その物音で、心臓は爆発しそうになった。



自分へ向けられる暴力と


憲太郎へと向けられる暴力・・・・。





二つの影・・・・・・



離れた、影・・・・



その間に割り込んでくる

腕を想像し、からだは震えた。





しかし・・・いくら経っても

その人影は部屋へ入ってくることは無かった。





安心して、それでも、怖くて

その日は、そのまま・・・・教室を出た。





これから始まる恋に

まるで、GOサインを出されているかのように

影の侵入がなかったことを

そう・・・思った。



それでも、まだ、生徒と講師の関係だった。



いつからか、居残りの授業をするうちに

教室で告白された。



『なんで、もっと早く出会えなかったんだろう・・・』



彼なりの一生懸命な告白だった。






受け入れた。告白。




・・・・・・・・抱きしめられて・・・・・・




くちびるを重ねることはなく



ただ、ただ・・・・



・・・・・・・ぎゅっと・・・・・・・・・・・





・・・・・抱きしめられてた・・・・・・・・





夫の暴力と、姑、舅のいじめに

疲れきっていた私に



枯れ切ったポットに


まるで水を注がれたような感覚だった。




そんな二人を

いつもの居残り授業に疑いを持っていた夫は

裏口から入って、中の様子をのぞいていたようだった。



物音がして・・・・



二つの影が離れた。





出逢ってしばらくは、普通に生徒と講師だった。



ただ、年頃の男の子には刺激が強い体型だったかも知れない。



他の生徒、女子生徒が

『先生の胸を見てたよー』と言い出すときもあった。




私には、昔の自分の周りにいた人の一人のようで

身近な感じと、合格させたいという思いでいっぱいだった。





いつからだろう・・・。



お互いが異性として意識し、そういう感じになっていったのは・・・・。






当時は、携帯もまだまだ普及されておらず

連絡方法は、私から彼のポケベルへ。


彼は公衆電話や家の電話から

私の家に・・・。




私が大丈夫と連絡した時だけ

電話をしてもらえる。




主人の度重なる浮気には困っていたが

彼との関係が出来てから

愛人のところへ出かけていく夫をとても

嬉しく思い、早く出かけないか・・・と

心待ちにしていた。