しんどかった国境越えで“神降臨” ~イタリア→スロヴェニア~
イタリアとスロヴェニアは隣り合った国であり、
スロヴェニアは、旧ユーゴ時代より西欧と親しかった国。
なので、国境を越えるのは簡単だと思っていた。
しかし・・・
国境越えの情報として、僕が持っていたのは列車による移動情報のみ。
しかし、これはヴェネツィアを夜出発し、現地には深夜着と使えない。
ヴェネツィアからなら国際バスが出ているだろうと高をくくるが、
スロヴェニアへの直行バスはないという。
ふぅ~。
ということで、一度国境の街まで移動してスロヴェニアへ行くことに。
ヴェネツィアのインフォメーションで、
「トリエステに行けば、ポストイナ(鍾乳洞)までのバスが、週末も含めて毎日出てるわよ」
と、ナイスな情報をゲット。
バスは午後に2本ということなので、お昼までに着いてれば大丈夫とのこと。
国境越えの情報をゲットした僕の予定ルートは以下の通り。
ヴェネツィア→トリエステ→≪国境≫→ポストイナ(鍾乳洞観光)→リュブリャーナ
移動距離はたいしたことないので、移動日の前夜リュブリャーナの宿を予約した。
6/27 朝9時48分。
僕はヴェネツィア発トリエステ行きの列車(R:9.9€)に乗り込んだ。

電車はアドリア海沿いをすすむ
列車は予定通り、11:53にトリエステ着。
すぐさま鉄道駅の隣にあるバスターミナルへ移動し、バスの時間を確認しに行くと・・・
んっ??
バスターミナルが暗い・・・
人の気配は全くなく、窓口が一つも開いていない。
窓口前に時刻表があったので、ポストイナ行きを確認してみると・・・
たしかに午後に2本あり、時間は12時台と14時台。
しかし・・・
時刻表の最後にWeekdayの文字が・・・
この日、6/27は日曜日。
お~い、ヴェネツィアのインフォのお姉さ~ん。
安易に信じすぎてしまったのが、敗因。
しょうがないので、他の交通手段を探す。
重いバックパックを背負い、鉄道駅のインフォ、街の中心のインフォを渡り歩く。
しかし、返ってくる答えは、バスターミナルで聞きなさい。
だから、バスターミナルが閉まってるんだって!!
抗議もむなしく、取り合ってくれない。
2時間近く街を彷徨い、途中ヒッチハイクも試みるが、全部駄目。
たった21㎞の距離が遠く感じる。 ※トリエステ→コペル(スロヴェニアの国境近くの街)

インフォのあった広場

観光はしてないが、綺麗な街だった

装飾が見事な建物
こうなったらもう、唯一動いてる市内バスで行くしかない。
市内バスの運ちゃんに聞いたら、向こう側はわからないが、イタリア側の国境までは行けるらしい。
ということで、市内バスを乗り継ぐ。
トリエステ鉄道駅前→(20番)→ムッジャ→(7番)→ラッザレット 1.2€
そして、やっと国境に到着。

スロヴェニアとの国境は・・・
誰もいなかった(笑)

歩き方に、“国境によってはEU諸国のパスポートしか受け付けないところもある”
と記載されてたので警戒したのだが、受け付けないどころか見せてもないし(笑)
この日が日曜だったからなのかは分からんが、さすがEU。
密入国し放題ですな。
ということで、無事スロヴェニア入国!!
がしか~し、やっぱり問題発生。
スロヴェニア側・・・何もない。
レストランは潰れているし、唯一あるのはガソスタ。
とりあえずガソスタでコペルまでの移動手段を聞くと、バスしかないとのこと。
しかし、そのバスは日曜は運休。
コペルまでは距離にして十数キロ。
ということは、歩くと2時間コース。
もうこうなったら、歩きながら近づいて、コペル方向に向かう車が来たらヒッチしかない。
相棒を担ぎ、炎天下の中、ただひたすら歩き始める。
まるで猿岩石。
30分くらいで十数台車が通り、ほとんどの車が止まってくれるのだが、みんなイタリア人。
スロヴェニアのビーチに遊びに来た、スロヴェニアの方がガソリンが安いので入れに来た、
皆良い人ばかりなんだけど、コペル方面に行く人はいなかった。
この日はすでに、トリエステでもバックパックを背負い彷徨ったため、肩と腰に痛みが・・・
もう何もかもめんどくなり、ビーチへ現実逃避しに行こうと悩んでいると・・・
サインも出してないのに、目の前に車が一台止まった。
中を覗くと、さっきのガソスタのお兄ちゃんだ。
お兄ちゃんは、「コペルまで行く用事が出来たから、乗ってきなよ」と。
神降臨!!
思わず、「あなたは神ですか」と言ったら、一笑された。
話を聞くと、どうやら夕方の用事を前倒しにして、追いかけてきてくれたらしい。
ほんと、ナイスガイです

コペルには15分ほどで到着。
心からのお礼を言うと、彼は「また困ったことあれば言ってよ」と。
なんていい人なんだ。
もうあのガソスタに行くことはないと思うが、一生忘れない出会いだった。

彼の車を盗撮

この日は昼食も食べれず、ここでやっと一息
コペルからは、16:40発のICに乗車(料金:11.5€)。

駅

スペインのAVEやフランスのTGVのような車内
もうポストイナに行っても観光できないので、リュブリャーナへ直行。
道中は車窓から外の風景を見つつ、
「あの状況で自分なら見知らぬ旅人を追いかけたか」を考えながら、彼への再度の感謝を心に誓う。

車窓からの景色
電車は2時間強でリュブリャーナ到着。
本当に長い一日だった。

リュブリャーナの象徴・ドラゴン
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