1歩踏み出すのが怖い。そう思うことが、多々ある。

 

 飽き性で1つのことを長く継続することが困難な人間。安定した現状に固執し、なかなか新しいことに手を出すことができない人間。また、人間は必ずしもこの2種類のどちらかに分類されるわけではなく、どちらの要素も少なからず持ち合わせているようにも思う。


 しかし、私は圧倒的後者である。未知の世界に顔を出すことはとても怖い。失敗するかもしれない。嫌な思いをすることになるかもしれない。そういったリスクばかり考えてしまう。


 また、「充実していた頃の自分」「輝いていた頃の自分」にいつまでも執着し、過去の栄光に縋ってしまう部分もある。


 もう戻らない高校時代。

 破綻してしまった人間関係。

 破局してしまった元恋人。


 どれも今私の手元にあるものではないのに、あたかもまだ存在しているかのように、心の中で大切に温めている。そして、


 今現在の大学生活。

 これからできる友達、仕事仲間。

 これから出会うかもしれないパートナー。


 これらのことを考えるのが怖い。


 こういったものにこれから出会えるかもしれないのに、過去の記憶が塗り替えられてしまうのが怖いのだ。いつまでも、私が知っている世界だけでいて欲しい。


 しかし、時は残酷なまでに速いスピードで過ぎ去っていく。そして、時の経過とともに、自分自身も成長し、アップデートされなければならない。


 過去にばかり囚われず、未来、また未来に繋がる現在にも目を向けて生きなければならない。