石鹸の製造販売はプロにまかせろ その2 | 手づくり石けんの店ツクツクblog

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【石鹸の製造販売はプロにまかせろ その2】


「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」は「薬機法」または「医薬品医療機器法」などと略されます。

昔は「薬事法」のたった3文字の法律だったのに、長ったらしい名前になってしまったと面倒に思うだけでしたが、最近、皆さんに説明する為にこの本当の名前をよく読んでみて、なるほどなぁと感じています。

この法律は「医薬品等」の運用などを定め、保健衛生上の危害の発生や拡大の防止を目的とした法律だそうです。ここで「医薬品等」とは「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」「医療機器及び再生医療等製品」の4つを指します。

化粧品だけにスポットを当てて読んでみると「化粧品の品質や有効性や安全性を確保することに関する法律」。ということで、製造・販売・譲渡・安全対策まで規制し、その適正化をはかることが目的の法律だそうです。

そのために厳しい広告の規制もあります。医薬品等の人体への影響を踏まえ、過剰な広告によって、それを見た一般消費者が誤った認識を持つことを防ぐためです。

化粧品の効能効果の範囲は56個で(検索するとすぐに出てきます)、その程度の広告表現しかできないことになっています。56の効能効果を見るとわかりますが、化粧品には効能ってほとんどないものです。なので「荒れ肌が治る」とか「アトピーが治る」とかは化粧品ではあり得なくて、それらは医薬品の効能になります。「すごい効果!」とかも化粧品ではあり得ません。化粧品の材料に関する効能も同様です。

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薬機法 第2条(定義)
3 この法律で「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。
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様々な言い換え表現も考えられていて、有名なのは「アンチエイジング」は薬機法違反になるが「エイジングケア」はOKなど、いろいろあるようです。

私が化粧品の業許可を取得した時、ホームページやリーフレットの商品紹介文が大丈夫なのかどうかとても不安になりました。調べてもとても調べつくせるものでもありませんので専門家に頼んだこともあります。大手化粧品会社のテレビCMなどは専門の部署で一言一句慎重に検討しているのでしょうし、新しい広告表現が見つかった時には大ヒットするような世界ですよね。

なので当店ではスタッフに「薬事法有識者会議認定 コスメ薬事法管理者」の資格を取得してもらい、ウェブサイトやリーフレットの広告表現のチェックをしてもらっています。

今までにそのスタッフから指摘された項目を挙げてみると

「高級なせっけん」→「高級」という表現は削除。
「コールドプロセス製法は最もお肌のことを考えた製法と言えます。」→「最も」は削除。
「一般的な石けんはグリセリンが含まれていない」→他社製品、他製法との比較は削除。

えーっ、こんな事も言えないの?と文句を言いながら文章を作っています。本当のことなのに、実験結果があるのに、と嘆いてもそういうことは言えないのです。

ところで医薬部外品は「薬用」のことで、「肌荒れ・荒れ性」「にきびを防ぐ」「日焼けによるシミ・ソバカスを防ぐ」「皮膚の殺菌」などに有効な成分が配合されているものです。医薬部外品は化粧品よりも数段厳しい材料基準や広告規制があります。最近では新型コロナウィルスに効果があるなどと謳っているものは医薬部外品とみなされています。

広告文によって、無許可での化粧品製造販売、無許可での医薬部外品製造販売、無許可での医薬品製造販売として罰せられないよう気をつけないといけません。

たとえ雑貨などと表示した石鹸でも、手洗いや浴用に使うことをほのめかしたり、新型コロナに効果がある事をほのめかしていれば、無許可での化粧品・医薬部外品製造販売とみなされます。2021年2月1日朝日新聞DIGITALで書類送検された方のニュースを読めます。

ちなみに第2条に、化粧品とは「身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの」とあります。これは人の肌に直接塗ったり、ふりかけたりするもので、そういうものが化粧品とみなされます。クリームや化粧水、入浴剤などは化粧品であり、これらに雑貨という表現はあり得ません。

〈続く〉

※今日の画像は市販の無添加せっけんから作った透明せっけん。せっけんの分子について考えてから透明せっけんを作る講座です。

【化粧品製造業・製造販売業取得支援講座】

次回は4月下旬に開催予定。詳細はプロフィールのlinkt.reeまたはwww.tsukutsuku.comから。お気軽にお問合せください。