第3話
また朝がきて、
アズールは目を覚ました。
目の前を流れる川は何事もなかったかのように
おだやかさを取り戻していた。
空は青く澄んでいたし、太陽にあたためられた緑の息吹がまた
足もとからゆっくりと湧きあがってくるのだった。
それは普段の森の様子と何ら変わることなく、
うっとりとした平和で、
アズールはそのときはじめて
自分が守られていたことを理解したのだった。
*****
太陽があたまのてっぺん辺りまでくるあいだ
アズールはじっと、昨日の焼けるような月を思い出していた。
思い返してみると、もしかしてアズールはとんでもなく稀有な場面に
居合せたのかもしれなかった。
自分の身に降りかかったことがどんなに悲しいことでも、
それがスペシャルなものであれば、
まだこころを定めていることができるのだった。
どちらにせよ昨晩の出来事は、
少なからずアズールを脅えさせ、自信を失わせていた。
アズールは、自分がこれから一体どうしたらよいかも分からなくなった。
これまでごく自然に歩きつづけてきたことが
急にそらおそろしく感じられる。
何かを選ぶということがこんなに怖いことだとは思わなかった。
けれどここにとどまることもまた、選ぶことのひとつだ。
アズールは歩きはじめた。
川にそって、ゆっくりと。
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azur et rubis
第3話
NO BORDER
中でも横綱はこいつ。

今も私の机の上で鎮座ましましている。
常に日本のインスタントラーメン界を引っ張ってきたこのお姿はまさに好々爺。
それでいて、他の追随を優しく見守る、けれども決して先には行かせぬ雰囲気を醸し出している。
今は様々な種類のインスタント麺があるが、こいつはなぜここまで衰えぬ人気を誇るのだろうか?
原因は、その「素朴さ・素直さ」にあると見た。
CMでは宇宙飛行士がシャトルで地球をバックに食べる、グローバルな視点で描かれているが、その底流にあるのはいわゆる日本の心。
かやくもスープもすべてあらかじめIN。余計なことは一切省く。
「お湯をかけて3分」というコンセプトが忠実に実行可能である。
大関クラスがいくら頑張っても味を追求しても、「かやくが別の袋入りか、まだまだ甘いのぅ」「後入れスープとは邪道だのぅ」で一蹴の感。
もう味覚ではない。僕らの心を支配している。
ビバ、わび&さび。
同じ感覚がチキンラーメンにも存在していることはいうまでもない。
そうこうしているうちに、できあがったようです。
ミルミルミルミル
今週気づいたこと。
仕事上やってはいけないことがある。
世の中には色々な仕事があります。
就いた仕事によってできなくなってしまうことがあります。
例えば、学校の校長先生がいやらしいお店にいけなくなったり、一つのメーカーの関係者がライバル会社のものを買えなくなったり…
そんな色々なことがあるのはしょうがないのですが…
一番きついのは、
健康食品、薬関係。。。
だって病気できないのですもの。
うちの会社にヤクルトレディがきているのですが、一週間来なかったときがあって、
どうしたのか聞いたら風邪をひいたらしい…
上司にヤクルト飲めって怒られたらしいですよ。
てか飲んでなかったのね。。
朝
第2話
次に瞳をあけたとき、
アズールはそこに月がないことに気がついた。
いや違う。
月のかたちに何かがないのだ。
空を見上げれば空が、
川を見渡せば川が、
そのあいだに広がるはずの森もまた、
その部分だけなくなっているのだった。
もう痛みはなかった。
ただ、何かが ない という感じは妙なものだった。
よくよくなくなった部分を見つめようとしても、
見えているのはふちどりであって
そのものではないのだった。
おかしなものだ。
今なら、自分はもともと目が悪かったのだ
と思うことにして済ますこともできる。
だがアズールは、もうすこし穏当なやりかたを選んだ。
アズールは瞳のしんのあたりに力を込めて
ぼんやり一点を見つめた。
そして低いうめき声をもらすと、
アズールの瞳から、ぽろり
なみだがこぼれ落ちた。
アズールは泣いた。
ひとたび泣きはじめると、
しばらく涙は止まらなかった。
ない ことより、なくしてしまった と思うほうが
うまく泣けた。
アズールの涙は足下の草をやわらかく打ち、
そのまま川へ流れていった。
ひとしきり泣いてしまうと、
アズールはどこかすがすがしいような気さえした。
なみだが、アズールの瞳の欠けた部分を
埋めてくれたような気もした。
しかし、元にもどったわけでもなかった。
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azur et rubis
第2話
日本の王様
Jリーグでは、優勝決定が最終節までもつれこんだ盛り上がり。
世界では、ドイツワールドカップに向けた盛り上がり。
