こんにちは。

売上を上げるための

ビジネスチームビルディングファシリテーター、

Diceです。(プロフィールはコチラです) 

 

「社員のロイヤルティを高める為にチームビルディングをやりたい」

 

以前、社員数30人ほどの会社の

社長から言われた言葉です。

 

年齢は60歳手前くらい。

叩き上げ感バリバリで見た目も

声も発する言葉も「ザ・ワンマン」

といった感じです。

 

「ロイヤルティを高めたいとはどういう意味でしょうか?」

 

と質問した僕に対して、

社長は「そんなことも分からないのか」

と言いたげに鼻でフフンと笑い、

続けてこう言いました。

 

「社員が会社にロイヤルティを持つのは

あたりまえのことでしょう?

会社があるから働けるのだし、

給料をもらえる。

だからこそ会社に対して忠誠心を持ち、

懸命に働くことで、社員は安定した生活を

送ることができるんだから!」

 

僕の疑問は更に深まります。

 

「なぜ社長の言うところの『ロイヤルティ』を

高めるためにチームビルディングなのですか?」

 

社長は苛立ちを隠さずに言います。

 

「そんなものはアンタ、

野球でもサッカーでもそうでしょう!

『監督の言うことは絶対!選手は逆らってはならない』

って決まってる!」

 

うーん・・・

イマイチよく分かりません。

 

なので追加でこんな質問をしてみました。

 

「御社でチームビルディングが上手くいくと、

会社はどのように変わっていると思いますか?」

 

すると社長は目をキラキラさせながらこう言いました。

 

「そりゃアンタ、社員が辞めなくなるよ!

それに新しい人も雇いやすくなる。

『チームワークがいい会社』ってなれば、

人が採りやすくなるでしょう?

そして何よりも、社員が忠誠を尽くして

仕事に熱心に打ち込むようになる!

そうなれば利益だって増えるんだから!!」

 

これを聞いて、その会社が今抱えている問題は

 

・人が採用できない

・採用してもすぐ辞める

 

というところだと分かりました。

 

この社長の言っていた「ロイヤルティ」という言葉。

日本語では「忠誠心」と訳されますね。

 

「忠誠心」というのは上下関係を前提とした

考え方です。

 

会社、社長が上。

従業員、社員は下。

社員が会社に対して忠誠に働く。

 

この前提ではチームビルディングをやっても

チームにはなりません。

 

常にリーダー依存の形成期のまま、

グループで居続けることになります。

 

しかし「チーム」の場合はそうではありません。

上下関係ではなくお互いが同等、対等の価値があり、

互いをどれだけ尊重できるか?がチームとして

力を発揮する上の鍵となります。

 

そして、お互いが同等・対等の価値があると

認め合うことを「エンゲージメント」と言います。

 

婚約指輪をエンゲージリングと言いますが、

エンゲージ=婚約をするということは、

婚約をする者同士がお互いを信頼し、

尊重し、それ故に永遠に愛を育んでいく

約束をすることです。

 

言わば 

 

"両想いの完全版" 

 

といった感じでしょうか。

 

ですので、それだけ関係性が

深くなるわけです。

 

同等、対等、尊重、敬意。

 

エンゲージにはこういったものが

含まれるんです。

 

今や価値観は多様となり、

上下の関係で上から一方的に

忠誠を求めるという考え方は

敬遠されるどころか、

場合によってはSNSなどで

炎上するような時代です。

 

社員にロイヤルティを求めるような会社で

働きたいと思う人は、相当少ないと思いますし、

若い人であればあるほどいないと思います。

 

会社も社員も同等・対等に価値があり、

互いに信頼し、リスペクトできる

関係性でいるほうが、

自然と会社に対する愛着心や仕事に対する

誇りが育ちます。

 

それを加速するためならば、

チームビルディングは

うってつけだと思います。

 

しかし、この社長のような考え方の下では、

チームビルディングをやっても「指示・命令形」の

ヒエラルキーが維持されてしまい、

 

「会社に忠誠を誓え!!」

 

とトップダウンで命令されるだけ。

 

チームになることは叶わず、

人の定着も難しいでしょう。

 

チームに必要なのは

ロイヤルティではなく

エンゲージメント。

 

正しく言葉の相違を理解して、

素敵なチームつくりをしてくださいね♪

 

あ、ちなみにその社長さんの会社の

チームビルディングは引き受けてません。

 

「社長のカリスマでやっていけば大丈夫ですよぅ」

 

って言ったら、

メッチャ喜んでました。

 

本日も読んで下さり、

ありがとうございました。