チェーン・ポイズン/本多孝好
同じ時期に、同じ方法で自殺した一見何の関係もない三人の繋がりを見つけようと、雑誌記者が駆け回るお話
本多さんの書く文章は、丁寧でとても綺麗なので好きです。
「私はやっぱりこの世界の未来が愛しかった」
ショウコの気持ちの変化がなんとも言えなくて、切ないです。
「ショウコ」という名前の読み方は同じでも漢字は違うのに、私と同じ名前だ、って思うのかな?ってそれがずっと疑問だったのですが、どんでん返し(?)でわかりました。
そうか、そうか
よかった
サトシは女子に好かれそうなキャラクターだと思いました←
ショウコという人間に関して、雑誌記者がどんなに取材をしようとしても誰も親しくしていた人がおらず、また、最初のほうのショウコの状態を読んで、私は一体どうなっているだろうかと考えるとなんだかぞっとしました。
同じような人生を辿るんじゃないか
自分と最も親しくしていた人は誰かと聞かれて、うちの母は一体誰の名前を答えるんだろう。
母親のあげた親しくしていた人が、自分はそんなに親しくなかったと答えたら、って考えていくと、うまく言えないけど、怖いです。
生きていられるのに自殺を選ぶ、人を絶望させる状況は贅沢なフィクション
人は誰しも一人分の孤独を抱えて生きている
贅沢なフィクションというのはなんだかいいなと思いました。