ジブリ最新作『君たちはどう生きるか』を2回ほど見てきました。

 

2回見ると少し考察してみたい部分が整理できたところがあるので、まずは素朴な疑問と関連情報を書き連ねてみたいと思います。

 

この辺りの分析ができたら理解が進んでくるのかな、と思ったり。

 

以下、ネタバレ含むので見たくない人は注意。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【以下、ネタバレ含む記載】

 

1 ナツコはなぜ塔に行ったのか

・夫婦仲は問題なさそう

・お屋敷では戦時中でも裕福な家であり、生活上・出産上の不都合はなさそう

・新しい家族(眞人)との距離感

・眞人のため弓矢を放つシーン

・お屋敷の中で、つわりが酷いとの描写

・眞人のケガを撫でて、お姉さまに申し訳ないとのセリフ

・大叔父様は石との契約に基づき、自らの血縁者から跡継ぎを探している

・行きたくて行ったわけではなさそうとの描写

・ナツコは塔の産屋で寝ている

・石の主によって保護されている

・インコは、赤ちゃんがいるナツコは食べられないが、赤ちゃんのいない眞人は食べようとする

 

2 ヒサコとキリコはなぜ下の世界にいるのか

・ヒサコは現実世界で1年ほど行方不明だった。帰って来たときにはニコニコしていた。との描写

・ヒサコはヒミの名前で下の世界にいる

・ヒミは火を操れる

・ヒミは一軒家でパンを焼いている。パンの味は現実世界の眞人の母(ヒサコ)の味と同じ。との描写

・キリコが昔、現実世界で行方不明になったとの描写はない

・塔の世界のキリコはずっとここ(下の世界)にいると述べたが、ラストはヒサコと一緒に扉をくぐる

・扉を出ると下の世界の物を持っていないと記憶がなくなる

・ヒサコは塔の世界にいたのは子供時代。眞人を生むために現実世界に戻る

・下の世界では眞人の周りにおばあちゃん達の人形があり、眞人を守っている

・現実世界のキリコの姿の人形もある。眞人は下の世界のキリコからお守りとしてもらう。キリコ人形は、現実世界に戻るとおばあちゃんのキリコの姿に戻る

・キリコは塔に入ろうとする眞人を止めたり、自分は行きたくないと述べており、眞人を守るために一緒に入ったのではなさそう

・現実世界のキリコは館の主の声は私には聞こえませんと述べる

 

3 下の世界は何なのか

・石は維新の前頃に突然落ちてきて、塔を作った

・塔は扉によってあらゆる時代、場所とつながっている

・大叔父様は石との契約があると述べている

・積み木によって世界は安定し、積み木が崩れると世界は崩壊する

・積み木には、悪意に染まっていないものと、悪意に染まった積み木があり、大叔父様の積み木は悪意に染まっている

・悪意に染まっていない積み木の数は13個。3日に一度積むことを求められる

・下の世界には、海らしき水面上に沖を移動する船が幻影として見える

・住人らしき人は個性のない姿(黒くドロドロした体表)をしており、生き物を殺すことができない。その代わりに、キリコが魚を殺して住人らに分けている

・食料になる魚が少ない

・ワラワラは下の世界で食事をして、上の世界(現実世界)に向かって螺旋状に飛んでいき、人間になる(生まれる前の魂)

→DNAの二重螺旋構造を彷彿とさせる

・ペリカンはワラワラを食べる存在

・ペリカンはどれだけ高く遠く飛んでも島に戻って来てしまう

・アオサギの羽を持つことによってペリカンは眞人を食べることができない

・アオサギは現実世界の塔の入口の壁画に描かれている

・インコやペリカンは大叔父様が連れてきたとの描写

・すでに塔(石)の中はインコでいっぱいであり、インコは一族を作っており、インコ大王がいる

・インコは世界の崩壊を止めたがっており、大叔父様と交渉するためにヒミを捕らえる

・塔の上層らしき場所は、インコにとって天国であり、ご先祖様がいた地とされる

・大叔父様は現実世界を悪意の場所と述べ、眞人に積み木によって平和な世界を作れという

・石には感情のようなものがあり、他者が触れると反応(電撃など)する

・眞人は自分のケガを悪意と述べ、積み木を断る

・インコ大王が積み木をたたき割ると、下の世界が二つに割れて崩壊を始める

 

4 アオサギは何者か。どうして眞人を呼んだのか

・アオサギは、アオサギの姿と人間っぽい姿の二つがあり、姿を変化させられる

・最初は母親に会いたくないのか、会わせてやろうと述べ、眞人を塔に誘うアオサギ

・塔の主(おそらく大叔父様)から眞人を下の世界に案内するよう言われると、そこから先は一緒に行動したくない様子になる

・館の壁画にアオサギの絵がある。

・嘴が矢で傷つくと、アオサギの姿に上手く戻れなくなり、上手く飛べなくなる

・他の鳥は下の世界から現実世界に出るとただの鳥に戻るが、アオサギは変わらない

・アオサギは噓つきとの描写

・風切りの七番が弱点

 

 

こうやって整理していくと、おぼろげながら答えが見えてくるような気がしますが、色々と謎が深まるばかりです。

例えば、

「大叔父は後継者に世界のバランスとりを引き継がせるべく、妊娠中のナツコを産屋で保護する」

と考えると、眞人が来なければナツコの子が後継者にされた可能性があるのか、という問題があります。

しかし、そうするとアオサギは眞人より先にナツコを塔に招待するため動くようにも思えるため、どちらかといえば

「眞人を後継者として塔に呼ぶため、ナツコを産屋に捕らえ、眞人を呼び寄せた」

という方が素直にも思えます。

しかし、そうすると、大叔父様は、直截に自分の場所まで眞人を連れてくればよいのに、なんで眞人は死ぬかもしれないような大冒険をしなければならないのか、という点が疑問になってきます。

そうすると、ナツコが下の世界に行ったのは大叔父様の狙いではなかった、という説も考えられるところです。

この場合、ナツコは自分の意思で下の世界に向かったことになりますが、ナツコが自分の意思で行くとすれば、眞人との関係性をヒミに相談したいと考えた、という可能性も出てきて、以前ヒサコが塔に行った際、実はナツコも下の世界に行ったことがあるという可能性も考察したくなってきますね。

このように、ナツコが大叔父様やアオサギに誘導されたのか、自分の意思で下の世界に行ったのか一つとっても、考えると謎が深まります。