包丁研ぎ師月山の包丁研ぎ磨ぎブログ

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人として包丁研ぎ師としての日常や発見、気づきなどを書いています。

目指すは包丁研ぎ世界一。みなさんに少しでも刃物に興味を持っていただければ幸いです。

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皆様今年も大変お世話になりました。


 


毎年充実した一年でありますが、今年は「縁」に恵まれたと感じる一年であったと思います。


 


協会、イベント、削ろう会、研承、東京講習で多くの縁をいただきました。


 


 


 


今年の1月4日に一般社団法人日本包丁研ぎ協会JaHTAが設立し、運営からイベントまで当協会の理事、監事に多大な協力をいただいております。


 


切ろう会通信科、研ぎサミットも多くの方々にご参加いただきとても嬉しくありました。


 


理事、監事との出会いも縁であり、またイベントを通して交流ができたことにも縁を感じております。


 


 


 


削ろう会では研承や天然砥石を通して競技者の方々との交流をさせていただきました。


 


砥石と向き合ってきた時間が削りストの方々との交流を有意義なものとしてくれました。


 


追求する刃物は違いますが、最終的に上る山が近いと感じさせていただけたことはとても意味がありました。


 


 


 


東京講習では有名な料理人の方に受講していただけたことが大きな分岐点となりました。


 


知り合った料理人の方々から大きなチャンスをいただいたのです。


 


熱意ある方々との交流はこちらが触発されることが多々あり、行動の大切さはもちろんスピード感が大事と感じます。


 


1年は365日ですが、すぐ過ぎ去ってしまいます。


 


10年でもたった3650日しかありません。


 


やりたいことはもちろんですが、やらなければならないと感じるミッションをやり遂げるにはミッションを細分化し目標設定して、日々こなしていくことが大事だと感じています。


 


とにかく行動し、チャンスを生かし形にする。


 


それが恩返しになると考えております。


 


 


 


この一年の中でいろいろ考えることがありました。


 


講習を受講された方は研ぎができ、日々の研鑽で上達もしていくと思います。


 


教え子の高校生の一人はかなり研ぎが上手くなり、正直現場の料理人でもここまで自分の包丁を仕上げている方はほとんどいないでしょう。


 


では私は何をしなければいけないのか?


 


やはりさらにレベルが高い研ぎをすることが大事だと思います。


 


そういった思いに行きついたのも研承という砥石を製造したことがきっかけでもあります。


 


今までできなかったことや包丁や砥石の訴えに気づくことが難しかったことにいち早く気づくことができる砥石になりました。


 


その分、今までに比べて時間がかかるような研ぎにもなってしまいましたが、さらに研ぎへの理解が深まることにもなりました。


 


そしてさらなる精密さを求めた歪取にも繋がりました。


 


 


 


これは削ろう会の削りストの方々との交流が精密な研ぎをする後押しになっていると感じています。


 


削ろう会は鉋で木材を削り、出た鉋屑の薄さを競う大会です。


 


数ミクロンの厚みを競うわけですから、それだけの精密な研ぎや台の調整が求められる世界なのです。


 


では包丁では必要ないのか。


 


仕事だから効率よく作業をすることは大事だとは思います。


 


しかしできるけどやらないのとできないのでは意味が違いますし、何より異常があるのがわかっているものを見て見ぬ振りができないのが一番の理由かもしれません。


 


そしてそこから逃げていることでいつまでたっても技術は上がらず、研ぎ師としての幅も広がらないと思うのです。


 


食材を切るということは細胞と包丁の刃先の鋭利さや接地面の抵抗や角度などの問題になるでしょう。


 


切れ味で味が変わるということは間違いない事実であり、そうなる原因が細胞レベルの問題である可能性があるのであればやはりそのレベルの調整が必要だと思うのです。


 


鉋が切れていても台が曲がっていては薄さは出ません。


 


食材を傷めず切るというミクロレベルの世界では、歪を取り良い形に研ぎあげた上で刃を付ける、そのようなことなのではないかと思うのです。


 


 


 


ただ歪取は時間がかかることがあります。


 


大抵歪を取ってからすぐ研ぐのですが、包丁によっては時間との経過で歪がまた出てしまうこともあるのです。


 


新品の包丁であっても同じで、歪を取っては少し寝かし、時間をかけて安定させていきます。


 

病気が進み、常連のお客様の依頼品の名工の柳刃を無理を言って長時間お借りし、精密な歪取と研ぎに挑戦させていただきました(笑)

 


とりあえず変人な私ですが、この研ぎ技術を必要としてくださる方がいるのであれば、その方が輝けるような下支えとなれればと思っています。


 


 


 


協会としては来年はまず切ろう会通信科をしたいと思います!!


 


ご案内するのでご興味がある方は是非心の準備をお願いいたします(^-^)


 


講習としては研ぎ初心者の方々への研ぎ講習を主要都市でできればと思っております。


 


そしてフランスへ行き講習をしたいと思っております。


 


2月にまずドイツとフランスに行く予定です。


 


また料理人の方々と積極的に交流し、新しい料理の可能性があるのであればその協力をしていきたいと思います。


 


協会としては研ぎから得られる喜びの発信とともに研ぎ文化の可能性も探ってみたいと思います。


 


 


 


個人としてはさらなる研ぎの研鑽と切れ味の研究、そして機械研磨の可能性の追求がテーマになりそうです。


 


設備投資をして刃付が一からできるようになりました。


 


目的は人造砥石と天然砥石の違いを探すのと似ているかもしれません。

 

機械研磨でしかできないこと、手研ぎでしかできないことを明確にし、新しい自分なりの工程を探すというのが目的です。


 


 


 


ただただ文章ばかりで読みにくい挨拶となりましたが、皆様本当に一年ありがとうございました!!


 


多くの方々との「縁」があって私があると感じた一年でした。


 


是非皆様、新年もよろしくお願いいたします<m(__)m>