Where Stories Are Born

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2020年は新型コロナウイルス感染拡大防止対策による〈緊急事態宣言〉等により、大好きな映画館・図書館通いが随分制限された一年でした。当然読書量も減らざるを得ない状況のなか気になったものを少々…… ◆まずは、ルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』。訳者・岸本佐知子いわく「読み手は本を閉じたあと、絶望や孤独だけではない、ひとかけらの光のようなものを手渡された気持ちになる。ちょうどジグソーパズルの最後に嵌めこまれる青空の一ピースのように。」 ◆つぎに、ルー・バーニー『11月に去りし者』。登場人物のキャラに痺れ、登場人物たちの会話の妙に痺れ、それよりなにより物語の展開に痺れ、いやぁ〜久々痺れっぱなしの一冊。個人的には2020年度フィクション海外エンタメ部門ベスト! ◆軽いけれどもどの作品も深い読後感を残す楽しい読書体験となった、中島京子『キッドの運命』は2020年度フィクション国内短篇部門ベスト! ◆未来に対する処方箋の部分はさておき、過去から現代に至る現状分析の部分は相当に目からウロコ。ヤニス・バルファキス『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』。 ◆『韓国・フェミニズム・日本』の〈もっと読みたい、もっと知りたい!厳選ブックガイド36冊〉からの一冊。クォン・ヨソン『春の宵』。 ◆2020年度フィクション海外長篇部門ベスト!ジャニーン・カミンズ『夕陽の道を北へゆけ』。 ◆読み進めていくほどに、やりきれない気持ちでいっぱいに。恐ろしいのは〈美しい国〉の政府も似たり寄ったりだということ。2020年度ノンフィクション部門ベスト!フランソファ・リュファン『裏切りの大統領マクロンへ』。 ◆石北会計事務所に今北産業、ワナビ、バーナム効果、「道を失ったときほど尾根に登れ」、いやぁ〜勉強になります!絲山秋子『御社のチャラ男』。 ◆なかなか複雑な構造をもつこの作品、スペイン語からの重訳ではなく基本的にはバスク語からの翻訳だそうで、これは日本翻訳大賞かなんか獲りそうな予感!ベルナルド・アチャガ『アコーディオン弾きの息子』。 ◆一度目にすれば忘れられないこの著者(なんとゆうてもシャネルにベンツやからね!)、作品もなかなかの曲者揃いで、当方浅学ゆえに意味不明の作品もあり、たぶん今年一番丁寧に読まされた一冊!2020年度フィクション海外短篇部門ベスト!要再読!シャネル・ベンツ『俺の眼を撃った男は死んだ』。 ◆国内のマンガ賞のみならず、フランスのバンド・デシネの批評家とジャーナリストの協会〈ACBD〉が主催するマンガ賞「Prix Asie de la Critique ACBD 2020」をも受賞!山田参助『あれよ星屑』。 ◆韓国の小説は女性の作家中心になりがちやったんやけど、このヒトはなかなかいいねぇ。イ・ギホ『誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ』。 ◆2016年に亡くなったウィリアム・トレヴァーの作品を想起させるなかなか素敵な短篇集。イーディス・パールマン『蜜のように甘く』。 ◆当方の貧しい想像力では理解不能の作品もなかにはあるけれど、確かにこれまた相当破壊力抜群な短篇集。ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤー『フライデー・ブラック』。 ◆そしてラストは、山本文緒『自転しながら公転する』。枡野浩一いわく「恋愛結婚小説であり、仕事小説でもあり、親子問題小説でも、高齢化社会問題小説でもある本作は、エピローグでまた別のジャンル小説であることが判明し、さらに驚く。」2020年フィクション国内長編部門ベスト! ということで2021年こそ平穏な一年でありますように!