以前鍼の治療を受けるときに、鍼の先生が、「治療を受けているうちに、そういえばこんなことが最近なくなった、あんなことがなくなった、とか知らない間に気になる症状がなくなってきます」、と先生がおっしゃっていましたが、この前子供がふと、「最近勉強しても眠くならなくなってきた」
と言いました。
確かに以前は、ちょっとは勉強もしてよ、と言うと、渋々始めるのですが、始めると10分もたたないうちに眠そうな目になってきて、こちらがいくら怒っても効き目がなく、まるで体が防衛反応でも起こしているかのように寝てしまうので、全然勉強が進まず呆れてしまうことがよくありました。
勉強が嫌いだから、退屈だから寝てしまうのかと思っていたのですが、あまりにもひどいので何か原因があるのかとネットで検索してみると、他にも喧嘩を始めると必ず寝てしまう、という人もいました。
 精神的ストレスが原因かと思っていましたが、勉強は相変わらず大嫌いなので、眠くならなかったのは別の理由があるのだと思います。
 
そして、先日、「脳が壊れた」(鈴木大介さん著)という本が気になって読んだのですが、その中で、やはり眠くなるのは脳の機能が上手く働いていないためなのではないかと思うことが書いてありました。
 
 著者の鈴木大介さんは取材記者をされていて、社会的弱者の取材を主にされているのですが、41歳で脳梗塞を発症し、高次脳機能障害が残ってしまいました。
この本にはそのリハビリの闘病生活やご家族のことが書かれています。
 
 先ほどの睡魔に関する話ですが、鈴木さんは漫画が読めなくなってしまったそうです。コマを追って台詞を読んでいてもストーリーが繋がらなく、必死に集中してもわからなくなり、睡魔が襲ってくる、というのです。
 
鈴木さんが発症する前、取材した貧困女性を取材したときに、書類関係の記入を始めさせると爆睡してしまう人が多かったそうで、その時は医者から処方されている精神薬のせいだろうと思っていたそうなのですが、自分が障害を持ってから考えてみると、これは極度の神経疲労、認知判断力や集中力が極端に落ちていることが原因なのではないか、と書かれていました。
 
その他にも鈴木さんが脳梗塞後になってからの困った症状で、発達障害の症状と共通すると思うことが書いてありました。
例えば、
・目を合わせることができない
 特に話したくない相手と話すときなど、感情面の影響も受ける。
    →脳の障害により右側に注意が傾くため
 
・注意欠陥
 次々に見るものに興味を持ってしまって、散歩すると拾ったものでポケットがいっぱいになってしまう。
・両手に荷物を持つとパニックになってしまう。(荷物を下せば手があく、などが考えられない)
   →物事に優先順位がつけられず、集中すべきではないところに集中してしまうため
 
鈴木さんはリハビリによってかなり回復されたようですが、こういったリハビリを発達障害にいかせないだろうか、とおっしゃっています。
 
 リハビリ内容についても少し書かれているのですが、医療としてのリハビリはどんなことをしているのかもっと知りたくなりました。
 
高次機能障害の実際の世界を、なかなか当事者でないと説明できないような状況をわかりやすく、しかも面白く説明してくれています。なんで普通のことなのにできないんだろうと健常者はつい思ってしまいがちですが、そうではないんだ、ということがわかりました。
一読をお勧めいたします。