この写真は、ある筑波大学芸術専門学群生の作品展示で、ギャラリー入り口付近に飾られた展示テーマ。
私たちは日ごろ、人や物事に出会い、衝撃を受け、自分が変化する要因となったことでも、一つひとつを詳細に覚えているわけではなく、自分に都合の良いことばかり覚えている。少なくとも私はそうだと思い、この言葉に共感し、写真を撮っていたのだ。
けれども、後々覚えていることよりも、自分が失っていること、欠けてしまっている記憶のほうが重要なこともあることに気がつく時に、何かとんでもない失態を犯したような気持ちになる。
例えば、初めて自転車に乗れるようになった時のことや初めて干支が言えるようになった時のこと、気が付かずに落としてしまって今でも行方不明のイヤフォンの行方、つい一日前にかおりちゃんと話した会話の内容。
私は日々失っている。
でもそれは避けられないことでもある。
制作者やポエマーでない私が、プレーヤーとして流れ落ちがちな物事を残す媒体は、簡単な写真という映像しかない。
今までもこれからも、映像技術的に美しくなくとも、自分の記録として継続するということが、新たな自分に繋がるヒントとなることを期待する。



