執着というのは

思っている以上に日常に染みついてる

どんなに物を持ってても

どんなにお金があっても

どんなに自由な時間があっても

執着しているなら

いつも物が足りないし

いつもお金が足りないし

いつも時間が足りない

なんでもない日常で

冷えたお茶が無くなってることに気がついた時に

またお茶が無い！

また沸かさないといけない！

と思うかもしれない。

時間に執着していて

時間がないのに！！

と感じているかもしれないし

体力に執着していて

疲れているのに！！

と感じているかもしれない

愛されることに執着していて

誰も私を助けてくれない！！

と感じるかもしれない

大抵は、そういう風に細かく観察する余裕もなく、

音も聞かずに乱暴にお茶を沸かしたり

周りに八つ当たりしたり

お茶を沸かすのも嫌になってふて寝したり

スマホのゲームで気を紛らわせたり

しているかもしれない

お茶が無いと気がついた瞬間は

紛れもない『今』にいる

執着を手放すことの出来るタイミングは

『今』だけだ。

何に執着しているかなんてことはどうでもいい

ただ、お茶を沸かさないといけないと感じている自分をそのままほっておかないで

いつもの3倍は時間をかけるつもりになってみて

時間が無いと感じている時は

ゆっくり身体を動かすことが怖いかもしれない

こんなことをやってなんの意味があるのかとイライラするかもしれない

私ばかりこんな雑用をさせられていると悲しくなるかもしれない

スマホ依存症に気がつくかもしれない

ゆっくり時間をかけるのは

そんな自分の気持ちを聞くため。

耳を塞がないで

自分の身体の動かすペースは

急ぎすぎても遅すぎてもだめだ

人の身体にはそれぞれにリズムがあるから

それを探ってあげる

ちゃんと身体が覚えてるから

執着していればしているほど

手放す時は悔しい。

素直になれない。

自分が管理してきたという自負もある。

プライドもある。　

でも、今日はそれでいいんだ。

少しずつ続けていくと

執着していた気持ちが

ほぐれてくるのがわかるよ

気持ちが変わってくるのが分かるよ。

自分を家庭を管理しないとうまくいかないと

執着している窮屈な気持ちがほぐれてくる

ただの日常のなかの

お茶を沸かすようなシーンで

自分を癒すことができる

そうしていると、

いつも、お茶が無いということばかりが目についていたのに

気がついたら、身体が勝手にお茶を沸かしていたり

冷蔵庫を開けたら

いつも冷えたお茶があるようになる。

自分がお茶を用意していることには変わりはない

でも、

身体の動かし方も違うし

お茶を沸かす時の過ごし方も違う

周りの家族に当たり散らすこともなくなるし

何より自分の心が執着を手放してゆったりしてると感じるようになる

ただお茶を沸かすというだけの行為を通して

お茶を沸かしている間の豊かな時間や

自分に対する信頼を手に入れることができる。

ひとの身体は、

暮らしの動作を余すことなく知っている。

なんの無駄もない動きを知っている。

手が届かない場所にある物を取りたいと思った時、急かしたりせずに身体に任せていればなんの苦もなく解決策に自然と動ける。

貪欲になることも大切だけど

自分の気持ちを外に吐き出すことも大切だけど

日々の暮らしの中にいる

『今』の私を癒していれば

執着ではなくて

純粋に豊かな景色を想像できるようになる。

それは、何かが足りない、という思いの一切ない、本当に純粋な欲望だ。

そういう欲望は自然と湧き上がる。

誰かに煽られて得るものでもないし

無理やり高みを設定すればいいものでもないし

自分の背丈に合ったようにと決めつけるものでもない。

何かに執着しているという自覚があるなら

『今』の自分の中に押し込まれた不平不満を全部聞いてあげてね。

日常の動作を全部気にかけてあげてね。

執着を手放せるタイミングは『今』だけ