを探してもいないし、二度と声が聞けないんだな。人がいなくなるって、何度経験しても不思議です。

でも義父のお世話をしなくていい生活というのはとても楽だというのも、本音です。


私自身はひどく悲しんでいるわけではなく、ホッとしたような思いもあります。それだけ、障害児育児と介護の掛け持ちはキツかった。どちらも先が見えないからね。

相変わらず不眠はありますが、うつ症状は改善しつつあります。こうやって書くと、なんだか薄情な感じかなぁ…。


旦那は仕事をバリバリしているし、一見普通に見えますが、実はずっと体調がよくありません。夜も眠れてないみたい。

旦那には宗教絡みの特殊な事情があるため、ほとんどの親族とは絶縁状態。年老いた父だけが唯一の肉親でした。

旦那には妻子(私と子どもたち)がいるから天涯孤独ではないけれど、もう昔の思い出話ができる親族はこの世にいないという意味では一人になってしまったという思いが強いんだろうなと、見ていて心配になります。


***


義父の葬儀の後、児童精神科の受診がありました。長男は連れてこなくても大丈夫と言われていたので、私一人で向かいました。


先生に義父のことを話すと、とても心配してくれました。すべて話さずとも私の気持ちを汲んでくれて、

「泣けないとか、ホッとしてしまうとか、そういった気持ちになっても決して自分を責めないでね。義理の親御さんだからまたいろんな思いがあると思いますし。今は長男くんのことも頑張らないで、園や児発にどんどん頼ってください」

と気遣ってくれました。


義父の死の前後、長男が食事を取らなくなりじっとしていたという話を先生にしたところ、

「いつもと違う雰囲気を察知していたのかもしれません。でも僕は、おじいちゃんが来ていたんじゃないかと思いますよ。こんなこと医者が言うのもなんですが、実際にそういったことはあるので」

と言われました。先生の心遣いが嬉しかった。

「私もそう思います。そう思いたいです……あの、もしまた食事を取らなくなったらやはり受診したほうがいいんですよね?」

「そうですね。まず小児科に行ってください。食事は1日2日食べられなくても大丈夫だけど、水分は取れなくなったらすぐ受診してくださいね」

「そういう場合どうなるんでしょう?」

「とりあえずお腹の薬など出ると思います。あと、水分が取れないなら点滴かな」

「長男みたいな子って点滴できますかね…」

「うーん、そこは頑張って押さえておいて、みたいなことになると思います」

無理だろうな…絶対点滴の針抜いてしまうわ…


「小児科で診てもらっても原因が分からない場合は精神科で診ます。昔は、長男くんのような(知的障害が比較的重い)子どもはうつ病にならないとされていたんです。でも僕が昔見た子なんですが、小学校中学年で発語なしの男の子、やはりまったく飲食しなくなって入院したんですね。で、抗うつ薬を投与したところ急に食事できるようになりました。だから、このような子でもうつ病になるという可能性はあります」

もちろん長男は5歳なのでまだ使える抗うつ薬はないだろうけれど、成長した時のことを思うととてもためになるお話でした。

ま、そういう事態にならないことを祈るしかないというのが結論だけどね。


***


長男は葬儀のあと、メンタルがどんどん安定していきました。あの食べない日々は何だったのか?と思うほどの気持ちいい食べっぷりも見せており、偏食も少しずつ和らいできました。


そして、ちょっとびっくりした嬉しい出来事も。

なんと、長男が園で先生に向けて手を振ったそうです。ちゃんと、先生の顔をしっかり見て、にっこり笑って手を掲げ、左右に振っていたと。

「逆さバイバイじゃなくて?」

と思わず聞く私。

「いいえ、普通にしてましたよ〜」

「えー、バイバイは生まれて初めてです!」

にわかには信じられないけど、ちょうど数人の先生や他の園児たちも目撃していたので、見間違いではないみたい。


長男はここ半年くらいで、手を掲げて行ってきますやさよならのタッチはできるようになってきていました。しかも、ちゃんと人の顔や目を見るんです。

最近、自閉症らしからぬと言っても過言ではないくらいよく目が合います。そしてニッコリと笑いかけて顔に触れてきます。


そして、いくつかの単語を理解しているような素振りも。「積み木片付けて」「プラレール箱にしまって」と旦那が口頭のみで指示したところ、その通りに片付けました。教えたわけでもないのに、それぞれ所定の位置へ。普段私が片付けているのを見て、配置を覚えていたんだろうな。

長男のお手伝い、とても嬉しかったです。本人は嫌そうでしたが、ご飯が食べたくてやってました(笑)

ちなみに「車に乗って」「靴履いて」などは(分からない)というような困った顔をしていました。聞き取れるのは本当に数単語のみかな…でもきっといずれは理解できる日が来るだろうと希望を持てそうです。


発語も指さしもなく、要求はクレーンのみで、知的障害はかなり重い長男。でも、人を意識したり指示を聞こうとしたりと、自閉度はそこまで重くないのかな?なんて思ってみたりも。

まぁ、常同行動はかなり激しいのでガッツリ自閉症であることに間違いはないけれど、こだわりもあまりなくて、切り替えもかなりできるので扱いやすくなってきました。

感覚過敏もなくなってきて、弄便もしなくなりました。



最近の成長と、義父の介護が終わったこと、私の体調も上向きになってきたことを考えて、長男のショートステイ利用はひとまず見送ろうかなと思っています。


思うことはいろいろあるけれど、前を向いていかないとね。義父もそれを望んでくれていると思うから。