最近では、民放TV局も(深夜枠だが)日本人選手所属のチームや、大規模な欧州のカップ戦の試合を毎週のように放映している。
ところで、スポーツ紙などでは日本代表の中田英寿を「日本の王様」と呼んでいる。
だが、10年以上前から常に日本のサッカー界を引っ張ってきた男がいる。
そして、彼こそがいまだ「日本のキング」と呼ばれている男である。
それがこのお方。サッカーを知らない人でも一度は聞いたこと・見たことがあるのではないだろうか。

「キング・カズ」こと、三浦知良。
写真を見る限り、サッカーとは違う世界でも威光を放っている。
このポーズは彼にしか出来ない。否、彼にしか許されない。
Jリーグ発足期、黎明期も常に顔としてリーグを支えてきたカリスマ性、38という年齢をして今なお海外移籍をするどん欲なチャレンジ精神には、純粋に憧れる。そんな彼の公式ページのプロフィールは目を見張るものがある。(http://www.kazu-miura.com/museum/personal.html)
【目標:ワールドカップ】
「ドーハの悲劇」という言葉をご存知だろうか? アメリカワールドカップ最終予選、ロスタイム、まさかの相手ゴールで夢がこぼれ落ちて行った試合だ。そのときの主力だったカズ。大会得点王となりながらも、あと一歩でたどりつくことができなかった、世界のピッチ。
彼の年齢を考えれば、おそらくもう代表選出はかなわぬ夢だろう。だが、それでも。ワールドカップを「夢」ではなく、あくまで現実味を帯びている「目標」に据えているところがいかにも彼らしい。
【愛読書:マフィアもの】、【趣味:マフィア研究】
さすがキング。国を裏側からおびやかす相手は常に研究しておかなければならないということか。
先日、オーストラリアのクラブチームに移籍し、日本で開催される世界選手権に出場する。ぜひ、華麗なゴールを決め、「カズダンス」を披露してほしい。
気持ちの持ちよう
仕事もマンネリ化してきて,人間関係もマンネリ化してきて,もう気持ちはどんどん落ちていくとき・・・・私はこんな時がよくある。そして,職場のあいつはむかつくだの,いろんないいわけを自分の中にいいきかせ,どんどんブラックな私になる。
そんな時は何か大きな遊びをしたり,何かに力んだりするんじゃなくって,ちょっとした気分転換をすると気持ちが少しずつ回復することが遅ばせながら最近わかった。
昨日の夜は20分だけお風呂上がりにヨガのDVDを見ながら運動した。そしたらほどよく気持ちよかった。
今日も働きながらその”落ちる”症状がやってきたので,午後歯磨きをした。そんなちょっとしたことで,あれれ?と思う位に気持ちが前に進む。なんだろう。私とっても単純な生き物なのかも。
前を向くってのはそんなに簡単ではないけれど,ちょっとしたことで前方に進めることもあるのね。
第1話
アズールは森の中を歩いていた。
それはとても深い森で、アズールのからだは木々の呼吸で
つめたく、しっとりと濡れていた。
アズールはずっと、旅をしている。
理由はよく分からないが、
「ここに こうしては いられない」
という気持ちがアズールを動かしてきた。
気づいたときにはすでに旅をしていたのだから、
やめることのほうが、考えも及ばないことなのだった。
*****
ある日アズールは川のほとりに到着した。
まだ夜も序盤の、あかるい頃だったが、
早寝の月はすでに、川面ちかくまで降りてきていた。
アズールは目をほそめた。
なんて素敵な夜だろう。
銀にかがやく川に ほほをなでる風
さらさらと打ち寄せる波の音が耳をくすぐる。
白く静かな月のひかりがあたりを照らして
濃い影をつくり、
アズールは自分のまつげの影さえみることができるのだった。
やがて、
月はそろそろと川に身をひたしはじめ
光を含んだ水面が、乱反射をくりかえす。
それは見ている者の心をかきみだし、
とてつもなく嬉しいような、泣きだしたいような 気持ちにさせる。
水に沈んだ月の表面は次第に 焼けたような赤になり、
熱を上げ、
いきおいを増し、
にわかに透きとおるかに見えたあと、
するどい 青い 閃光を放って溶けた。
一瞬のことだった。
そしてそのとき、
アズールのからだに突き刺すような痛みが走った。
あまりのことにアズールはつよく目をとじた。
まぶたの中で ぐしゃり何かがくだける音がした。
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azur et rubis
第1話
第一夜 了
雪、穂、朝、晴。
クセのある、なかなか愉快な面子でございましょう?
この4名が今後も様々なお話を繰り広げてくれることでしょう。
若干、この4人に任せておいてうまくいくのか、不安なところがございます。
ですが、それは慣れというもの。
彼らもきっと、あなた様の夜に彩りを与えてくれることでしょう。
では当店にて、永き夜を存分にお楽しみください。




