おはようございます。

売上を上げるための

ビジネスチームビルディングファシリテーター、

Diceです。(プロフィールはコチラです) 

 

先日、とある会社の課長さんと

90分にわたりお話する機会がありました。

 

その方は弱冠30歳で、

直属の部下が10数名いらっしゃいます。

 

僕はその課長さんのメンター的な存在で、

時折、「雑談したい」という声掛けをもらって

日頃の困っていることだとか、

考えていることなどを聴かせてもらってます。

 

基本的に僕は聴くだけで、

たまに「Diceだったらどーする?」

と尋ねられた時だけ、

僭越ながら僕の考えを述べます。

 

今回の課長さんのお悩みトピックは、

「部下が期待したように育っていない」

というものでした。

 

なんでも、ご自分が部下の立場にいた時に

普通にやっていたこと、出来ていたことが

自分の部下は出来ておらず、

「なんでこんな事が出来ないんだ~!」

っていつも歯がゆい思いをしているそうです。

 

この課長さん、とても真面目ですし、

僕と違ってとてもロジカルに

物事を考えられます。

 

部下に対しても真摯に向き合っているので、

部下の成長を願い、期待し、

故に育成について頭を悩ませています。

 

この課長さんの様なお悩みを持っている

マネジャーはたくさんいると思いますが、

ぶっちゃけて言います。

 

期待しないで下さい。

期待するだけムダです。

 

 

 

と、こう言ってしまうと

身も蓋もないですね。

 

僕がお伝えしたいのは

次のようなことです。

 

基本的に人はやりたいことしか

やりたくありません。

 

人は人と違うから、

やりたいことも人それぞれです。

 

「これをやれ!」

 

と言われてやっているのは、

やりたくてやっているのではなく、

従わないと不利益があるからです。

 

自分がやりたくない事は

やらないで済むならやりません。

人間ってそういう生き物なんです。

 

ですから、マネジャーが部下に対して、

 

「こうなってもらいたい」

 

と思っても、

そもそもマネジャーの「やりたいこと」と

メンバーの「やりたいこと」が違いますから、

マネジャーが期待したところで

そうはならないんです。

 

だから「期待はムダ」なんです。

 

じゃあ、どうしたらいいのか?

という事になりますよね。

 

僕がこの課長さんに問いかけたのは、

 

「あなたが見てきた景色を、あなたの部下は寸分違わず見る事ができますか?」

 

というものです。

 

この課長さんは優秀です。

 

課長さんが自分の部下の立場だった時、

会社が過渡期だったこともあり、

分からなくても自分で判断・決断して、

色んな事を前に進めなければならなかったそうです。

 

ですので今の自分の部下に対しても、

そういった成長を求めて、期待しています。

 

しかし、部下のからすればその時期を知りません。

 

部下は課長さんから言われていることを

懸命にやっていますから、

なんでそんなことを言われるのかが

分かりません。

 

つまり課長さんが見てきた景色は

部下は一生見る事は叶わないのです。

 

登山好きな人がどれだけ

登山の素晴らしさを語っても、

登山好きな人と同じ感覚の共有は

一緒に登山をしないと分かりません。

 

それと同じことです。

 

登山と違うのは、

登山は行こうと思えば行けますが、

課長さんの過去へは行こうと思っても

行けないというところです。

 

と、なると、件の課長さんが

いまここで出来ることをする必要があります。

 

例えば状況に応じた判断の基準になるものを

ナレッジバンキングしておくこと。

 

手順書をつくっておくこと。

 

こういったものです。

 

マネジメントとは部下をコントロールすることではなく、

部下が働きやすく、良い結果を出しやすくするための

環境をつくることです。

 

そして環境をつくったら、

成長を期待するのではなく、

「楽しみにする」のです。

 

期待は相手が自分の「望むこと」を

するのを望むものです。

 

しかし冒頭でも述べたように、

人は基本的に自分のやりたいことしか

やりたくありません。

 

であれば、部下の成長を

「楽しみ」にして、

自分も一緒に楽しんでしまいましょう。

 

ちなみにその課長さんは

部下の中でも最も

パフォーマンスの高い人に

仕事における判断基準や

各種ナレッジを直接伝授して、

その部下の人が他の部下に

伝え広げていけるような

環境をつくり始めたそうです。

 

こなれてくるのは数カ月先でしょうが、

いつかどうなったのかを聴けるのを

楽しみにしています。

 

本日も読んで下さり、

ありがとうございました。