足の調子が良くなく、入院せざるを得なくなった時の話。
わたしがしばらくお世話になるベッドがある部屋に、先に入院していたリエちゃん。
8つ年下のリエちゃん。
…同じニオイがするリエちゃん。笑
なぜわかるかって?
それはね、入院初日の夜、
カーテン越しに、観ているテレビ番組が一緒だということがわかったのと、笑うタイミングが一緒だったから。大笑
わたしが足の病気で初めて入院したのが、平成元年。
当時は、通院しながら治療とか、治療の時だけ入院とか、
そういうシステムはまだなかったんだけど、
平成16年の入院の時にはそういうシステムが定着していて、
「進化したなぁ」って感動したこと、今でも忘れない。
そのシステムを利用して、リエちゃんは治療をしていた。
わたしが入院した翌日から、同じニオイがする者同士、まあ、よく喋る喋る。笑
どこの部位のがんなのか。
どうやってみつかったのか。
今回は治療だけなのか、手術もあるのか、などなど。
一緒に売店行ったり、
どちらかが調子悪い時は用事頼まれたり頼んだり、
外出許可もらってラーメン食べに行ったり、
談話スペースで喋りまくったり、
リエちゃんの辛い時間に何もできず、私が泣いたり、
わたしの苦しい時間を、リエちゃんが泣いてくれたり、
わたしはいつも、入院生活を割と楽しんで過ごしているほうだったけれど、
この時の入院生活はね、本当に本当に楽しかったの。
あ、足切断した入院の時の話です、これ。笑
主治医と手術について話をしたあと、
母よりも誰よりも先に報連相したのが、リエちゃん。
リエちゃんも、
今後の治療方法について、旦那さんよりも誰よりもわたしに報連相してくれてね。
わたしが足を切る手術の当日も、
朝早くからまるでリエちゃんが手術するかのように、ソワソワしてくれて。笑
術後の傷口の消毒の時なんてね、
複雑骨折のような手術をしたもんで、もう痛くて痛くてたまらなかったの。
毎回「ぎゃーっっっ!」って言ってたの、わたし。
それ聞いて、リエちゃん大爆笑。
「ウルサイ」って言われてた、毎回。笑
手術の後、痛みが続いて眠れない夜がかなり続いたんだけれど、
その様子をリエちゃんはずっと見てくれていて、
足を置きやすいようにって、抱き枕を買ってきてくれたりしてね。
場所は病室だったんだけれど、一つ屋根の下の家族になった気分でね。
リエちゃんが話してくれたんだ。
「結婚して数日で病気だってわかって、
旦那さんに申し訳なくて、
病気になったのも主治医のせいにして、
治療も手術も苦しいし、
ぶつけるトコロがなくて主治医に文句ばっかり言ってた。
けどね、
今回の入院でみかちゃんと出会って、リエ、変わったよ。
今ね、メチャメチャ楽しいんだよ。
入院生活がこんなに楽しいと思ったことなかったし、
これなら入院が続いても耐えられるって思ってさ。
治療頑張って長生きできそうな気がしてきたさ。
みかちゃん、ありがとうね。
足切ってくれて。笑」
って。
リエちゃんの主治医にも言われた。
「みかちゃんのおかげで、今回のリエちゃんは治療をものすごく頑張ってるんだよ。
ありがとうね、退院しないでずっと居てくれていいんだけど。笑」
って。
だから、それはイヤだってお断りしたけれど。笑
リエちゃんが通院治療に切り替わり、外来で抗がん剤治療する時は、
わたし、外来まで行ってリエちゃんの投薬が終わるまで一緒にいて。
義足のリハビリのために転院し、沼津に戻ってからも、
定期的な通院があったので、そのたびにリエちゃんと約束して会って。
リエちゃんが旦那さんと沼津に遊びに来てくれたり、
わたしも息子とリエちゃんちに泊まりに行ったり。
ほんと、楽しかったの一言でね。
リエちゃんと知り合ってちょうど2年が経った5月。
朝携帯電話に着信があって、リエちゃんからだったの。
「もしもーし^^」
って出たら、旦那さんがリエちゃんの携帯電話から掛けてきたの。
「あ、みかちゃん」って旦那さん。
「ねえ、、、、ちょっと、、、
これリエちゃんの電話でしょ?
なんで○○君が掛けてくるのよ。
なんでリエちゃんが掛けてこないのよ!!!」
ここからは涙でしばらく話せなかった。
リエちゃん、星になった。
わたし、車飛ばして会いに行った。
リエちゃんのママに言われた。
「みかちゃんと出会ってからのリエは、病院に行くのが楽しそうでね。
もちろん、泣きごと言うけれど、けれど頑張るんだって言ってくれてね。
みかちゃん、本当にありがとうね。」
って。
旦那さんも、
「週末自宅で過ごして月曜朝また病院に戻る時、
今までのリエは大泣きだったけれど、
みかちゃんが病院に居た時は、早く病院帰りたいって言ってたくらいだったんだよ(笑)」
って話してくれて。
苦しい入院の思い出ばっかりじゃなくて、
楽しい入院の思い出ができてくれたことが嬉しかった。
もうちょっと頑張って生きてみようかなって思ってもらえたことが嬉しかった。
リエちゃん、
あれからわたし、義足歩行が上手になったよ。
あれからわたし、義足歩行が上手になったよ。
リエちゃん、
息子はもう中3になったよ。
リエちゃん、
わたしのことを大切に想ってくれる彼ができたよ。
リエちゃん、
リエちゃんの分もわたし楽しむからね。
楽しかったね、本当に。
あの時間、絶対に忘れないよ。
大好きなリエちゃんへ。